ギネスが「世界一怖いもの知らずの動物」に認定した動物と、ホッキョクグマすら殺してしまうイタチの仲間をご存知でしょうか。
前者がラーテル、後者がクズリと言います。
どちらも比較的マイナーな動物ですが、その強さと違いについてご紹介していきます。
目次
ラーテルの基本情報
出典画像:Wikipedia
- 学名:Mellivora capensis
- 分類:食肉目イタチ科ラーテル属
- 分布:中央アジア・西アジア・アフリカ大陸
- 体長:60~77cm
- 体重:7~13kg
ラーテルの特徴と強さの秘密
ラーテルはギネスも認める規格外の動物です。
皮膚はゾウのように硬く弾力性があり、コブラの毒だって平気、そしてスカンクのようなオナラ攻撃まで仕掛けてきます。
ではラーテルの強さのそれぞれの要素を見ていきましょう。
硬く弾力性のある皮膚
ラーテルは全身を黒い体毛で覆われており、背中の毛だけが灰色をしています。
この黒と灰色の体毛の下には分厚く頑丈で弾力性のある皮膚があります。
特に背中の皮膚はとびきり厚く、ライオンですら傷をつけることができません。
コブラの毒も平気!驚異の猛毒耐性
ラーテルは主に雑食で、自分よりも小さい生物はなんでも襲います。
その中には猛毒を持つコブラも含まれます。ラーテルはコブラを襲い食べてしまいます。
当然噛まれて、毒が体内に入ります。また、捕食することでコブラの毒が体内に入ってしまうこともあります。
人間であれば死んでしまうような毒でも、ラーテルなら数時間動けなくなるだけで、そのあとはまるで毒などなかったかのように動き回ります。
まるでスカンク!?強烈オナラ攻撃
ラーテルは防御に優れているだけでなく、相手に対して攻撃もします。
ラーテルの前足には発達したかぎ爪がありますが、それ以上に厄介なのがスカンクのような強烈なオナラ攻撃です。
肉食獣のほとんどが嗅覚が鋭いため、この攻撃には相当苦しむはずです。
ギネス認定!世界一怖いもの知らずの動物
硬く弾力性のある皮膚を持ち、猛毒への耐性、強烈オナラ攻撃など、ラーテルはまさにいろいろ規格外です。
そんなラーテルはとても気性が荒く、自分のテリトリー内に入った侵入者には、誰であろうと襲いかかります。
ラーテルの天敵はライオンやハイエナですが、縄張りに入ろうものならライオンやハイエナですら襲いかかります。
まさに「世界一怖いもの知らずの動物」なのです。
クズリの基本情報
出典画像:Wikipedia
- 学名:Gulo gulo
- 分類:食肉目イタチ科クズリ属
- 分布:北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部
- 体長:65~110cm
- 体重:7~32kg
クズリの特徴と強さの秘密
クズリは北アメリカ大陸の北部やロシア、北欧など、寒い地方に住むイタチの仲間で、別名がクロアナグマ、英名はWolverine(ウルヴァリン)です。
X-メンでも有名なウルヴァリンはクズリを語源にしています。
クズリの強さは強靭な顎と牙、そして雪上を動き回れる機動力と樹上から奇襲を仕掛ける頭脳プレーができるところです。
この章ではその強さの一つ一つを見ていきます。
クズリは雪山の殺し屋!強力な顎と牙
クズリの最大の武器は強靭な顎と鋭く大きな牙です。
クズリの顎の力は大変強く、骨を軽々噛み砕くことができます。
その威力が発揮されるのが狩で相手の脊椎を噛み砕いてとどめを刺すところです。
まさに殺し屋のように相手の息の根を止めてしまうのです。
雪上で自由に動けるクズリの足の裏の秘密
クズリは顎や牙の威力があるだけでなく、雪面を自由に動き回れる機動力があります。
クズリの足の裏は大きく、まるで「かんじき」のように雪面を走り回ることができるのです。
この足裏のおかげで、雪山では雪で身動きが取れなくなってしまった、もしくは動きが鈍っている動物をクズリは襲うことができるのです。
大型動物も樹上からの奇襲攻撃で捕食!
クズリの捕食対象はおもに自分よりも小型の動物全般ですが、時に大型の草食動物を襲って食べてしまうことがあります。
どのように自分の倍ほどもある大型の動物を襲うのかというと、樹上からの奇襲攻撃です。
クズリは木登りを得意としており、木の上で待ち伏せをして、獲物が真下にきた時に上から襲いかかります。
そして後頭部の付け根の脊椎を強力な顎で噛み砕いて殺します。
大きい相手にはそれよりも高いところから襲う頭脳プレーはラーテルでは見ることができない芸当です。
クズリがホッキョクグマを殺した!?
クズリの強さを物語るエピソードとしては飼育下において、ホッキョクグマを殺害したことです。
もともとクズリはとても凶暴で、他の肉食動物よりも好戦的なので、多くの動物から倦厭されています。
その凶暴性は異常で、陸上最強肉食動物として知られるホッキョクグマにすら襲いかかり殺害してしまうほどです。
ラーテルとクズリ、どっちが強い?
ラーテルは世界一怖いもの知らずの動物、クズリはホッキョクグマすら殺してしまうほど常軌を逸した凶暴性の持ち主。
ではどちらが強いのでしょうか。
結果から言うとラーテルなのです。
それは、いくらクズリの攻撃力が強くてもラーテルの鉄壁の防御の前では無力だからです。
ラーテルの皮膚の頑丈さは、ワニが1時間に渡って奮闘しないと食べれないほどです。
なので、クズリがどんなに頑張ってもラーテルの頑丈な皮膚を食い破ることはできないのです。
ラーテルとクズリのまとめ
ラーテルの頑丈な皮膚はクズリの凶暴性すら寄せ付けないほどです。
ですが、状況が変わればクズリにも勝機はあります。
実はラーテルの弱点はお腹です。
ラーテルの頑丈な皮膚はお腹をカバーしてはおらず、唯一の急所と言えます。
生息地が全然違う両者ですが、もし対戦し、クズリの機動力でラーテルのお腹を攻めることができれば、勝敗はわからないでしょう。