最大にして最強の陸上肉食動物とされるのがホッキョクグマです。
ホッキョクグマは、北極圏などに生息しその生態系の頂点に君臨しています。
大きいものでは700キログラムから800キログラムにもなるというのですから、まさに最大かつ最強の陸上肉食獣ですね。
しかし、ホッキョクグマの生息する地域の海には、これまた生態系の頂点に君臨するシャチが存在します。
シャチは世界中の海でその姿を見ることが出来ますが、冷水を好むため南極やシロクマの生息する北極にも姿を現すのです。
もしも仮にこの2種が対峙して戦うことになったのならどうなってしまうのでしょうか。
今回は、この戦いをシミュレーションしてみたいと思います。
題して「最強のホッキョクグマvsシャチ!どっちが強い!?」です。
さて、軍配はどちらに上がるのでしょうか。
ホッキョクグマ
「ホッキョクグマ基本 データ」
- 分 類 食肉目 クマ科 クマ属
- 学 名 Ursus maritimus
- 和 名 ホッキョクグマ
- 英 名 Polar bear
- 体 長 250~300センチメートル程度(雄)
- 体 重 400~800キログラム程度(雄)
- 分布域 北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部、北極圏
ホッキョクグマの特徴
最大にして最強の陸生肉食獣とされるのがこのホッキョクグマです。
大きなものでは、体長が3メートル体重が800キロにもおよびます。
基本的にクマは雑食性なのですが、このホッキョクグマに関しては非常に肉食性が強くなります。
この大きな体格で肉食獣となれば、恐ろしいモンスターに違いありませんね。
主に捕食するのはアザラシ類で、他にもイルカや一角などの大型哺乳類などを襲うこともあります。
アザラシを狩る場合には、鋭い爪と桁外れのパワーで氷を叩き割り中(下)にいるアザラシを引きずり上げてしまいます。
また、氷の上で休むアザラシには気づかれないように忍び寄り襲うなど学習能力も高いようですね。
動物園で飼育される個体には、道具を使う人気者もいて頭の良さは広く知られています。
ホッキョクグマの武器
ホッキョクグマの武器となるのは、その巨体と桁外れのパワーに鋭利な爪と歯です。
アザラシを狩る際には、分厚い氷をいとも簡単に叩き割ってしまいます。また、体重が200キロ近いアザラシを軽々と引きずり上げてしまうのです。
ホッキョクグマより小さいヒグマでは、前肢のパンチで馬の首を跳ね飛ばしたという逸話がある程です。
まさにクマ恐るべしですね。
さらに、身体能力が高いことも忘れてはいけません。
基本的には、陸上生活のホッキョクグマです。
陸上では時速40キロと言う速さで走ることが出来ます。
それだけではありません。泳ぎも非常に達者で、距離にして60キロ以上を泳ぎ続けることが出来るのです。
まさに水陸両用のモンスターなのです。
シャチ
「シャチ基本 データ」
- 分 類 鯨偶蹄目 マイルカ科 シャチ属
- 学 名 Orcinus Fitzinger
- 和 名 シャチ
- 英 名 Killer Whale、Orca
- 体 長 大きいもので9から10メートル程度
- 体 重 大きいもので10トン程度
- 分布域 世界中の海(冷水を好む)
シャチの特徴
さて、一方のシャチですがこちらも大きさにパワー、鋭い牙に抜群の遊泳力と知力、全てがバランスよく備わっている海の最強ハンターです。
主には冷たい海域を好みますが、世界中の海に対応することが出来る万能選手で、全ての海域で生態系の頂点として君臨します。
時速60キロから70キロと言う驚異的なスピードで泳ぐことが出来、また時折見せる海面ジャンプなどはまさに中を舞う程のジャンプ力で非常に高い身体能力を誇ります。
実際に自然界においては、シャチの天敵となる生物は存在しません。
強いてあげるならば、武器や機械を使う人間が唯一無二の天敵となります。
しかし、丸腰の人間であれば、勿論シャチには格好の獲物となってしまいますね。
狩りの対象となるのは、まさに様々で小さなものでは魚類から海鳥、イカにペンギンなど、大きなものではアザラシにオタリア、イルカ、サメ、そしてクジラをもターゲットにします。
英名の「Killer Whale」からも分かるように、クジラもシャチは捕食対象としてしまうのです。
鋭い歯が並ぶ強力な顎で一咬みされれば、ほとんどの獲物は絶命または戦意喪失してしまうでしょう。
まさに無敵、海の最強ハンターなのです。
シャチの最強の武器は高い知能
大きな体に強力な顎の力そして鋭い歯さらには卓越した身体能力と、海のハンターとして必要なものは全て揃えているシャチですが、最も偉大なる武器は高い知能かも知れません。
群れで生活するシャチは社会性もあり、非常に賢い動物です。
無駄な争いはしませんし、狩りも非常に効率的に行います。
例えば、氷の上にいるアザラシを襲う場合には、無駄に襲い掛からずに波を起こし氷の上からアザラシを海へと落とすのです。
またカモメを狩る際は、魚を吐き出しそれを餌にカモメをおびき寄せ狩るなど非常にクレバーな狩りを行います。
獲物に合わせて実に効率的に巧みな狩りを行うのです。
このようにシャチは、海の中では怖いものなしの優秀なハンターとなります。
あの、史上最強のサメ「メガロドン」はシャチとの生存競争に敗れて絶滅したという説が有力とされるほどなのです。
「ホッキョクグマvsシャチ」勝つのはどっちだ。
さて、それでは「ホッキョクグマvsシャチ」戦いのシミュレーションをしてみましょう。
まず、シャチなので対戦は水中となるでしょう。
ホッキョクグマは、体長が最大級の700から800キログラムの大物を想定します。
しかし、結論から申しますとシャチの圧勝に終わってしまうようです。
前項の「シャチの特徴」でネタバレになるので記載は控えましたが、シャチの狩りの対象には実はホッキョクグマも入っているのです。
ホッキョクグマの唯一の天敵がシャチでもあるのですね。
如何に、巨大なホッキョクグマでもシャチはその10倍にもなるのです。
また、陸上動物であるホッキョクグマは、泳ぎが達者とは言え水中をホームグランドとするシャチに敵うはずがないのです。
ここでホッキョクグマが取れる作戦は、如何に陸まで逃げ切るかしかありません。
「ホッキョクグマも爪や咬みつきで反撃するのでは?」そのような期待もあるかも知れません。
しかし、シャチがホッキョクグマを狩る手法は、一咬みしホッキョクグマをくわえたまま猛スピードで海中を引きずり回してから、海の底へと潜って窒息死させてしまうのです。
これが、シャチのホッキョクグマ対策なのだとか、地上の覇者も海の中では手も足も出ないようです。
水辺または陸に戦場をうつすことが出来れば。
「ホッキョクグマvsシャチ」この対決は圧倒的な強さで、シャチがホッキョクグマを仕留めてしまいます。
ホッキョクグマがシャチに一矢報いることは出来ないのでしょうか。
仮に、水中で出くわしホッキョクグマが砂浜など陸まで逃げ切ることが出来れば、ホッキョクグマにも勝機はあります。
シャチが命を落とす原因として、獲物を求めて波打ち際まで侵入して海に戻れなく事例があるのです。
浅瀬にまで、おびき寄せ動きが封じ込められたシャチをそのまま陸上へとあげてしまえば、もうシャチは動けません。
ここではホッキョクグマの独壇場となるでしょう。
しかし、賢いシャチがホッキョクグマを追って浅瀬にまで入り込むことは無いかも知れませんね。
まとめ
今回、「ホッキョクグマvsシャチ」について考えてみました。
体重が最大級の700キロサイズの陸の王者ホッキョクグマでも、海の中ではシャチに手も足も出せず獲物となってしまうようです。
実は、ホッキョクグマの個体数の減少理由の一つにシャチに襲われることもあげられているようですね。
「ホッキョクグマは海に入らなければ良いのに。」と考えますが、餌を求めて海に入らなくてはならないのです。
温暖化と共に、ホッキョクグマが海に入らざるを得ない時間も長くなっているようです。
よりシャチに狙われる機会が増えていきますね。
また、昨今の地球温暖化の影響と懸念されていますが、このホッキョクグマの体重が少しずつ小さくなってきているとの報告もあるようです。
この25年で、実に「雄で45キロ」「雌で31キロ」も平均体重が少なくなっているようです。
今、ホッキョクグマを取り巻く環境が一層厳しくなっています。
くれぐれも、絶滅と言う最悪の道へは進んでほしくないですね。