海の生物のうち、かまれたりさされたりしてけがをするおそれがあるものの代表がサメです。
大きなえものを食べるサメは、するどい歯で、獲物にかみつき肉をきりさきます。
歯は、口の中に向かってはえていて、噛みついた獲物を離しにくくなっています。
サメの代表ともいえるホホジロザメは、するどい感覚や力強い筋肉を持ち、海の生態系の頂点に君臨しています。
あごの力も強く、ホホジロザメの場合、噛む力は178Kgちかくになるという研究結果が出ています。
サメのなかまは大きな尾びれをもち、泳ぎ回って魚のほか、軟体動物やカニなどを食べます。感覚器官が発達していて、100mもはなれたにおいをかぎとり、血のにおいに興奮して人をおそうことがあります。
過去に重大事故をおこしている危険な人食いサメの種類一覧を知って、危険生物から自分の身を守りましょう!
目次
危険な人食いサメの種類一覧
サメは危険な生きものと思われがちですが、約490種ほどいるサメの中で、人間に危害を加えたことがあるのはホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメなどをはじめとする、わずか30種ほどです。
サメの事故の多くは、魚つきなど海のレジャーを楽しんでいるときにおこります。
実際にサメに襲われた人の確率は、1億1000万人に1人の割合で、実に6割がサーファーと言われています。
ホホジロザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ネズミザメ科
- 体の大きさ:全長6m
- 分布:北海道〜九州/樺太〜南シナ海、世界の亜熱帯から寒帯の海域
- 環境:外洋から沖合
- 危険な部位:上あごは切る歯、下あごはさす歯
- 危険度:
ホホジロザメは、最も危険なサメといわれ、重大事故が多い断トツのナンバー1です。
314件の事故例があり、80人がなくなっています。
被害者はサーファーが多いようです。
ふちがギザギザになった歯で、肉や骨を切りさきます。
ホホジロザメは平均時速8㎞ほどで泳ぎ、魚類では最速といわれています。
ホホジロザメは、まわりの水温よりも5〜15℃も高い体温を保っています。そのため、体温の高いサメは、ほかの魚にくらべてより速く、より長い距離を泳ぐことができます。
外洋性ですが、沿岸にもあらわれます。イルカやアシカなどを好み、大きな魚やイカ、ウミガメなども食べます。
人食いザメとも呼ばれます。
映画「ジョーズ」のモデルはホホジロザメ
出典画像:Wikipedia
1975年に公開された「ジョーズ」は、海水浴場にあらわれてみんなを恐怖におとしいれる人食いザメと、サメ退治にいどむ人々をえがいた映画です。
「ジョーズ」とは英語で「あご」の意味ですが、この映画の大ヒットをきっかけに人食いザメを「ジョーズ」とよぶようになりました。
また、モデルとなったホホジロザメは「ヒトを食べる恐ろしいサメ」というイメージが定着しました。
イタチザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長7.4m
- 分布:本州中部以南の太平洋側
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:外側にかたむいた切る歯をもつ
- 危険度:
イタチザメは、重大事故が多いナンバー2です。
過去には111件の事故例が記録され、31人がなくなっています。
ホホジロザメに次いで、人間との事故が多い非常に危険なサメです。
あたたかい海の沿岸にいます。琉球列島では海水浴場に入ってきた例もあります。
大きな口と、先が口のおくに向かって折れ曲がった独特な歯を持ち、なんでも飲み込みます。
胃の中からは、自動車のナンバープレートやハト時計まで見つかったことがあります。
大型の魚やイルカやアシカなどをおそい、夜行性で攻撃的なので注意が必要です。
イタチザメも、ホホジロザメと同じく人食いザメとよばれます。
ダイビングやサーフィンをするときは特に気をつけなければいけません。
オオメジロザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3.4m
- 分布:琉球列島以南の太平洋や東シナ海/世界の暖海
- 環境:沿岸や河川
- 危険な部位:上あごにするどい切る歯
- 危険度:
オオメジロザメは、重大事故が多いナンバー3です。
100件の事故例が記録され、27人がなくなっています。
メジロザメ類の中で最も攻撃的なサメで、琉球列島などでは注意が必要です。
淡水でも生きることができ、沖縄県では小型の個体が川で目撃されています。
浅い海や河口、アマゾン川などの大きな川でくらすものもいます。
人間と出会うことが多いためよく事故がおきる、もっともおそれられている非常に危険なサメのひとつです。
アオザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ネズミザメ科
- 体の大きさ:全長4m
- 分布:日本各地/世界の暖海
- 環境:外洋の表層
- 危険な部位:さす歯をもつ。
- 危険度:
アオザメは、時速35㎞で泳ぐことができる、最も高速で泳ぐサメです。
獲物は丸呑みするか、大きいものは肉をちぎって食べます。
つり針にかかるとジャンプして、釣り船の中に飛び込むこともあるので、注意が必要です。
どう猛な性質で、人間をおそう事故がたびたびおきています。過去には18件の被害が記録され、ひとりがなくなっています。
歯は長く、くぎのようにとがっています。
熱帯〜温帯の外洋にすみ、沿岸の浅瀬にはきません。食用として利用されるサメです。
ヒラシュモクザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:シュモクザメ科
- 体の大きさ:全長6m
- 分布:本州中部以南の太平洋、日本海/世界の暖海
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごは切る歯、下あごはさす歯
- 危険度:
頭がハンマーのような形をしていて、目と鼻のあなは、左右に突き出した頭の先にあります。
ヒラシュモクザメはシュモクザメ類の中で最も大きくなる種で、頭部の前のふちがまっすぐなのが特徴です。
このことから、ダイバーの間ではグレートハンマーと呼ばれています。
シュモクザメ類で17件の事故例があります。
フカヒレ目的での乱獲が進み、絶滅危惧種に指定されています。
ヨシキリザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3.8m
- 分布:日本各地/世界の暖海
- 環境:外洋から沖合
- 危険な部位:上あごに、外側にカーブした切る歯
- 危険度:
おもに沖の海でくらすサメで、長い胸びれが特徴です。
ほっそりとした体で、背はきれいな濃紺です。
個体数が多く、沖合ではよく出会うサメです。
攻撃的で危険なサメで、13件の事故が記録され、4人がなくなっています。
フカヒレなどの食料になっています。
ヨゴレ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3.5m
- 分布:世界の暖海
- 環境:外洋から沿岸
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
第1せびれや胸びれが大きく、その先が円いのが特徴です。
陸からはなれた海で暮らし、人間との接触は少ないため事故事例は少ないですが、船が沈没して海に投げだされた人をおそって食べるといわれている非常に危険なサメです。
船が難破したり、事故で海に脱出したりしたときなどに被害を受けることが多いサメです。
10件の事故が記録され、3人がなくなっています。
アカシュモクザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:シュモクザメ科
- 体の大きさ:全長4m
- 分布:世界中の熱帯・温帯の海
- 危険な部位:歯
- 危険度:
肉の色が赤いのでこの名前がつけられています。
比較的浅瀬に生息しており、海水浴場でもたびたび目撃されます。群れで行動する場合もあるようです。
小型(1.5m以下)の個体であれば、人を襲うことはほとんどありませんが、2mを超す個体は人を襲う危険性がありますので注意が必要です。
海底のカニやエイなどを食べる習性があり、猛毒のとげをもつアカエイも平気で食べてしまいます。
ネズミザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ネズミザメ科
- 体の大きさ:全長3m
- 分布:北太平洋、ベーリング海
- 危険な部位:歯
- 危険度:
中型のサメで、亜寒帯〜温帯の外洋〜沿岸の水面近くを群れになって泳ぎます。
北太平洋にすみ、サケやマスを食べます。
体温を高く保つ特殊な仕組みを持っているので、水温が低い海でも活発に泳ぐことができます。
人間との事故はすくないですが、性質があらく人をおそう危険なサメです。
食用として利用されています。
シロワニ
出典画像:Wikipedia
- 科名:オオワニザメ科
- 体の大きさ:全長3.2m
- 分布:南日本の太平洋側、琉球列島/中部・東部太平洋をのぞく世界の暖海
- 環境:沿岸の岩礁域
- 危険な部位:さす歯をもつ
- 危険度:
歯がむき出しの怖い顔をしていますが、性質はおとなしいサメです。
しかし、興奮すると人間にかみつきます。
過去には31件の事故例があり、二人がなくなっています。
夜に魚をとり、昼間は洞窟や岩かげでゆったり泳いで休息します。
昼間は近づくこともできますが、絶対に手を出してはいけません。
カマストガリザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長2.5m
- 分布:世界の暖海
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
オオメジロザメに次いで危険なメジロザメです。
吻が細長くとがり、胸びれ、第2背びれ、尾びれの下葉の先が目立って黒く、ほかのひれの先も黒っぽいのが特徴です。
群れている魚をおそう習性があり、臆病な性質でダイバーにはあまり近寄りませんが、サーファーをおそう事故が多数おきています。
過去には29件の事故例が記録され、ひとりがなくなっています。
オグロメジロザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長2.6m
- 分布:中・西部太平洋〜インド洋
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
尾びれの後ろのふちが目立って黒いのが特徴です。
サンゴ礁の海など、岩礁域でふつうに見られます。
好奇心が強く、ダイバーに接近してくることがよくあり、背中を曲げて威嚇する習性があります。
8件の事故例が記録され、ひとりがなくなっています。
クロヘリメジロザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3.3m
- 分布:北海道以南の日本各地/太平洋、大西洋の暖海
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
第1背びれは大きく、胸びれのつけ根の後ろから始まり、各ひれに目立った黒色部がなく、うす黒くふちどられているのが特徴です。
単独・2匹で行動する他、群れでも行動し、多数の個体が協力して狩りをする様子が観察されています。
すばやく泳ぐ活動的なサメで、オーストラリアやニュージーランドでは海水浴客がおそわれる事故がおきています。
過去には15件の事故が記録され、ひとりがなくなっています。
ガラパゴスザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3.7m
- 分布:主に太平洋、大西洋の暖海
- 環境:外洋島の周辺海域
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
ガラパゴスザメは、世界中のあたたかい海で見られます。
第1背びれが胸びれの上から始まり、各ひれには目立った黒い部分がなく、先の方がうっすらと黒いのが特徴です。
好奇心が強く、攻撃的で獲物に執着します。大型個体まで成熟すると海獣も襲うようになります。
興奮すると危険で、一人がなくなっている事故がおきています。
ドタブカ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長4m
- 分布:本州中部以南/世界の暖海
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
世界中のあたたかい海にすむメジロザメの仲間です。
第1背びれが胸びれの上から始まり、各ひれの先がうっすらと黒いのが特徴です。
2件の事故が記録され、ひとりがなくなっています。
事故事例は少ないですが、大型のサメなのでおそわれると命にかかわります。
エビスザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:カグラザメ科
- 体の大きさ:全長3m
- 分布:世界中の温帯の海
- 危険な部位:歯
- 危険度:
ほとんどのサメが5対の鰓裂を持っているのに対し、エビスザメは7対の鰓裂を持っています。
背びれが1基しかなく、吻が丸いのが特徴です。
化石種と形態が酷似しており、古いタイプのサメだと考えられています。
群れで生活し、ほかの種のサメや、アザラシやイルカなどの大きな動物を仲間と協力して狩ります。
水族館で飼われていたエビスザメが人間をおそったことがあります。
コモリザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:コモリザメ科
- 体の大きさ:全長3m
- 分布:東太平洋、大西洋の熱帯・亜熱帯の海
- 危険な部位:歯
- 危険度:
夜行性で、昼間は他の仲間とともに群れて浅瀬の岩かげで休み、夜になると単独で活動します。
鼻孔にはヒゲが1対あり、口はすぼめているように見えます。
海底に生息し、動きも遅いため大人しそうに見えますが、興奮させると攻撃してきます。
噛む力が強いので重傷をおうことがあります。
ヤジブカ(メジロザメ)
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長2.4m
- 分布:南日本/世界の暖海
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
第1背びれがとても大きく、胸びれのつけ根の上から始まり、ひれに目立った黒い部分がないのが特徴です。
基本的に海底で生活しているため、海面付近には滅多に現れません。
これまでに5人がけがをしています。
乱獲されており、絶滅の危惧があります。
ハナザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長2.8m
- 分布:南日本/西部太平洋、大西洋〜インド洋の暖海
- 環境:沖合から沿岸
- 危険な部位:上あごにほっそりした切る歯
- 危険度:
ハナザメは、浅い海にすむサメです。
吻(ふん)が細長くてとがり、胸びれ、背びれ、しりびれ、尾びれの下葉の先は黒です。
素早く泳ぎ、回転しながら魚の群れを追い込む習性があります。
興奮すると人間に危害を加えることがあります。
16件の事故の記録があります。
ツマジロ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3m
- 分布:太平洋、大西洋、インド洋の熱帯の海
- 危険な部位:上あごにするどい切る歯
- 危険度:
サンゴ礁の海にすむサメです。縄張りを持っており、特定の場所からあまり離れません。通常は単独か2匹で生活しています。
各ヒレの先端が白く、名前の由来になっています。
死亡事故はまだありませんが、好奇心が強くダイバーにもよってくるので、注意が必要です。
ニシレモンザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長3m
- 分布:大西洋・東太平洋の熱帯・温帯の海
- 危険な部位:歯
- 危険度:
体の色が黄色がかっていることからこの名前がつけられています。
ニシレモンザメは出産時に、サケのように生まれ故郷に戻ってくる性質が発見されています。
興奮すると人間に危害を加えることがありますが、性質はおとなしいです。
ツマグロ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:全長1.8m
- 分布:太平洋〜インド洋の暖海、紅海、地中海東部の暖海
- 環境:沿岸や浅い海
- 危険な部位:上あごに切る歯
- 危険度:
サンゴ礁の海でもっともふつうに見られる小型のサメです。
吻(ふん)が短くて丸く、背びれ、胸びれ、尾びれなどの先がはっきりと黒いサメです。
サンゴ礁湖などのごく浅い所にまで入るので、よく背びれが見えます。
おくびょうな性格ですが、浅瀬を歩く人の足をえものと間違えてかみついたことがありますので、浅い海でも注意が必要です。
これまでに11人が噛まれてけがをしています。
オオセ
出典画像:Wikipedia
- 科名:オオセ科
- 体の大きさ:全長1.2m
- 分布:南日本/朝鮮半島〜南シナ海、フィリピン
- 環境:浅い海の海底部
- 危険な部位:さす歯をもつ
- 危険度:
背中の色が迷彩色で海底にとけこみ、じっとしています。
うっかりふみつけたり、さわったりすると噛みつかれることがあります。
32件の事故例があります。
カスザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:カスザメ科
- 体の大きさ:全長2m
- 分布:日本各地/朝鮮半島〜台湾
- 環境:沿岸の海底部
- 危険な部位:大きな口と、するどいさす歯
- 危険度:
エイのように平べったい体をしており、海底で砂にもぐってえものを待ち構えます。
背中は褐色で砂に溶け込む色をしているが、腹部は真っ白でエンジェルシャークとも呼ばれています。
かくれているので、うっかりふみつけたりするとかみつかれる可能性があります。
ネムリブカ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メジロザメ科
- 体の大きさ:2m
- 分布:太平洋、インド洋の熱帯の海、紅海
- 危険な部位:歯
- 危険度:
群れをつくることが多く、昼間はサンゴや岩のすき間で休み、夜になると活動します。
おとなしいサメで、ダイバーの間ではホワイトチップシャークと呼ばれて人気があります。
無理やり捕まえようとしたり、こちらから挑発すると反撃してきますので、無暗に近づくのは危険です。
ノコギリザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ノコギリザメ科
- 体の大きさ:全長1.5m
- 分布:北海道南部以南/朝鮮半島〜台湾
- 環境:沿岸の海底部
- 危険な部位:するどいとげが生えた吻(ふん)
- 危険度:
長く突き出した吻には両側に歯が生えています。中央から1対のヒゲが生えているのが特徴です。
海底で静止していますが、獲物をとらえるときは、するどいとげが生えた長い吻(ふん)をふり回します。
のこぎりのような鋭い吻があるため狂暴そうに見えますが、実際には大人しい性質で、けがの報告はありません。
ダルマザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ヨロイザメ科
- 体の大きさ:全長50㎝
- 分布:本州中部以南の太平洋側、九州南西岸、琉球列島、小笠原諸島/世界の暖海
- 環境:外洋や沖合の表層
- 危険な部位:切る歯をもつ。
- 危険度:
下あごには、二等辺三角形の歯が半円形にならんでいます。
体を回転させながら、大きな獲物から肉を食い切ります。
ハワイで遠泳中の人がダルマザメにかまれてけがをした被害例が1件だけあります。
ネコザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ネコザメ科
- 体の大きさ:1.2m
- 分布:本州以南/東シナ海、黄海
- 危険な部位:毒のとげ
- 危険度:
海底にいて、あまり動かないおとなしいサメですが、第1背びれと第2背びれにとげがあり、毒をもっています。
毒は弱いですが、刺されると激しいいたみがあります。
あたたかい海の水面近くを泳ぎ、魚や海底の貝類を、かたいからを噛み砕いて食べます。
卵はドリルのような形で、岩にひっかかり流されにくくなっています。
サメにおそわれないための対策は?
大切なことは、サメの出没情報のある海で泳いだり、知らない海に入ったりしないことです。
サメは夕方~夜明けまで活発に狩りを行っています。この時間帯は特に海に入るのは避けましょう。
それと、サメは血の匂いに反応するので、けがをしたらすぐに陸に上がりましょう。
魚つきをして、えものを身につけておくのも危険です。
また、おしっこにも血と同じように反応するので、水中でおしっこをしてはいけません。
小型のサメや大型でも大人しい性質のサメもいますが、サメはみな鋭い歯を持っています。
むやみに近づいたり、触ったりしてサメを刺激するのはやめましょう。
巨大だけど実はおだやかなサメ一覧
サメは、魚のなかでもっとも大きくなります。
そのなかでも、ホホジロザメやイタチザメはとくに大きな種類ですが、さらに巨大なサメがいます。
大きい体に似合わず、小さなプランクトンを食べてくらす、おだやかなサメばかりです。
ジンベエザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ジンベエザメ科
- 体の大きさ:最大値は体長約13.7 m
- 分布:世界中の熱帯・亜熱帯・温帯(緯度±30°以内)
全長12mになる世界最大の魚で、すべての魚類の中で現生最大の種です。
海水ごとプランクトンを吸い込みます。
まちがえてダイバーを吸い込んだことがあります。
動きは緩慢であり、基本的には人にとって危険性の低いサメです。
ウバザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:ウバザメ科
- 体の大きさ:全長3-8m、中には10mを超える個体もいる
- 分布:世界中の亜寒帯から温帯にかけての幅広い水域の大陸棚周辺
すべての魚類の中で2番目に大きい種です。
ウバザメは鰓裂がとても長く、腹から背にかけて体を一周するように入っています。
動きがのろく、近づくものに警戒することがすくないため、船と衝突事故をおこすこともあります。
また、雌雄でグループに分かれて行動しています。目の大きさの割に視覚が優れており、視覚的な合図を送って仲間と連携しているようです。
プランクトンや小さな魚を大きな口で海水ごと吸い込みながら食べるため、人に対してはほとんど危険性がありません。
メガマウスザメ
出典画像:Wikipedia
- 科名:メガマウスザメ科
- 体の大きさ:最大で全長709センチメートル
- 分布:太平洋やインド洋など、熱帯から温帯の水深200メートル (m) 付近のやや浅い深海
メガマウスザメは、大きな口をもつ全長5mのサメで、古い形態を保ったサメで、現代に繁栄しているサメの形態とはかなり異なる点が多いです。
口の周りや内部に発光器と呼ばれる銀色にキラキラと光る器官を持っています。
この発光器を使って、プランクトンをおびき寄せ捕食しています。
昼は水深200mほどの深海でくらし、夜は海面近くまであがってきます。
1976年に初めて発見され、それ以降もほとんど見つかっていないため「幻のサメ」と言われています。
全世界で50例あるうち13例が日本におけるものであり、東京湾の海底谷でも発見されています。
番外編
太古の海には、現代のホホジロザメより巨大な肉食ザメが生存していたことをご存知でしょうか。
それが「メガロドン」になります。
メガロドンは2000万年ほど前から200万年程前に(その時代においては多説あるため大まかに表現させていただきます)生存していた古代のサメになります。
現代において最強の肉食魚とされるホホジロザメと同じネズミザメ科に属する非常に凶暴なサメで、当時の海の生態系の頂点に君臨していたと考えられています。