クロドクシボグモは最強の毒グモ?世界一の猛毒の危険性とその生態!

危険な昆虫類

タランチュラやセアカゴケグモという毒グモは聞いたことがあると思います。しかし、世界にはタランチュラをも凌ぐ世界最強の毒グモがいます。それはクロドクシボグモです。世界一の猛毒を持つクモの危険性と生態についてご紹介していきます。

クロドクシボグモの生態

クロドクシボクモの写真
出典画像:Wikipedia

  • 学名:Phoneutria nigriventer
  • 分類:クモ目シボグモ科フォニュートリア属
  • 分布:中南米の熱帯雨林
  • 体長:体のみ5cm~8cm、脚を含めて13~15cm

日本にいる我々の身近にいるクモの中にも毒グモと呼ばれるクモもいますが、大抵のクモはこちらから刺激を加えなければ攻撃して来ず、種類によってはゴキブリやそういった虫を駆除してくれる種類が多いです。

ところが、今回紹介するクロドクシボグモはそれと比べると非常に攻撃的で、積極的に攻撃をしてきます。また、このクモはギネスブックに載るほどの猛毒を持っています。この章ではそんなクロドクシボグモの生態をご紹介していきます。


糸を貼らないクモ

多くのクモは糸を張り、獲物を糸で絡めとり食べます。ところがクロドクシボグモは糸張って狩をするのではなく、夜間に歩き回り、獲物に襲いかかり、自らが持つ恐ろしい毒を注入し捕食します。それゆえに別名「ブラジルの彷徨うクモ:Brazillian Wandering Spider」と呼ばれます。

クロドクシボグモは世界最強の毒グモ!?

多くのクモは糸で相手の動きを奪い、捕食します。ところが、クロドクボシグモは糸を張りません。それでもクロドクシボグモは昆虫類や小型両生類、爬虫類、小動物などを貪欲に飛びかかり襲います。

このクモが餌を獲り、そして生きながらえることができるのは、一撃で相手の動きを止め、命を奪える猛毒を持っているからなのです。学名になっている「Phoneutria」はラテン語で「殺人者」という意味で、クロドクシボグモの最強の毒グモとしての姿をよく表しています。

この章では、クロドクボシグモの毒性についてご紹介していきます。

クロドクシボグモの毒成分

クロドクシボグモの持つ毒は神経系の毒で、0.1mgほどで人間は死に至ります。そしてこの毒をクロドクシボグモは体内に約8~10mg持っているため、人間80~100人を殺すことができると言えます。

クロドクシボグモは比較的大型のクモで、口にある牙も大きく噛まれるだけでも大変強い痛みがあります。

しかし本当に恐ろしいのは噛まれることで注入される毒で、この毒は全身の神経系に影響し、強い痛みを伴いながら全身に広がっていきます。
痛みが全身に広がるのと合わせて、呼吸困難や全身の麻痺、血圧の急激な上昇が引き起こされます。血圧の上昇によって毒が身体中を巡るのは非常に早く、30分ほどで人間は死に至ります。

このクモの毒はその強力さゆえにギネスにも登録されているほどで、かつては噛まれて命を落とす人が後を絶ちませんでした。

ところが今ではこの毒に対する血清ができているため、適切に処置をすれば命を落とすことはなくなりました。


海を渡る可能性

クロドクシボグモは主に中南米の熱帯雨林に生息しています。しかし、このクモは、中南米から9000kmも離れたイギリスで見つかっています。それはなぜなのか、この章ではクロドクシボグモが海を渡る可能性についてご紹介していきます。

バナナと一緒にやってくる?

クロドクシボグモは光を嫌い、岩陰や丸太の影、そしてバナナの葉の中に隠れます。そこで近く獲物に襲いかかるのです。そういった習性から「バナナスパイダー」とも言われています。

中南米のバナナ農場でも被害にあう人が多いですが、時には出荷されたバナナにクロドクシボグモが紛れていることがあるのです。
このクロドクシボグモが紛れ込んだバナナが出荷され、本来の生息地から遠く離れたところで見つかることもあります。

イギリスでの事例

イギリス中部、スタフォード州で、クロドクシボグモは見つかりました。

そこに住むある主婦がスーパーでバナナを購入したところ、白カビのようなものが付着していました。その主婦は単なる白カビと思い、バナナをそのままにしていました。

ある日その白い部分はカビでななく、クモの巣であることに気づきました。さらに家中にクモ巣があるのが見つかり、そのクモの巣を払うと無数のクモが動き回っているのが見えました。

業者に連絡し、クモを調べたところ、世界最強の猛毒を持つクロドクシボグモであることがわかりました。
本来の生息地から9000km以上離れた場所で見つかったことから地元紙でも取り上げられました。

クロドクシボグモのまとめ

攻撃的で人を死に至らしめるほどの猛毒を持つクロドクシボグモですが、現在日本での目撃情報ありません。また入手できるルートもないため、飼育以前に手に入れることも困難でしょう。なので、日本で我々の目の前に姿を見せることはありません。それでも日本にも毒グモは生息していますし、猛毒のクモであるセアカゴケグモが見つかったこともあるので、大事なのは「よくわからないクモには注意する」ということです。

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