秋にシーズンを迎えるハゼ釣り!
たっぷりとした身を、天ぷらやから揚げなどにするためにハゼ釣りに行く方も多いのではないでしょうか?
しかし、ほとんどの種類のハゼは食べることができます。
主に食用にされるのはマハゼという種類のハゼです。
でも中には絶対に食べてはいけないハゼもいるのです。ツムギハゼといい、ふぐ毒を持つハゼです。
今回はツムギハゼの生息地、その生態や特徴について。また、ツムギハゼの持つふぐ毒、テトラドトキシンの危険性についてもご紹介します。
マハゼとの見分け方をきちんと知って、おいしくハゼをいただきましょう!!
目次
ツムギハゼの生息地とその生態
ツムギハゼの生息地
ツムギハゼは元来奄美諸島以南に生息する魚と言われていました。しかし、近年では和歌山県南部などでも目撃情報のある魚です。
実際に和歌山県の県庁のホームページには「有毒種に注意」というタイトルでツムギハゼが紹介されています。河口域のマングローブや、浅く砂や泥の多いところに住んでいます。
ツムギハゼの生態
ツムギハゼは他のハゼと同じようにスズキ目ハゼ科の中の魚の一種です。
ツムギハゼは砂や泥の中に潜み、砂の中に住む、カニや貝などの小型の生き物を日中に食べています。
その動きは鈍く遅く、釣りだけでなく手でも捕まえることができるみたいです。
また、どうやら生育環境の変化に敏感のようです。ツムギハゼの雄は全長15cmまで成長します。
そして、他のハゼと大きく異なるのが、毒です。
ツムギハゼはハゼの仲間では珍しく、筋肉に毒を持ちます。その毒の名前は「テトラドトキシン」。
つまりふぐ毒です。
そのため、ツムギハゼを絶対に食べてはいけません。
ツムギハゼのもつ毒、テトラドトキシンとは?
テトラドトキシンとは一般的にふぐ毒と呼ばれますが、決してふぐだけが持つ毒ではありません。
主にふぐのもつ毒の化学物質の名前なのです。
ふぐでの食中毒は毎年発生していて、そのうち数名が亡くなっています。
他にテトラドトキシンを持っている生物として有名なものは
スベスベマンジュウガ二、カブトガニ、ヒョウモンダコ、アカハライモリ、ヒキガエルの一種などです。
その多くは日本にも生息している生き物です。
地域によっては毒性のない個体もいるようです。
ふぐ毒は、300℃以上に加熱しても分解されないため、ふぐ毒をもつ恐れのある生物は絶対に食べてはいけません。
ちなみに人間への致死量は1~2mgで、青酸カリの850倍の毒性を持つとされています。
もし口に入れてしまったら?
現在テトラドトキシンを体に入れてしまった場合の特効薬や治療法は確立されておらず、解毒方法も見つかっていません。
テトラドトキシンの症状として、最も有名なのは手足の痺れや嘔吐です。
ふぐ毒は神経を麻痺させることができるのです。その後全身が麻痺し、呼吸が停止し、約4~6時間で死に至ります。
中毒症状が現れたときに素早く人工呼吸などの適切な処置が行われれば、蘇生率は高いとされていることも事実です。
万が一にも、口に入れてしまった際には一刻も早く救急車を呼びましょう。
ツムギハゼとマハゼとの見分け方
マハゼはハゼ釣りでもよく見られる種で、天ぷらなどの様々な料理に使えることから人気のある魚です。
また、料亭では高級魚としても使われている一方、初心者でも簡単に釣ることができる魚です。
マハゼとふぐ毒を持つハゼである、ツムギハゼを間違えたら大変ですよね。
そこで、マハゼとツムギハゼの見分け方をご紹介します。
マハゼの特徴
マハゼは上の左の写真のように目は小さく、背びれや尾びれには、小さな水玉の縞模様があります。
20cmくらいまで成長します。
マハゼは日本全国に分布し、波の穏やかな内湾や河口域・汽水域の砂や泥の上で群れて生活します。
マハゼとツムギハゼを比べて
ツムギハゼは上のスケッチのように目が大きく、黒~褐色の斑点が3つあります。
また、ツムギハゼには背びれに長いトゲがあります。
さらにあまり目立たない場合もありますが、目から前方にむかって黒い線があります。10cmくらいまで成長します。
見比べてみると、マハゼとツムギハゼはその姿が大きく違いますね。
まず、マハゼには背びれに大きなトゲはありませんが、ツムギハゼには長いトゲがあります。
また、目の大きさも結構異なりますし、ツムギハゼは何よりも体に3つ斑点があります。
3つ以上の斑点があったらそのハゼは別の種類のハゼの可能性があります。
ツムギハゼはマハゼだけではなく、他の食べることのできるハゼと間違えられることも多いので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
ツムギハゼの危険性について分かっていただけたでしょうか??
ハゼ釣りはとっても楽しいですが、全てのハゼが食べられるわけではないことに注意しましょう。
釣れた魚はよく注意して観察してからお料理するようにしなくてはいけませんね!
そして、持ち帰らない魚はきちんと帰しましょうね!!