世界中には特徴的な様々な種類の生物が存在しますが、そんな謎に満ちた猛毒生物の最強ランキングがついに発表されました!
ただし、あくまでも当サイト独自の考察ランキングです。
大空を羽ばたくもの、水の中を泳ぐもの、陸で暮らすもの、そしていずれの世界にも「弱肉強食」と言う厳しい自然界の掟が存在し、捕食するものされるものなど実に多様性に富んだ生物が存在するのです。
それらはいずれも個性的な特徴を持ちますが、その中でも秀でて個性的な種と言えば有毒生物かも知れません。
獲物を狩るため、または捕食者から身を守るために有毒と言う武器を手に入れたのです。
今回は、そんな有毒生物の危険度をランキング形式でご紹介いたします。
題して「猛毒生物ランキングTOP10」。
果たして、その結果は如何なるものなのでしょうか。
目次
猛毒生物ランキングTOP10の基準は「LD50」
今回、「猛毒生物ランキングTOP10」として有毒生物の危険度をランキング形式でご紹介するのですが、毒性の強さをあらわす基準に半数致死量(LD50)があります。
これは、投与された動物の半数(50パーセント)が死亡する毒の容量のことです。
この半数致死量とは「Lethal Dose, 50%」のことで、略して「LD50」と表記されております。
その単位は「mg/kg」で表記され、その数値が小さければ小さいほど毒性が高いとされています。
今回は、このLD50を基準にして、その毒性の強弱を決めて参ります。
ただし、様々な条件などにより数値の異なりが生じる可能性があることは予めご了承ください。
猛毒生物ランキングTOP10
それでは、猛毒生物ランキングTOP10を発表して参りましょう。
前述のように今回のランキングでは、あくまでも「LD50」の数値を基準に順位付けをしております。
勿論、個体の大きさや毒量又は生息地などにより、実際に人間が被害に遭うという観点では若干異なることもあります。
猛毒生物ランキングTOP10 第10位
猛毒生物ランキングTOP10、第10位は「ナイリクタイパン」です。
- 種 類 ヘビ
- 分 類 有鱗目 コブラ科 タイパン属
- 分 布 オーストラリア大陸
- 毒 種 神経毒(出血毒、溶血毒)
- 数 値 0.025 mg/kg
タイパンは最大3メートル以上にもなる大きなヘビで、コブラ科の仲間の中では、キングコブラそしてブラックマンバに次3番目に大きな種になります。
基本的に沿岸部に生息をしている種類のヘビですが、オーストラリア大陸の内陸部に生息するのがナイリクタイパンです。
このナイリクタイパンですが、実は毒ヘビとしては最強の毒を持つとされているのです。
その殺傷能力は、一咬みするだけでマウス12から13万匹を死に至らすことが出来るほど強力なのです。
実にニホンマムシの800倍と言う毒性の強さとなるのですから、驚いてしまいますね。
基本的には、攻撃的な性格で動きも素早く厄介なヘビとされていますが、ことナイリクタイパンに関しては、大人しい性格と生息地が限定されるため人間の被害は少ないようです。
猛毒生物ランキングTOP10 第9位
猛毒生物ランキングTOP10、第9位は「ヒョウモンダコ」です。
- 種 類 タコ
- 分 類 マダコ亜目 マダコ科 ヒョウモンダコ属
- 分 布 日本からオーストラリアにかけての温暖な海域
- 毒 種 神経毒(テトロドトキシン)
- 数 値 0.02 mg/kg
体長10センチメートル程度と言う小型の熱帯性タコになります。
日本においては、小笠原諸島付近に生息していましたが、近年の温暖化の影響で東京湾以北数か所でも生息が確認されています。
美しく可愛らしい見た目なのですが、強力な神経毒テトロドトキシンを持っています。
以前は、このテトロドトキシンはヒョウモンダコの唾液にのみ含まれているとされていましたが、近年の研究で唾液以外にも筋肉や体表にも含まれていることが確認されました。
ヒョウモンダコに咬まれてしまうと、神経麻痺に呼吸困難、最悪の場合には死に至る程に危険なのです。
食したり、素手で触れた場合にも同様のことが起こり得るので気を付けなければいけません。
猛毒生物ランキングTOP10 第8位
猛毒生物ランキングTOP10、第8位は「アンボイナガイ」です。
- 種 類 貝
- 分 類 新腹足目 イモガイ科 イモガイ属
- 分 布 インド太平洋の熱帯海域
- 毒 種 神経毒(コノキトシン)
- 数 値 0.012 mg/kg
アンボイナガイは、捕食性のある巻貝です。
銛のようになっている舌(歯舌)で魚などの獲物を突き刺して狩りをします。
この舌には、毒腺があり刺された獲物は麻痺して逃げることが出来ません。そうなった獲物をゆっくりと捕食してしまうのです。
このアンボイナガイの毒性はコノキトシンと言う神経毒なのですが、実はどの毒ヘビが持つ毒よりも強力なのです。
一つのアンボイナガイで、実に人間30人を殺すことが出来るというのですから、凄まじいですね。
実は、このアンボイナガイに人間が刺されてしまう事故は、イモガイ類の中でも特に多いのです。
美しい見た目なので、ついつい手を出してしまうことがあるようですね。
そうなると、アンボイナガイとしては防御策として刺してくるのです。
一説には、このアンボイナガイの毒性はコブラの持つそれに比べて37倍とも言われ、しかも血清もありません。
刺されてしまった場合には、患部の心臓に近い部分をきつく縛り、毒を吸出しすぐに病院へ向かうようにと注意喚起されています。
猛毒生物ランキングTOP10 第7位
猛毒生物ランキングTOP10、第7位は「カリフォルニアイモリ」です。
- 種 類 イモリ
- 分 類 有尾目 イモリ科 カリフォルニアイモリ属
- 分 布 アメリカ合衆国(固有種、固有亜種)
- 毒 種 神経毒(テトロドトキシン)
- 数 値 0.01 mg/kg
カリフォルニアイモリは、カリフォルニア州(アメリカ合衆国)沿岸部から山岳地域に分布する陸棲のイモリ(両生類)です。
体長12から20センチメートル程度と、イモリとしては大型かも知れません。
強弱の違いはありますが、カエルも含め多くの両生類(イモリの種でも10種以上)は毒を持っています。
その中でも、このカリフォルニアイモリのそれは最も強力とされているのです。
カリフォルニアイモリは防御策としてこの毒を用いています。
捕食者に襲われた際に、背中にあるイボから猛毒となる神経毒・テトロドトキシンを分泌するのです。
ヘビに飲み込まれたカリフォルニアイモリが、毒を分泌しヘビを殺して生還したという報告もあるようですね。
人間の場合にも、素手で触ったらすぐに手を洗うこと、口から入ってしまうと死に至る危険性があることも注意喚起されています。
猛毒生物ランキングTOP10 第6位
猛毒生物ランキングTOP10、第6位は「ハブクラゲ」です。
- 種 類 クラゲ
- 分 類 立方クラゲ目 (Cubomedusae) 立方クラゲ科 ハブクラゲ属
- 分 布 日本(沖縄・奄美地方)
- 毒 種 混合毒
- 数 値 0.008 mg/kg
ハブクラゲは日本の沖縄や奄美地方の暖かい海域に生息するクラゲです。
名前からも分かるように毒ヘビのハブと同じく毒を有するクラゲです。
立方型の傘(傘高は10から15センチメートル程度)の四隅からは、7本程度の触手が伸びます。
この触手は1.5メートル以上と長く、ここに強力な刺胞毒を持っているのです。
ハブクラゲは、この触手に触れた魚などの獲物を毒で痺れさせて捕食をします。
このハブクラゲの毒は、日本近海に生息するクラゲの中では特に強力とされているのです。
刺されてしまうと激しい痛みを伴い、患部にはミミズ腫れの症状が起こります。
このまま放置すると6時間後には、ミミズ腫れは水疱へと変化して12時間後には壊死してしまいます。
また、重篤な場合にはショック症状から呼吸困難さらには心肺停止となり、死に至るケースもあるのです。
実際に、これまでにこのハブクラゲによる死亡事故は3件程確認されています。
猛毒生物ランキングTOP10 第5位
猛毒生物ランキングTOP10、第5位は「カバキコマチグモ」です。
- 種 類 クモ
- 分 類 クモ目 フクログモ科 コマチグモ属
- 分 布 東アジア(日本、朝鮮半島、中国)
- 毒 種 主には神経毒(分子量6万3千程度のタンパク質)
- 数 値 0.005 mg/kg
カバキコマチグモは、日本全国に分布する日本の在来種でその中でも最も毒性の強い毒グモになります。
体長は1センチメートル程度と非常に小型ではありますが、国内のクモによる被害としてはこのカバキコマチグモによるものが大半を占める程になります。
クモの巣を作るタイプではなく、ススキなどのイネ科の植物に生息し、動き回って昆虫などを捕食します。
人間が、カバキコマチグモに刺されてしまうと、激しい痛みが持続的に起こり痺れや出血などをすることもあります。
重篤な場合には、頭痛に発熱さらには呼吸困難やショック症状なども引き起こすこともあるようです。
しかし、カバキコマチグモは身体が小さいことと牙も小さく毒量が少ないので、人間の死亡例は報告されていません。
重篤な場合には2週間程度かかることもありますが、症状も通常であれば、3日程度で緩和します。
単純な危険度として考えれば、第6位のハブクラゲの方が怖いかもしれません。
猛毒生物ランキングTOP10 第4位
猛毒生物ランキングTOP10、第4位は「モウドクフキヤガエル」です。
- 種 類 カエル
- 分 類 両生綱 無尾目 ヤドクガエル科 フキヤガエル属
- 分 布 南米コロンビア(固有種)
- 毒 種 神経毒(バトラコトキシン)
- 数 値 0.002から0.005 mg/kg
モウドクフキヤガエルは、南米コロンビアの固有種で両生類の中でも非常に強力な猛毒を持つカエルになります。
このモウドクフキヤガエルが持つ毒性は、自然界に存在する毒性の中でも最強の部類に入るバトラコトキシンで、筋肉の収縮から心臓発作を引き起こさせてしまいます。
そのような強力な毒素ですが、モウドクフキヤガエルにはその耐性が備わっているので、自身は毒でやられることはないのですね。
モウドクフキヤガエルは、この毒性の含まれた粘液を体中に纏っていて捕食者からの攻撃を防御しているのです。
コロンビアの先住民は、このモウドクフキヤガエルの強力な毒を吹き矢に塗って、ジャガーやシカなど大型の哺乳類を仕留めていました。
名前にあるフキヤガエルはここに由来しているのです。
1オンス有れば、人間250万人以上の命を奪うことも可能なモウドクフキヤガエルの毒性は非常に驚異的です。
猛毒生物ランキングTOP10 第3位
猛毒生物ランキングTOP10、第3位は「ズグロモリモズ」です。
- 種 類 鳥
- 分 類 スズメ目カラス科ピトフーイ属
- 分 布 インドネシア、パプアニューギニアなど
- 毒 種 神経毒(バトラコトキシン又はホモバトラコトキシン)
- 数 値 0.002 mg/kg
ズグロモリモズは、インドネシアやパプアニューギニア、その周辺の島々に生息する体長25センチメートル程度の鳥です。
鳥類としては、とても珍しく世界中でも4種類しか確認されていない有毒種であります。
因みに、ズグロモリモズ以外の3種とは「ズアオチメドリ」「カワリモリモズ 」「チャイロモズツグミ」になります。
ズグロモリモズの毒性は、第4位のモウドクフキヤガエルと同じバトラコトキシン(非常に類似の「ホモバトラコトキシン」という説もあり)で餌となる虫から得られているようです。
モウドクフキヤガエル同様に、原住民はこの毒性を利用して狩りをしています。
このズグロモリモズの強力な毒性は、羽一枚で簡単に人間も殺せる程ですが、攻撃として使われることはなく捕食者からの防御策となっています。
猛毒生物ランキングTOP10 第2位
猛毒生物ランキングTOP10、第2位は「オーストラリアウンバチクラゲ」です。
- 種 類 クラゲ
- 分 類 立方クラゲ目 (Cubomedusae) 立方クラゲ科 ハブクラゲ属
- 分 布 インド洋南部からオーストラリア近海
- 毒 種 混合毒
- 数 値 0.001 mg/kg
オーストラリアウンバチクラゲは、殺人クラゲと恐れられる非常に強力な毒性を持つクラゲになります。
ウンバチと言うのは「海のハチ」のことで、スズメバチのように人を刺すことからこの名前が付けられました。
もしかしたら、通称の「キロネックス」と言う呼称の方がピンとくる方が多いかもしれませんね。
オーストラリアウンバチクラゲは、非常に大型のクラゲで50センチメートル程度の傘からは最多で60本にもなる触手が伸びます。
この触手は、長さ4メートル以上にもなるのです。
猛毒はこの触手にある刺胞(一本の触手に5000個程度)から相手に注ぎ込まれます。
毎秒2メートルと言う速さで動くことに、昼行性であることからオーストラリアウンバチクラゲによる人間の被害も非常に多く報告されています。
毒性はクラゲの中では最も強力で、人間の事故では数分で死亡してしまった例もあります。
刺された箇所がごく小さな範囲であれば、助かる可能性もありますが、触手が絡まるなどして広範囲にわたって刺されてしまうとまず助かる見込みはありません。
このことから、現地ではサメ以上に恐れられています。
猛毒生物ランキングTOP10 第1位
猛毒生物ランキングTOP10、第1位は「マウイイワスナギンチャク」です。
- 種 類 イソギンチャク(正式には近縁種の「スナギンチャク」)
- 分 類 スナギンチャク目 イワスナギンチャク科 イワスナギンチャク属
- 分 布 ハワイ マウイ島
- 毒 種 神経毒(パリトキシン)
- 数 値 0.00005から0.0001 mg/kg
マウイイワスナギンチャクは、ハワイ・マウイ島のサンゴ礁に群生するイワスナギンチャク(イソギンチャクの近縁種)の一種になります。
美しいイメージが先行しますが、実はこのマウイイワスナギンチャクこそが生物界最強の毒性を誇る生物なのです。
このマウイイワスナギンチャクの保有する毒は神経毒のパリトキシンで、今回第10位となった最強の毒ヘビ「ナイリクタイパン」の実に500倍と言う程に強力なのです。
青酸カリの8000倍とするとその凄まじさが伝わりやすいかもしれませんね。
人間であれば、5マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1グラム)で絶命してしまう程に強力なのです。
したがって、海水浴中に間違って触れてしまったり踏みつけてしまうと大変なことになります。
このマウイイワスナギンチャクが群生する海面を、ただ泳いでいただけで意識を失った。
さらには、飼育していた水槽から有毒ガスが発生したという報告もあるのです。
症状としては、軽い場合には筋肉痛や麻痺・痙攣などです。
しかし、重くなる場合には呼吸困難や不整脈、ショック症状に腎障害、最悪の場合には死に至ってしまいます。
この毒性がパリトキシンと言うことは上述しておりますが、このマウイイワスナギンチャクの学名に注目していただきたいのです。
マウイイワスナギンチャクの学名は、「パリトア・トキシカ(Palythoa toxica)」です。
実は、パリトキシンと言う猛毒の名前はこのマウイイワスナギンチャクの学名から取られているのです。
マウイイワスナギンチャクありきと言うところが凄いですよね。
ランク外ではあるものの気を付けたい猛毒生物
今回、猛毒生物ランキングTOP10をご紹介しましたが、このTOP10には含まれませんが、それでも気を付けていただきたい生物についてもご紹介しておきましょう。
上から順に毒性の強い生物になります。
- ラッセルクサリヘビ(生息地:インド)
- デュボアトゲオウミヘビ(生息地:オーストラリア北部沿岸)
- イースタンブラウンスネーク(生息地:オーストラリア)
- カツオノエボシ(生息地:世界中の海)
- ブラックマンバ(生息地:アフリカ)
- イボウミヘビ(生息地:インド洋~オーストラリア)
- タイガースネーク(生息地:オーストラリア)
- オニヒトデ(生息地:西太平洋~インド洋)
- インドアマガサヘビ(生息地:インド)
- エジプトコブラ(生息地:アフリカ)
日本に生息する猛毒生物
今回、ご紹介した危険な毒性生物の中で、私達が暮らす日本にも生息しているものとしては次になります。
- 第5位 カバキコマチグモ
- 第6位 ハブクラゲ
- 第8位 アンボイナガイ
- 第9位 ヒョウモンダコ
- 圏 外 オニヒトデ
この中で、最も遭遇する頻度が高いのは「第5位のカバキコマチグモ」です。
庭いじりなどでも遭遇する確率が高いので気を付けないといけません。
しかし、今回圏外にも名前はあがりませんでしたが、第40位となる「スズメバチ」が日本では最も気を付けるべき生物かも知れません。
ここでは、ランクはそれほど高くはありませんが、それでも毒性は強力ですし遭遇率がずば抜けて高くなります。
毎年必ず多くの被害報告があり、その中には死亡事例もあります。
日本ではこの「スズメバチ」が最も注意すべき毒性として認識しておきましょう。
オーストラリアではヘビに注意!
もう一つ、今回のランキングから注目すべきことがあります。
それは、観光地としても非常に人気の高いオーストラリアに関してです。
圏外も含めて、今回のランキングではオーストラリアに生息する毒ヘビが5種類(ウミヘビ含む)も登場するのです。
毒ヘビとオーストラリアという結びつきは少々意外かもしれませんが、オーストラリアに旅行に行く際は、毒ヘビには気を付けましょう。
まとめ
今回「猛毒生物ランキングTOP10」をご紹介いたしました。
毒と言うとコブラなどの危険な毒ヘビのイメージが非常に強いですが、その毒の持つ半数致死量から算出すると、少々意外な結果となったかも知れませんね。
とは言っても、今回登場した生物以外は毒性が弱いと言うわけではありませんので、気を付ける必要は当然あるのです。
また、これが人間は命を落とすTOP10や最も毒を噴出するTOP10など、そのランキングによっては随分と異なる結果に繋がることでしょう。
いずれにしても、世界中には多くの危険な毒性生物が存在しているのです。
予防対策として、今回のこの結果も是非ご参考にしてください。