ブチハイエナの生態と強さ!ライオンを食べることも?

危険な哺乳類

動物園でブチハイエナを見たことがありますか?耳が大きく、たれ目で愛嬌のある顔つきですよね。

ハイエナといえば、コソコソしていて、なんだか卑怯でズルそうなイメージがあると思います。

しかし、実際の生態は異なります。その中でも、ブチハイエナは全4種類いるハイエナの仲間の中で最大で、自分たちで狩りを行い、時にはライオンも食べてしまいます。

今回はそんなブチハイエナの強さの秘密に迫ります!


ブチハイエナとは

出典画像:Wikipedia

ブチハイエナの生態

  • 科名:ハイエナ科
  • 体長:95~165cm
  • 分布:アフリカ大陸
  • 環境:草原
  • 危険な部位:顎の力がとても強い。噛みついた相手の骨まで砕くことが可能。

ブチハイエナは大きくて丸い耳と体のブチ模様が特徴です。見た目はイヌに似ていますが、ジャコウネコ科の近縁なので、中身はネコに近いタイプです。

腰が引けているように見えるのは、ハイエナの仲間が後肢より前肢の方が長い脚を持っているためです。

一見走りにくそうにも見えますが、ブチハイエナは前肢の筋肉が発達しており、最高時速65kmで走れます。また、スタミナがあるので長距離を走ることも得意です。マラソンランナーのようですね。

また、ブチハイエナは完全なメス社会です。5~15頭ほどのクランと呼ばれる群れを作って生活します。体の大きさもオスよりメスの方が一回り近く大きくなります。

リーダーは必ずメスで、生まれた時から次にリーダーになる個体が決まっています。また、オスは他のどのメスよりも下っ端です。

群れの順位が明確に決まっており、高い団結力があります。仲間内の無駄な争いを避け、傷ついた仲間の世話や子供の世話をみんなでするという協力的な生活をしています。

コミュニケーション能力も発達しており、12種類の鳴き声を使い分けています。人の笑い声に似た声を出すこともあり、「ワライハイエナ」とも呼ばれています。

夜行性で、昼間は木の茂みなど木陰に隠れていて、夕方~夜にかけて活発に活動します。

食事のおよそ60%を狩りによって確保し、残りの40%ほどは他の動物から横取りしたり、死肉を漁ったりします。

消化器官が優れているため、死肉を食べても消化不良を起こさず、狩りで捕獲した獲物の残りを後で食べるために水中などに沈めて保管することもあります。

ブチハイエナは両性具有?
実はブチハイエナは、オスとメスの判別が難しかったため永らく両性具有だと信じられていました。メスの出産は命がけになり第1子のほとんどは死産になってしまいます。なぜこのような両性具有であるかのように判別が難しい生態なのかは、はっきりとは分かっていませんが、ブチハイエナは完全なメス社会でメスが狩りもするためオスのような攻撃性が必要になり、男性ホルモンが高まりオス化したのではないかと考えられています。

ブチハイエナの狩り

ブチハイエナには他の動物から獲物を横取りするというイメージがあるかもしれませんが、

ブチハイエナは聴覚、嗅覚そして視覚も発達しており非常に優れたハンターです。

狩りの成功率もライオンより高く、ライオンから獲物を横取りするというよりは、ライオンがブチハイエナから獲物を横取りすることの方が多いようです。

狩りの獲物は、シマウマやヌーそしてカバやサイの子供などです。

弱肉強食の世界ですので、子供や病気・ケガで弱っている個体が狙われます。

足が速く、スタミナがあるため、獲物をしつこく追い回し、獲物が疲れて油断した一瞬のスキを見逃さずに群れで襲い掛かります。

また、人も襲われることがあります。子供や女性、お年寄りが狙われやすく、夜に屋外で無防備に眠ってしまったりするとハイエナが容赦なく襲ってきますので注意してください。

サバンナの掃除屋
ブチハイエナが「サバンナの掃除屋」と呼ばれているのを聞いたことがありますか?
ブチハイエナはその強力な顎を使って、捕らえた獲物の骨までバリバリ食べ、さらに消化することが可能です。骨まで食べるため、糞は白くなってしまいます。
ブチハイエナ以外の動物は、骨まで食べることができず、そのまま残してしまいます。
その食べ残しを見つけたブチハイエナが、跡形もなくきれいに食べてしまうので「サバンナの掃除屋」と呼ばれているわけですね。


ブチハイエナの強さは?ライオンを食べることも

出典画像:Wikipedia

ライオンキングにも悪役として登場しているブチハイエナ。

作中でもライオンとブチハイエナ達は仲が悪いですよね。実際の野生のライオンとブチハイエナも仲が悪く対立関係にあります。

ライオンはブチハイエナから捕らえた獲物を横取りし、ブチハイエナはライオンの子供を食べてしまうからです。

ライオンが他のネコ科のヒョウやチーターと違い、群れで行動するのはブチハイエナを警戒しているからと考えられています。

時にライオンはブチハイエナを食べる目的以外で襲い、ブチハイエナもライオンに仕返しをし、お互いに強さを見せつけ合っているようです。

ブチハイエナとライオンはサバンナのトップを争う動物ですので、お互いにライバル意識があるのかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

ブチハイエナの強さの秘密は、強力な顎、なんでも消化できる強靭な胃袋、そして長距離を走ることができるスタミナでしたね。

ずるい人のことをハイエナのような奴だと言いますが、これからはなんでもよく食べる人のことをハイエナのような奴と言った方がいいかもしれませんね。

また、仲間内でのコミュニケーションが活発で仲良しさんみたいですね。

ただ、オスに生まれてしまったらちょっと悲しい人生になってしまいそうです。

百獣の王ともいわれるライオンとも対等に渡っていけるブチハイエナは、野生下では絶対に遭遇したくない超危険生物ですが、生態などを知るととても魅力的な動物ですね。

ハイエナは、ブチハイエナの他にも、シマハイエナ・カッショクハイエナ・アードウルフという全部で4種類存在しますので、これをきに是非ハイエナの魅力を知っていただければと思います。

ハイエナの種類と生態や性格!強い順番は?

動物園でブチハイエナを見かけたら、ぜひじっくり観察してみてください。きっと新たな発見があると思います。

昼間は寝ていることが多いので、夕方ごろに行くのがおすすめです。

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