今回ご紹介するのは「ドクターフィッシュ」になります。
このドクターフィッシュは、人間の古い角質や微生物などを食べる魚として有名ですね。
またセラピー効果もあることから非常に人気なのです。
水族館や温泉施設などでは、このドクターフィッシュのセラピー体験で非常に賑わう程に抜群の集客効果を生み出しています。
「わざわざ施設に行かないで、自分の家でドクターフィッシュのセラピー効果を楽しみたい!」そう願う方も多いのではないでしょうか。
実は、ドクターフィッシュは実際に販売もされているので、この願いは簡単に実現させることが可能なのですが・・・。
- どこで購入できるのか?
- 値段はいくらくらいするのか?
- 自宅でも水虫治療や角質取りは効果的に行えるのか?
やはり、きっちりとこのドクターフィッシュを理解されたうえでないと飼育はおすすめできません。
今回は、そんなドクターフィッシュの購入方法や飼育方法、そして注意事項などについてご紹介いたします。
目次
ドクターフィッシュ
「ドクターフィッシュ基本 データ」
- 分 類 コイ目 コイ科 ガラ属
- 学 名 Garra rufa
- 和 名 ガラ・ルファ(ドクターフィッシュは通称)
- 英 名 Garra rufa 、Doctor fish
- 体 長 10から14センチメートル程度(セラピー用は5センチメートル程度の幼魚)
- 寿 命 7年程度
- 分 布 西アジアの河川域、トルコの温泉地帯
- 生息環境 河川や池、沼
私達が普段「ドクターフィッシュ」と呼んでいる魚は、コイの仲間のガラ・ルファという種になります。
このドクターフィッシュのいる水槽に手や足を入れると、集まって来て表面にある古い角質を食べてくれるのです。
また、その時の刺激が神経を活性化すると、美容と健康の両側面での効果が期待されています。
ドクターフィッシュの生態
ドクターフィッシュは、成長すると10から14センチメートルになる淡水魚です。
河川や池、沼などに生息していますが、37度程の水温でも生息可能でトルコでは温泉地帯に生息しています。
実は、もともとは温泉地帯と河川を行ったり来たりしていたのですが、開発で温泉と河川が分断されたためこのような現象が起こっているのです。
水質・水温ともに適応範囲が広いドクターフィッシュならではなんですね。
普段は、岩の上や岩陰でじっとしていますが、餌を求める時には非常に活発に動き回ります。
食性は、雑食性で吸盤のような口で石などに付着した藻や苔類をこそぎ取るようにして食します。
また、微生物や小さな昆虫の幼虫などを食することもありますね。
ドクターフィッシュとして人間の角質を食べるのは、生後2年半までの幼魚時代なのですね。
繁殖は卵生で寿命は7年程度、幼魚の時には群れで生活をしますが、成魚になるとオスは単独で縄張りを持つようになり、他を寄せ付けません。
これらのことからも、人気のドクターフィッシュとして活動しているのは、生後2年半までの幼魚ということになるのです。
ドクターフィッシュの効果
ガラ・ルファは餌として、人間の古い角質を食べる習性があります。
皮膚病の治療としてガラ・ルファが使われたことからドクターフィッシュと呼ばれ人気となったのです。
ガラ・ルファの口には歯がありません。皮膚に吸盤のように吸い付いて、古い角質をついばみ食するのです。
これには、様々な効果が期待されています。
ドクターフィッシュによるピーリング効果
前述のように、歯が無いドクターフィッシュは吸い付いて角質を食べてくれます。
肌に外的負担や薬剤などの負担をかけることなく、古い角質を除去することが出来ることから、非常に優秀な天然ピーリングとして活用されているのです。
ドクターフィッシュによるマッサージ・リラクゼーション効果
また、ドクターフィッシュは角質を食べる際に、肌に優しく刺激を与えてくれます。
人間の手や足にはたくさんのツボが存在します。
ドクターフィッシュがこのツボを刺激することで、マッサージ効果にリラクゼーション効果が期待されています。
ドクターフィッシュによる水虫治療効果は?
よく、「ドクターフィッシュで水虫の治療効果があるのか?」という疑問が投げかけられることがあります。
しかし、残念ながらドクターフィッシュでは、水虫を治療することは出来ません。
そもそも水虫と言うのは、白癬菌というカビの一種が角質や皮下組織に入り込み発症する皮膚の感染症です。
いくら、皮膚表面の古い角質を綺麗にしても内部にまで侵食している白癬菌を取り除くことは出来ないのです。
ドクターフィッシュの飼育
ドクターフィッシュの効能を自宅で独り占めするために飼育をしたい!
そのような願望を持たれる方も多いかもしれません。
基本的にドクターフィッシュいやガラ・ルファと言った方が良いかもしれません。
ガラ・ルファの飼育は可能です。
前述のように水質や水温など適応範囲が広く丈夫な魚ですので、飼育そのものは容易に行うことが出来ます。
ドクターフィッシュの効果は幼魚時代のみ
まず、ガラ・ルファの飼育をするにあたって是非とも心に留めておいて頂きたいことがあります。
これまでにもご紹介しましたが、ドクターフィッシュのセラピー効果を楽しむことが出来るのは生後2年半までの幼魚時代だけという大前提があることを忘れてはいけません。
寿命は7年程度となるので、残りの4から5年程度はドクターフィッシュのセラピー効果を楽しむことなく観賞魚として飼育する必要があるのです。
この大前提を踏まえて飼育に臨む必要があります。
ドクターフィッシュの値段と購入方法
ドクターフィッシュの値段はそれほど高いものではありません。
おおむね、一匹あたり200円から300円程度が平均的な販売価格と言えるでしょう。
ドクターフィッシュを購入するには、規模の大きい熱帯魚専門店などに行けば販売しているところもあるようですが、街のペットショップなどではあまり見かけません。
しかし、インターネット通販でも販売されていますので、こちらで探すのが確実ですね。
前述のように、生後2年半で角質をあまり食べなくなってしまいます。
ドクターフィッシュとして(セラピー目的)楽しむのであれば、幼魚を購入する必要があります。
ドクターフィッシュの飼育環境
ドクターフィッシュを飼育する際は、単独飼育の場合には45センチメートル、5匹程度までの群泳の場合には60センチメートル程度の水槽が必要です。
非常に適応力の強い魚ですので、フィルターなどはどのようなタイプのものでも大丈夫です。
水温は、25度から37度と幅広い水温に適応してくれます。
25度程度ですと大人しくじっとしていて、活発に動くのは35度程度が目安になります。
また低水温には弱いので、冬場は必ずヒーターが必要になります。
30度以上の水温の場合には、水の蒸発が速いので蓋をしっかりとしておくことをおすすめします。
これは、コイ科特有の飛び跳ね防止にもつながりますね。
水質は弱酸性を好みますので、流木などで調整しましょう。
ドクターフィッシュがいくら環境適応力が強い丈夫な魚と言っても、水質管理はきちんと行ってください。。
基本的に、1週間に1回の水換えは必要です。
餌
ドクターフィッシュは、雑食性で何でも食べるので、人口飼料で問題ありません。
セラピーの場合には、角質びは空腹時しか対応しませんので、餌やりの前に行いましょう。
また非常に食欲旺盛なので、与えた分すべて食べてしまいます。餌の与えすぎには充分注意しましょう。
餌やりの頻度は、1日または2日に一回、2分程度で食べきる量を目安にすると良いかもしれません。
まとめ
今回、ドクターフィッシュについてご紹介をいたしました。
角質などを食べてくれ、美容や健康など、セラピー効果も期待できる人気の魚です。
販売価格もリーズナブルで自宅での飼育も比較的容易に行える優秀な魚ではありますが、セラピー効果が期待できるのは生後2年半までの幼魚の期間だけなのです。
残りの5年程度の成魚期間は、このセラピー効果は期待出来ないことは理解しておく必要がありますね。
勿論、「自宅で気軽にセラピー効果!」などという安易な気持ちでの飼育は控えるのが賢明です。
セラピー効果のみを楽しむのであれば、水族館や温泉施設など、ドクターフィッシュを体験出来る施設で堪能されることをおすすめします。
「それでも、ドクターフィッシュを飼育する!」という固い意志をお持ちであれば、是非飼育にチャレンジしてみてください。
セラピー効果はなくとも、可愛い一面もあるようですから!