アオダイショウとマムシ。
この両者は、日本に生息するヘビの中でも代表となるようなメジャーな種ですね。
あまりヘビに詳しくなくても、この2種の存在はご存知の方が多いのではないでしょうか。
特に気を付けたいのがマムシですね。強力な毒を持つヘビです。
一方のアオダイショウの方は、身体は大きいですが毒は持ちません。
しかし、このアオダイショウですが、実は赤ちゃん(子供)のころは、大きさも形状もマムシにそっくり・激似なのです。
山などでたまたま遭遇した場合に、マムシかアオダイショウかでは危険性が大きく異なります。
今回は、この似ているアオダイショウの赤ちゃんとマムシの違いや見分け方、注意点などをご紹介いたします。
日本に生息する主なヘビ
ヘビと簡単に言ってしまいますが、世界では3000もの種類が存在します。
南極大陸以外の各地に存在する非常にメジャーな生き物にということになります。
そのようなヘビはもちろん日本にも生息しております。
日本では36種類のヘビを見ることができますが、そのほとんどが沖縄など離島に生息するのでなかなか本土ではお目にかかることができません。
本州に生息するのは次の8種類です。
- アオダイショウ
- シマヘビ
- ヤマカガシ
- ニホンマムシ
- ヒバカリ
- ジムグリ
- シロマダラ
- タカチホヘビ
このうち、「アオダイショウ」「シマヘビ」「ヤマカガシ」「ニホンマムシ」の4種が比較的目にする機会が多いですね。
毒を持つのは、ヤマカガシとマムシで特にマムシの毒は強力であり危険とされています。
見分けにくい?アオダイショウとマムシ
前項でご紹介した日本に生息する4種のヘビですが、特に気を付けたいのがやはり強力な毒を有するマムシです。
この注意すべきマムシにおいて、また厄介な事情が存在するのです。
それが、アオダイショウとマムシがよく似ていて見分けにくいという問題です。
それぞれの特徴
アオダイショウとマムシそれぞれの特徴を見てみましょう
- アオダイショウ
アオダイショウは、ナミヘビ科に属する種で毒を持っておりません。
体長が最大で2メートルにも達する程で本州に生息するヘビの中では、最も大きい種になります。
印象としては細長い感じがするヘビですね。
温厚な性格ですので、脅かしたり捕まえたりしなければ危害を加えてくることは少ないです。
頭部は角張り、鼻先が幅広く平たくなっています。
体色は黄色染みた褐色またはくすんだ緑、背にはぼんやりとした縦縞が入るものもいます。
- マムシ
マムシはクサリヘビ科に属する種で有毒となるヘビです。
日本では最もメジャーな毒ヘビかもしれませんね。
体長は、大きくても80センチメートル程度とアオダイショウと比べると非常に小柄なヘビになりますね。
しかし、全体的に太い感じがするので、ずんぐりした太く短いヘビという印象でしょうか。
体色は、淡い褐色で楕円のような斑紋が入ります。
また、クサリヘビ科特有の三角形の頭部は毒ヘビの危険な感じがしますね。
ちなみにクサリヘビ科にはハブやガラガラヘビも属しています。これからも分かりますが、非常に危険な種になります。
基本的には臆病な性格なのですが、土や枯れ葉などに紛れると見つけにくく、誤って近づいたり踏んでしまったりして咬まれるというケースが多いようです。
アオダイショウが子供の頃はマムシに激似。
写真を見ても一目瞭然なのですが、前述のようにアオダイショウとマムシの成体は全く違います。
実は、アオダイショウとマムシが非常に似ているというのは、アオダイショウの赤ちゃん(子供)の幼体のころなのです。
これはアオダイショウの子供にはマムシとよく似た斑紋があるためなのです。成体になるにつれてこの斑紋は薄くなり消えていきます。
また、子供なので体長もマムシ程度の大きさとなることから混同しやすいのですね。
しかし、これは似ていて当然なのです。
どうやら、毒を持たないアオダイショウは成体となるまで、マムシに擬態して敵から身を守っていると考えられています。
似せているのですから、間違えやすくて当然なのですね。
アオダイショウの子供とマムシの見分け方(違い)
それでは、アオダイショウの子供とマムシの違い・見分け方を見てまいりましょう。
まず、似ている原因となる斑紋ですが、これもよくよく見ると違いが分かります。
マムシの方ははっきりとした斑紋になります。
アオダイショウの子供は、すこしぼんやりしていますので見比べると違いは明らかですが、片方だけ見た場合には分かりにくいかもしれません。
最も違いがはっきりするのは頭と顔になります。
- アオダイショウの子供とマムシの違いを頭で見分ける
アオダイショウの子供は成体同様に、頭は平べったい感じで鼻先が角ばった印象になります。
一方、マムシの頭は毒ヘビ特有の三角形をしていて、シャープな印象になります。
- アオダイショウの子供とマムシの違いを目で見分ける
アオダイショウの子供の目は、瞳孔が丸みを帯びています。これにより顔の印象が可愛く感じるのです。
一方マムシの目は、瞳孔が細い一本の縦線のようで鋭い目つきとなる印象を受けます。シャープな顔の印象はここからもあらわれますね。
ただし、この瞳孔の違いはよほど近づかないと判別するのは難しいかもしれません。
- アオダイショウの子供とマムシでは、体形にも違いが見られる
また、両者には体形でも違いが見られます。
アオダイショウの子供は成体同様に、全体的に細長い印象になります。
これに対してマムシは、太くずんぐりとした印象になりますね。
以上の点に注意して比較すると両者の違いは分かりやすいかと思われます。
注意点
もし仮にアオダイショウとマムシの違いを身に着けたとしても、安易にヘビに近付くことはやめた方が良いですね。
マムシは、基本的には臆病ですが、強力な毒性を持っています。
現代では、病院で血清を打てば大事には至らないとされていますが、それでも死亡事故が無いわけではありません。
アオダイショウも、毒こそ有してはおりませんが、マムシよりも活発で動きも速いヘビです。
咬まれてしまえば、それなりの怪我を負うことは明らかなのです。
このことからも、むやみにヘビに近付くのは避けるべきですし、山などに行く際は間違ってマムシに近付いたり踏みつけたりしないように気を付けましょう。
まとめ
今回は、アオダイショウとマムシの類似点と見分け方についてご紹介をしてまいりました。
アオダイショウとマムシ、両者とも日本に生息し我々とは馴染み深いヘビです。
また、マムシは強力な毒を有する毒ヘビでもありますので、気を付けなくてはなりません。
アオダイショウが幼体の時は、両者の区別はつきにくくなります。
判別ポイントは「細長い体形かずんぐりした体形か」「頭の形が平べったいか三角か」になります。
しかし、そうは言ってもいざとなればどちらも攻撃を仕掛けてくるヘビに違いはありません。
毒の有無にかかわらず、むやみに近付かないことが大切ですね。