【危険生物の最強対決シリーズ】今回ご紹介するのは「カブトムシvsカマキリ!」です。
いずれも昆虫界を代表する人気者の対決になります。
カブトムシは、大きな体に桁外れのパワーを持つ昆虫界の王様です。
一方、カマキリは非常に優れた狩りの名手で草原においては生態系の頂点に君臨します。
カブトムシは森林、カマキリは草原と生息域が異なるため、自然界で両者がバトルを行うことは少ないでしょう。
この2種が実際にバトルを行うとなると、どうなってしまうのでしょうか。
因みに、カマキリは日本において最強とされる「オオカマキリ」をその対象として、今回の戦いをシミュレーションしてみたいと思います。
題して「カブトムシ対カマキリ!どっちが強い!?」です。
さて、その軍配はどちらにあがるのでしょうか。
カブトムシ
「カブトムシ基本データ」
- 分 類 甲虫目 コガネムシ科 カブトムシ属
- 学 名 Trypoxylus dichotomus
- 和 名 カブトムシ
- 英 名 Japanese rhinoceros beetle
- 体 長 3から6センチメートル程度(角を除く)
- 分布域 日本を含む東アジア、東南アジア
カブトムシの特徴
カブトムシは、日本では非常にポピュラーな昆虫でクワガタと並び子供たちに高い人気を誇ります。
元々は、北海道には生息をしておりませんでしたが、人為的に持ち込まれ今では北海道にも生息地を広げ、日本全国でその姿を見ることが出来ます。
カブトムシは「昆虫の王様」と称される程に、大型でパワフルです。
一昔前までは甲虫類では最大種とされていましたが、沖縄のヤンバルテナガコガネ(1983年発見)の登場で、その座は奪われてしまいました。
それでも、その大きさとパワーで昆虫類最強説は根強くありますね。
カブトムシの特徴としては、頭部と胸部にある角です。
この様子が、日本の兜に似ていることからカブトムシとなっているのですが、その格好良いスタイリングから子供たちの人気が非常に高いのです。
頭部にある角は比較的大きく、この角を使って争い時には豪快に相手を投げ飛ばしてしまいます。
また、胸部の角は小さめなのですが、頭部の角と挟み込むことで攻撃に使われることもあるようです。
ただし、カブトムシは肉食性ではありませんし、性格的には温厚なので好んで争いをしません。
争いは、雌を巡る雄同士の戦いの他に、他の昆虫類とは樹液などの餌場を巡る戦いが見られる程度です。
しかも、それぞれの場合にも、必要以上に相手を傷つけるような攻撃はしないのです。
まさに、優しくて力持ちなのかも知れません。
カブトムシの強さの秘密は完璧な防御力
カブトムシを昆虫界最強と推す声は非常に多いです。
カブトムシの攻撃力は、その巨体とそこから繰り出されるパワーです。
しかし、いずれも相手に致命的な打撃を与えるような強烈なものではありません。
実は、カブトムシの強さの秘密は最大の防御力なのです。
全身が固い甲羅のようで、如何なる昆虫の攻撃も寄せ付けないのです。
実際に餌場を巡る争いでは、昆虫界最凶と称されるオオスズメバチとも争いますが、オオスズメバチの攻撃を軽く受け流してしまうのです。
この餌場を巡る争いでは、最上位に位置するのがカブトムシなのです。
このように昆虫界においては、カブトムシの天敵は存在しません。
カブトムシの天敵となるのは哺乳類や鳥類で、タヌキやイノシシ、フクロウ、カラスなどには捕食されてしまいます。
オオカマキリ
「オオカマキリ基本データ」
- 分 類 カマキリ目 カマキリ科 Tenodera属
- 学 名 Tenodera aridifolia
- 和 名 オオカマキリ
- 英 名 Japanese Giant Mantis
- 体 長 7から10センチメートル程度(雌の方が大きくなる)
- 分布域 日本を含む東アジア、東南アジア
オオカマキリの特徴
カマキリは、本来は6本の脚を持つのですが、左右の前脚が大きな鎌状に変形していてこれを武器に様々な昆虫を捕食します。
日本では、2科9種のカマキリが生息していますが、その中でも最大かつ最強となるのがこのオオカマキリです。
日本各地でその姿を見ることが出来ますが、南に位置するオオカマキリの方が大型化するようで、10センチメートル程度にもなります。
このオオカマキリも、昆虫好きの子供たちには非常に人気が高いですね。
森のカブトムシとクワガタムシに対して草地のオオカマキリという人気の構図になるかも知れません。
その人気の秘密は、独特のシルエットです。
大きな鎌を上段に構え威嚇する様は、子供心をがっちりと掴んで離しません。
肉食性のオオカマキリは、非常に獰猛なハンターでこの大きな鎌の前脚を使いあらゆる昆虫を捕食し、生息環境下の草原地帯では生態系の頂点に君臨しています。
オオカマキリの強さの秘密
オオカマキリの強さの秘密は、肉食性の獰猛さと大きな鎌そして強靭な顎にあります。
大きな鎌でがっちりとホールドされてしまえば、ほとんどの昆虫はもう逃げることが出来ません。
自由を奪われた獲物は、大きな顎で嚙み砕かれるしか道は残っていないのです。
非常に貪欲で動くものは何でも捕まえようとします。
たいていの場合の捕食対象はチョウやバッタなどですが、オオカマキリは大型種であるので大型の獲物も襲います。
アゲハチョウにセミ、トンボ、同じカマキリなど昆虫でも大型のものや、ミミズにアマガエル、トカゲなども捕食対象としてしまいます。
あくまでも記録として残るものでは、スズメやネズミなども仕留めたことがあるともされています。
しかし、大型のムカデやクモ、スズメバチなどとは食うか食われるかの死闘を演じることになるようです。
また、タヌキなどの哺乳類や大型のヒキガエル、ヘビなどには捕食対象とされてしまいます。
オオカマキリは、非常に強力な武器を所有する一方、防御力が弱いという欠点もあるのです。
お腹などは非常に柔らかく、狙われてしまうと脆い一面もあります。
「カブトムシvsオオカマキリ」勝つのはどっちだ。
それでは、「カブトムシvsオオカマキリ」の対決をシミュレーションしてみましょう。
実はこの対決は、生息環境の違いから自然界では滅多に起こりません。しかし、樹液を吸いに来るチョウなどを狙いオオカマキリがこの樹液の餌場に現れることがあります。
それでも、狙いが異なるので直接的な争いには発展しにくいですね。
この「カブトムシvsオオカマキリ」の戦いは、ユーチューブなどにもあがっているので、ご覧になった方も多いかもしれません。
結果としては、オオカマキリの攻撃は一切カブトムシに通用しないのです。
餌を貪るカブトムシに対して、オオカマキリが大きな鎌で果敢に攻撃を仕掛けます。
しかし、それらには一切我関せず状態で餌を貪り続けるカブトムシ、時折カブトムシが脚でオオカマキリを払いのけるとオオカマキリはそのまま吹き飛ばされてしまいます。
圧倒的にパワーが違うのです。
カブトムシはオオカマキリの捕食対象ではありませんし、カブトムシもオオカマキリを積極的に攻撃する必要がありません。
ついには、オオカマキリが退散してしまいます。
この結果が、このカブトムシ対オオカマキリの結末と見て良いかと思います。
スズメバチと互角の戦いをするオオカマキリとスズメバチを寄せ付けないカブトムシ、この時点で既に勝敗は決まっているのかも知れません。
まとめ
今回、「カブトムシvsオオカマキリ」をご紹介いたしました。
昆虫の王様「カブトムシ」と草原の恐るべきハンター「オオカマキリ」、この両者の戦いの結末は意外なものでした。
執拗なオオカマキリの攻撃も、カブトムシの前では一切通用しないのです。
しかし、カブトムシにもオオカマキリを仕留めるほどの武器は持ちませんし、仕留める必要性もないのです。
遂には、しびれを切らしたオオカマキリが退散してしまう。
これが「カブトムシvsオオカマキリ」のたいていの場合の結末のようです。
流石カブトムシと言ったところでしょうか。