豹(ヒョウ)の種類一覧と最強の最大種は?性格や特徴

危険な哺乳類

最も繁栄したネコ科の動物は何だと思いますか?

実はライオンでもトラでもなく、その答えはヒョウなんです。

あらゆる環境に対応する生命力と対応力で世界の広範囲に分布を拡大して行きました。

その異なる環境で進化を遂げて今では9亜種を数えるヒョウの種類が存在します。

こうなると俄然ヒョウにも興味が湧いてくるのではないでしょうか?

今回はこのヒョウの種類を一覧でご紹介し、最強の最大種は何になるのか?

また、ヒョウの性格や特徴などもご紹介してまいります。


豹(ヒョウ)

豹(ヒョウ)の基本データ

ヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • 分 類  食肉目 ネコ科 ヒョウ属 ヒョウ
  • 学 名   Panthera pardus
  • 和 名  ヒョウ
  • 英 名   Panther / Leopard
  • 体 長  140~190cm程度(雄) 120cm程度(雌)
  • 体 重   40~90kg程度(雄) 30~60kg程度(雌)
  • 尾 長   90~110cm程度(雄) 60~90cm 程度(雌)
  • 寿 命  野生下で10~12年程度 飼育下では21~23年程度
  • 分布域    アフリカ大陸からアラビア半島、東南アジア・極東ロシア
  • 生息環境  草原や山地から熱帯雨林など様々な環境域

ヒョウの生態

ヒョウは極東ロシアにアジアからアラビア半島、アフリカと幅広く分布しています。

ヒョウの分布図

出典画像:Wikipedia

これはネコ科における種では最も広範囲に分布することなりヒョウの環境適応能力の高さが伺えます。

また、分布に限らず生息環境も横軸として草原や森林、岩場など様々な環境に、縦軸としては低地から標高5000mを超す高地にも姿を現すなど、ヒョウは様々な環境に適応する事が出来ます。

行動は昼夜行われますが、日中の暑いときは木の上などで休んでいる姿をよく見かけます。

基本的には単独行動ですが、稀に群れとなり狩りを行うこともあるようです。

狩りの対象となるのは中型の哺乳類から小動物、鳥、爬虫類、魚など多岐にわたります。

また地域によっても異なるようで、アフリカの種はシマウマやインパラなど、アジアのものはシカやヒヒなどのサル類からパンダまでもが対象となるようです。

パンダの写真

出典画像:Wikipedia

アジアでもインドにおいては都市部周辺の森林に潜み、夜間にブタなどの家畜を襲うことも報告されています。

行動範囲は、環境や地域によって異なりますが雄の平均で30~80㎢、雌で15㎢とされ、雄の行動範囲の中に複数の雌の行動範囲が入っているようです。

決まった繁殖期はないようですが、その多くは雨期に行われるようです。

妊娠期間は100日程度で、一度に2、3頭を出産します。また性成熟は2、3年程になります。

ヒョウの特徴・性格

ヒョウの身体はがっちりとしなやかさが見事に融合した感じで、これがあらゆる環境に適応できる基礎となるようです。

ヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

体毛は細く繊細な下毛と粗い上毛が密生して生えています。毛色は黄色や淡い褐色などの下地の上に俗に言うヒョウ柄の特徴的な斑紋(梅の花の形状に似ていることから梅花状とされることもある)があります。

下地となる体毛は腹部などは白くなりますが、斑紋は見られます。また尻尾は長くここにも斑紋があるのも特徴的です。

体毛や斑紋は保護色となりますが、生息する環境により寒い地域の種は体毛が長く濃くなり暑い地域の種は短く粗くなるようです。

前肢に5本、後肢に4本の指があり、それぞれに自由に出し入れができる鋭利な鉤爪があります。また肉球が柔らかく足音を立てずに歩くことが出来ます。

ヒョウは非常にクレバーな性格で獲物は木の上で食するなど、警戒心も強いです。分布を大きく広げられる強さは身体能力に加えクレバーさも関係するかも知れませんね。


ヒョウは忍者?独特な狩りと驚くべき身体能力

ヒョウはその身体能力が非常に高いのも特徴的です。

前述のように足音を立てずに忍び寄る狩り、姿を消して待ち伏せをする狩り、気の上から突如飛び掛かる狩りなど、狩りのバリエーションが非常に豊富です。

その狩りの様子は、俊敏かつ華麗さらに狡猾などと表現され正に忍者の様なんです。

しかし残念ながら狩りの成功率は20%程度とあまり高くはないようです。

また、ヒョウは一見細身の体つきですが、非常に力強くパワフルなんです。体重1トン程の獲物も倒すことが出来るうえ、その倒した獲物を咥えたまま木の上運んでしまいます。

ヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

これは、ライオンやハイエナなどに獲物を奪われないようにするためと、木の上で保存しておくことが目的になります。

ヒョウの運動能力の凄さは、走る速度が時速60キロ、幅6m級高さ2.5m級の跳躍力に顎の力が80㎏という数値をみればお分かりいただけるのではないでしょうか。

ヒョウの種類一覧

ヒョウの種類としては実は様々な意見があり、まとまり切れていないのが現状です。

しかし国際自然保護連合(IUCN)では、現状ヒョウの種類は次の9亜種としています。

  • African leopard / アフリカヒョウ(Panthera pardus pardus) サハラ砂漠以南のアフリカ
アフリカヒョウの種類

出典画像:Wikipedia

  • Indian leopard / インドヒョウ(P.p. fusca) インド
インドヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • Javan Leopard / ジャワヒョウ(P.p. melas) ジャワ島
ジャワヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • Arabian leopard / アラビアヒョウ(P.p. nimr) アラビア半島
アラビアヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • Amur leopard / アムールヒョウ(P.p. orientalis) 中国国東部、極東ロシア
アムールヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • North Chinese leopard / キタシナヒョウ(P.p. japonensis) 中国北部
キタシナヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • Persian leopard /ペルシャヒョウ(P.p. saxicolor) トルクメニスタン、イラン北部、コーカサス地方など
ペルシャヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

  • Indochinese leopard / インドシナヒョウ(P.p. delacouri) 東南アジア、中国
インドシナヒョウの種類

出典画像:Wikipedia

  • Sri Lanka Leopard / スリランカヒョウ(P.p. kotiya) スリランカ
スリランカヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

以上が現存するヒョウの亜種となります。

種として有力な2亜種

現状では前述種のペルシャヒョウに含まれシノニムとなりますが、骨格の違いから次のものも亜種として有力とも思われます。

  • Anatolian leopard / アナトリアヒョウ(P.p. tulliana) トルコ北部
  • Balochistan leopard/バロチスタンヒョウ(P.p. sindica) パキスタン、アフガニスタンなど

「クロヒョウ」と「ユキヒョウ」は亜種ではない?

ここで「あれ?クロヒョウやユキヒョウは入らないの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。

実はクロヒョウというのは黒変種とされ、突然変異で普通のヒョウが黒い体毛で生まれて来たものなんです。普通のヒョウから普通に(25%の確率)生まれてきます。

クロヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

つまり特にクロヒョウという亜種が存在するわけでは無いのですね。確かに目立ちませんがよくよく見るとヒョウ特有の斑紋があるんですね。

また、ユキヒョウはどうやら正式にはヒョウの仲間では無いようなんです。実際にはトラに近い種となります。

元をたどると、祖先からウンピョウが離れ、続いてユキヒョウとトラの一族とヒョウの一族に分かれます。

後にヒョウの一族が「今のヒョウ、ライオン、ジャガー」などに分かれることになります。

このようにヒョウとユキヒョウは全くの別種ということで亜種には含まれていないのです。

ユキヒョウの写真

出典画像:Wikipedia

しかしどう見てもヒョウなんですが・・・。


最大で最強となる種

ヒョウの9亜種の中で最大かつ最強となるのは、ペルシャヒョウになります。

体長190㎝、体重100㎏、尾長110㎝と非常に立派な体格をしています。

しかし、身体機能はいずれのヒョウも非常に高いですし実際に戦えば個体差などにより他のヒョウが勝つ場合もありそうですね。

ユキヒョウを仲間とすれば最強ともなる?

前述のユキヒョウをヒョウの仲間として考えたら、この最強はユキヒョウになるかも知れません。

大きさでは最大とまでは行きませんが、岩やがけで生活するユキヒョウの身体能力やパワーはずば抜けています。

このユキヒョウが加わるとヒョウ最強はまた違う結果となりそうです。

まとめ

今回、ヒョウについてその特徴や種類などをご紹介してまいりました。

クロヒョウもユキヒョウもヒョウの亜種では無いというのは少々驚きだったかも知れません。

ネコ科動物で最も分布域を広げた生命力に適応力は流石ヒョウなんですね。しかしそんなヒョウもあらゆる種で絶滅が危惧されています。

もっとも大きな繁栄に成功したネコ科動物のヒョウですが、環境破壊という波には飲み込まれてしまうのかも知れません。

一刻も早く、数の減少を食い止め、また新たな繁栄へと向かって欲しいものです。

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