ヨゴレ(サメ)の危険性とは?生態や特徴と危険地域!

危険な魚類

「危険なサメ」と言われて想像するのは映画「ジョーズ」でそのモデルとなったホオジロザメでしょう。

ところが、専門家や船乗りたちから恐れられているのは、実は「ヨゴレ」というサメです。

大きさは3mほどですが、なぜこのサメがそこまで恐れられているのか、その生態と特徴、そして危険地域をご紹介します。

ヨゴレの基本情報

ヨゴレの写真出典画像:Wikipedia

  • 学名:Carcharhinus longimanus
  • 分類:メジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属
  • 分布:太平洋・インド洋・大西洋の温帯〜熱帯海域
  • 体長:3m

人間との関わり合いとしては、フカヒレやかまぼこの原材料として、日本では毎年14tほどが捕獲されています。

繁殖方法は他のサメとは異なり、卵を産むのではなく、胎盤を形成し、子ザメを出産する胎生です。

なので、基本的に他のサメよりも個体の増加率は低いです。

食品の原材料として捕獲され、そして増加率が低いので、今では個体数の減少が問題視され、国際自然保護連合では絶滅が危惧される動物に区分していて、漁獲数の制限も実施されています。


ヨゴレは最も危険なサメ〜危険性と危険地帯〜

ヨゴレはサメの中でも最も危険な種類の一種です。

主に外洋で狩をするので沿岸付近や砂浜のそばまでやってくることはごく稀です。

ところが、船乗りや専門家から最も恐れられるサメは「ヨゴレ」と言われており、彼らの間でヨゴレは「人食いザメ」として認識されています。

大型のサメではありますが、ホオジロザメのように大きくはなく、アオザメほど早くは泳げません。

ではなぜそれほど危険視されるのでしょうか。

この章ではヨゴレの危険性を生態や特徴から迫っていきます。

ヨゴレの生態・特徴

「ヨゴレ」という名前は、その外見に由来し、背びれや胸ビレ、背びれなどヒレの先端が白く汚れているように見えることから「ヨゴレ」と呼ばれています。
ヨゴレは主に単独で行動し、外洋をゆったり泳ぎながら、魚類や甲殻類、海鳥やウミガメなどを捕食します。

基本的に非常に好奇心が旺盛で、餌のようなもの・食べられそうなものにはとにかく襲いかかる積極性があります。

また、餌を発見すると行動が急激に活発になり、一心不乱に襲いかかり捕食します。

これを狂乱索餌(きょうらんさくじ)と言い、一種のトランス状態になります。

前後不覚に襲いかかってきますし、近くを泳いでいるヨゴレも寄ってきます。

アマゾン川でピラニアが肉に群がって食べている状態、あれが狂乱索餌です。

ヨゴレが人食いザメとして恐れられているのは、船が転覆した時に船外に投げ出され、漂流する人をヨゴレが狂ったように群がり襲い、多くの犠牲者を出したからなのです。

ヨゴレによる事故

ヨゴレが危険視される現状は、客船の沈没事故などで、多くの人を死に至らしめたことが大きく影響しています。

1942年、英国の客船の南アフリカ沖での海難事故では、船外に投げ出された乗客1052名のうち855名が犠牲になり、そのうちの多くがヨゴレによって襲われたことが原因とされています。

また、第二次世界大戦時、1945年、米国軍艦インディアナポリス号が日本の潜水艦によって沈没した際、漂流した船員が800名犠牲になりましたが、その時も多くの船員がヨゴレの犠牲になりました。

ヨゴレからしたら海面でバタバタと音をたてて、ともすれば出血もしている、まさに餌にしか見えなかったでしょう。

犠牲者の数から単独のヨゴレによる犠牲者ではなく、群れや多数の個体による襲撃、まさに狂乱索餌が起こったと考えられています。


ヨゴレに遭遇した時の対処法

海中でヨゴレやサメに遭遇した場合はどうすれば良いのでしょうか。

まず、遭遇しないためにできることは、出血した状態、または生理中に海中に入らないこと、そして水面を叩いたりしないことです。

サメの嗅覚はかなり発達しており、数キロ先の血の匂いを嗅ぎわけることができ、さらに水しぶきなど獲物が水面で暴れる音も敏感に聞き取り、襲いにやってきます。

では、偶然に至近距離で遭遇してしまった場合はどうすれば良いのか。

基本的にヨゴレは餌のようなものには積極的に襲いかかる習性がありますが、餌の条件は「弱っているもの」に限られます。

なので、スキューバダイビング中に遭遇しても、まず襲われることはありません。

ただし、むやみに刺激したり挑発したりするのは得策ではなく、攻撃されることもあります。

その攻撃で不運にも出血してしまった場合、狂乱索餌が発動することもあるので、遭遇した場合は冷静に様子を伺いましょう

それでも、もし襲いかかってきた場合には、サメの急所を攻撃します。

サメの急所は目や鼻、そしてエラです。

特にへのダメージは効果が大きいです。サメの鼻には高性能のセンサー組織が多くあるため、そこに外部からの打撃などの過剰な刺激が加わると、サメは混乱状態になり、泳ぐことすら困難になってしまいます。仮にそうならずとも怯んで逃げてしまいます。

また、エラは人間にとっての「肺」と同じなので、そこを攻撃されるとサメは呼吸困難になってしまいます。

サーファーなどは、オットセイや海洋哺乳類と間違えられて襲われてしまうケースがありますが、彼らの間でも「サメには鼻パンチ」というのが常識とされています。

ただし、単独のヨゴレには対処できるでしょうが、複数の場合は想像もしたくないですね。

ヨゴレのまとめ

食欲旺盛・好奇心旺盛で獲物を見つけると狂ったように襲いかかってくるヨゴレ、まさにサメの中でも最も危険な種類と言われるのもうなずけます。

海中で遭遇した場合はは冷静に行動しましょう。

そして相手が単体であることを祈りましょう。

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