トラが、実はネコ科最大の動物であることはご存じでしたか?トラは一般的にライオンよりも体が大きいと言われています。トラといえば、黄色の体に黒い縞模様ですね。でも、そんなトラの中にも様々な種類がいることをご存じですか?
今回はその中でも、現在は絶滅危惧種に指定され、大型とも言われている、ベンガルトラの強さやそして怖さ、生息地などについてお伝えします。
また、ベンガルトラに多く見られるアルビノ、ホワイトタイガーやベンガルトラの赤ちゃんや、日本でベンガルトラに会うことのできる動物園などもご紹介します。
目次
ベンガルトラの生息地や生態は?
ベンガルトラ
【学名】Panthera tigris
【生息地】インド・ネパール・バングラデシュなどの主に南アジア
【分類】ネコ科 ヒョウ属
ベンガルトラはトラの中で大きな部類です。体長は最大で雄は300cm、雌は230cmにも成ります。体重は雄で230kg、雌で180kgにも成長します。
トラはライオンとは異なり、主にアジアに多く生息しています。その生態は凶暴そのものです。
ベンガルトラの特徴は、黒い縞の数が、他の種のトラよりも比較的少ないというところです。また、首やほほの周りの毛が長いことも特徴です。その長さは、首回りで6cm、ほほの周りでは8cmにもなります。
ベンガルトラの生息地は?
インドやネパールなどの中央アジアの、森林地帯に生息しています。また、水場の近くの草むらや川の近くでも多く見られます。ヒマラヤ地方に住んでいるものもおり、標高3000mの地点でも目撃されています。
ベンガルトラの生態は?
夜行性で、昼間は洞窟の中や茂みの陰などでひっそり休んでいます。そして、夜になると活発に活動し、他の動物を補食します。肉食性で、肉なら何でも食べます。主にシカやイノシシなどのほ乳類を好みますが、えさがないときには爬虫類やハリネズミなどの齧歯類、魚などを食べることもあります。
一匹で行動することを好み、子育て中の母子以外の個体は単独行動をしています。雄の縄張りはとても広く、季節にも寄りますが、100~200㎢にもなります。その中には複数個体のベンガルトラの雌の縄張りが含まれています。縄張り内に、自分のにおいをつけるため、糞尿を草むらなどにまいたり、頻繁に徘徊したり、爪痕を残したりします。
ベンガルトラの強さは?
ベンガルトラは力がとても強く凶暴です。時には100kg以上もある牛を引きずることがあります。また、ツキノワグマやスイギュウ、ヒグマやヒョウなどの大型のほ乳類を襲い倒すこともあるようです。さらに、家畜として飼われているウシや、ラクダなども襲ってしまうことがあります。1日平均6~7キログラムの肉を必要とします。
また、ベンガルトラに限らず、トラは身体能力がとても高い生き物です。まず、泳ぐことがとても上手です。川幅がとても広い河でも泳いで渡ることができ、泳いで獲物を追いかけ狩りをすることもできます。川幅数キロメートルなら悠々と、数十キロメートルを泳いだという話もあります。
また、ジャンプ力もあります。5~6mを跳ぶことは当たり前、時には10m先までじゃんぷすることができます。しかし、ベンガルトラは体が大きいため木に登ることは苦手です。
ベンガルトラはなぜ絶滅危惧種に?
素晴らしい身体能力を持つベンガルトラですが、なぜ絶滅危惧種に指定されるまで数が減ってしまったのでしょうか?その原因の多くは我々人間の活動によるものだとされています。原因を大きく分類すると三つあります。
①開発などによる生息地の減少 昼間に体を休めることのできる草むらや岩陰が、人間が居住スペースを広げたり、畑にしようとしたために失われつつあるためです。
②薬用や毛皮を目的とした乱獲 トラの毛皮は大変美しく、富の象徴と成ることもあり、インテリアとして飾られたり、服飾に用いられました。また中国ではトラの骨を漢方と用いている地域もあります。それらのため、ベンガルトラだけでなく多くのトラが乱獲されました。
③害獣としての駆除の行き過ぎ トラは時には人間や、家畜を襲います。その被害を未然に防ぐため、一時トラの駆除を行っていました。
ベンガルトラやホワイトタイガー・赤ちゃんのトラに会うことのできる動物園は?
ホワイトタイガーとは、トラの遺伝子の突然変異により色素が抜けた個体、アルビノのことを指します。ホワイトタイガーの多くはベンガルトラの変異体です。
ベンガルトラに会うことのできる動物園は下の通りです。
ノースサファリサッポロ(北海道) 東北サファリパーク(福島県) 須坂市動物園(長野県) 九州自然動物公園アフリカンサファリ(大分県) 鹿児島市平川動物公園(鹿児島県)
また、ホワイトタイガーに会うことのできる動物園は下の通りです。
群馬サファリパーク(群馬県) 東武動物公園(埼玉県) 大牟田市動物園(福岡県) しろとり動物園(香川県) とべ動物園(愛媛県) 秋吉台自然動物公園(山口県) 平川動物公園(鹿児島県) 姫路セントラルパーク(兵庫県)
また、トラの出産ラッシュは12月と4月であるため、そのすぐあとに行けば、赤ちゃんのトラに会えるかもしれませんね!
まとめ
いかがでしたか?ベンガルトラが木に登ることが苦手なのは驚きでしたね。普段よく見ているつもりのトラの意外な一面に感心した方も多いのではないでしょうか?ベンガルトラを始め、トラは人間の活動により絶滅危惧種となってしまったため、きちんと人間の手で守っていきたいですね。