鷹と鷲どっちが強い?違いと見分け方

危険生物の最強対決

まさに空の王者の風格とでも言うのでしょうか。

鷹や鷲などの猛禽類が、威風堂々と大空を舞う姿には格好良さだけでなく美しささえも覚えてしまいます。

鷹の写真

出典画像:Wikipedia

過去にさかのぼれば、著名な戦国武将たちも鷹狩りを楽しんでいました。

鷹や鷲などの猛禽類は、以前より私達人間の心をまさに鷲掴みにしていたのですね。

しかし、この鷹と鷲ですが、仮にこの2種が戦うとなるとどちらが強いのでしょうか?

また、そもそもこの2種の違いは何なのでしょうか?

今回は、鷹と鷲、どちらが強いのか。またその違いと見分け方についてご紹介してまいります。


鷹と鷲は同じ種類、その違いは大きさ!

今回の主役となる鷹と鷲ですが、双方共「タカ目(タカ亜目タカ上科)タカ科」に属する鳥類ということになります。

つまり、両者の間に明確な違いというものは存在しないのです。

属名から分ければ、鷲も鷹の仲間とするのが正しいのかもしれません。

どうやら、その線引きも実に微妙なもので「大きい種のものが鷲、小さい種のものが鷹」とされています。

例えば、名前に「おお(大きい)」とつく「オオタカ」と「オオワシ」で比べてみましょう。

  • オオタカ  全長が50から60センチメートル程度、翼開長が100から130センチメートル程度となります。
オオタカの写真

出典画像:Wikipedia

  • オオワシ  全長が90から100センチメートル程度、翼開長が200から250センチメートル程度となります。
オオワシの写真

出典画像:Wikipedia

これだけ見ても、その大きさの違いがお分かりいただけるのではないでしょうか。

しかし鷹と鷲の大きさでの区別には例外もある。

前項で、「鷹と鷲は同じ種で大きさでその違いを判断している。」としましたが、中には例外となる「小さな鷲」や「大きな鷹」も存在します。

  • カンムリワシ

こちらは小さなワシの代表的な存在です。

カンムリワシの写真

出典画像:Wikipedia

カンムリワシはその体長が55センチメートル程度とオオタカよりも小さいものもあるのです。

何故、体長55センチメートル程度の小さなカンムリワシが鷲とされているのか。

それは、カンムリワシの生息する沖縄八重山列島には、このカンムリワシより大きな猛禽類がいなかったからなのです。

つまり、八重山列島ではこのカンムリワシは一番大きな猛禽類ということから、ワシとされているのです。

  • クマタカ 

一方こちらクマタカは大きな鷹の代表になります。

クマタカの写真

出典画像:Wikipedia

クマタカはその体長が80センチメートル程度と鷹としては非常に大柄で、前述のカンムリワシよりも随分と大きくなります。

森の王者として君臨し、日本全国の森林でその偉大なる姿を見ることが出来ます。

この大きさであれば鷲として扱われても良さそうでありますが、何故鷹とされているのでしょうか。

これには諸説あるようですが、高い木のてっぺんにいることが多く、周りの大きな木々や山々に埋もれて実際よりも小さく見えることがあるようです。

また、同じ生息地にオオワシなどの大きな鷲類が共存することでクマタカの大きさが目立たなかった、と言うのも有力な説として存在します。

人間の主観がボーダーライン

鷹と鷲の最も顕著な違いは大きさであることは、これまでにご紹介した通りです。

しかし、前項のように例外が生じることからも、明確な線引きは存在しないで最初に見た人間の主観で決められているのがその実態のようですね。

クジラとイルカであれば、体長4、5メートルと言うある程度のボーダーラインが潜在します。

例えば体長3メートル程度となるハンドウイルカは「イルカ」なのです。

ハンドウイルカの写真

出典画像:Wikipedia

しかし、この鷹と鷲の場合には、その主観がボーダーラインとなるため、例外が生じているのです。


鷹と鷲、見た目での違い

鷹と鷲の違いで最も大きな相違点は、その大きさとご紹介しました。

ご参考までに、その見た目にもやや違いとなる傾向があるのでご紹介しておきますね。

  • 尾の形 鷹の尾は扇状に広がるものが多いのですが、鷲の場合には直線的で広がりがありません。
  • 鷹斑模様 鷹には体に鷹斑(たかふ)と呼ばれる特徴的な模様が入る種が多いですが、鷲にはこの模様がありません。

その他にも鷹の方がスマートな印象や羽ばたきの有無と言ったことも挙げられます。

ただし、これもあくまでも傾向でありそれぞれ例外もあるのです。とどのつまり、やはり同じ種類の仲間なのですね。

 

鷹と鷲どっちが強いのか?

それでは「鷹と鷲ではどちらが強いのか?」よく聞かれるこの点についても考えてみましょう。

動物界において、その強さは大きさに比例する。」このことは、一般的には至極当然の結論となります。

そう考えますと、単純に身体の大きな鷲の方が強いと言うことは明らかなのかも知れません。

しかし、これは鷹対鷲の団体戦の場合ですね。

鷹にも鷲を凌駕するほどの猛者が存在します。

そうなると、場合によっては鷹が鷲よりも強いという現象が起こっても不思議ではないのです。

そうなると、それぞれの最強と呼べる種同士での比較が、一番分かり易いかもしれませんね。

鷹の最強「カンムリクマタカ」

カンムリクマタカは、最大で体長90センチメートル、体重4.5キログラムと鷹としては大柄な種になります。

カンムリクマタカの写真

出典画像:Wikipedia

更に大柄の鷲にも負けないほどの戦闘能力を備えています。

抜群の飛行能力に機動力、そして強力なパワーを秘めているのです。

なんと自分の10倍以上もあるようなサルやハイラックスなどの哺乳類を仕留めてしまうのです。

鋭い爪ではサルの頭を鷲掴みにして、頭蓋骨を粉砕し即死させてしまいます。

時として、この刃は人間にも向けられるため、現地南アフリカではカンムリクマタカのことを「空飛ぶヒョウ」として非常に恐れているのです。

鷲の最強「オウギワシ」

実は、オウギワシとフィリピンワシそしてオオワシの三種が「猛禽類三強」と呼ばれています。

その中でもこのオウギワシが、大きさに機動力、攻撃力でやや優れているかも知れません。

オウギワシの写真

出典画像:Wikipedia

オウギワシは、最大で体長105センチメート、体重9キログラムと猛禽類の中でも最大級の大きさを誇ります。

そして、世界で最もパワフルな猛禽類と称されるのもこのオウギワシなのですね。

驚異的な握力で成人男性の腕をへし折ってしまうことも容易く、頭蓋骨を爪が貫通してしまうこともあるようです。

また、オウギワシは狩りの名手でもあり、木が邪魔になるジャングルでも時速80キロのスピードですいすいと飛び回ります。

獲物となるのは、ナマケモノやサル、イグアナなどの哺乳類ですが、いとも簡単に狩ってしまいます。

恵まれた体格に、機動力に攻撃力と三拍子揃ったオウギワシ、最強の猛禽類は伊達ではありませんね。

カンムリクマタカとオウギワシ勝つのは?

前述のようにカンムリクマタカにオウギワシいずれも非常に強い猛禽類であります。

仮に、実際に戦うとなれば性格面や攻撃面で優秀なカンムリクマタカですが、体格という非常に大きなハンディがあります。

オウギワシの写真

出典画像:Wikipedia

このことからオウギワシの優勢は否めないでしょう。

ただし、複数回戦えば、その内の何回かはカンムリクマタカがオウギワシを仕留めるということも起こり得ると考えられます。

結果的には、オウギワシがやはり最強となると思いますが、その実力差は非常に僅差であるのではないでしょうか。


日本で見ることが出来る主だった鷹と鷲

今回ご紹介した鷹と鷲ですが、私達の暮らす日本でもその雄大な姿を見ることが出来ます。

日本で見られる鷹としては、「オオタカ」「クマタカ」「ハイタカ」があげられます。

オオタカの写真

出典画像:Wikipedia

中でもオオタカは、日本の代表的な鷹ですね。鷹と言えばこのオオタカを指して使われていました。

一方日本で見られる鷲としては「オオワシ」「イヌワシ」「カンムリワシ」があげられます。

オオワシの写真

出典画像:Wikipedia

日本で最大の猛禽類となるオオワシは堂々とした体格で、王者の風格が感じられます。

 

まとめ

今回は、鷹と鷲の違いとその強さについてご紹介しました。

鷹と鷲呼び方は異なりますが、共に「タカ目(タカ亜目タカ上科)タカ科」に属する同じ種類の仲間なのです。

違いは、その大きさと言うのは少々意外だったかも知れませんね。

しかも「1メートルより小さければ」などの明確な基準が無く、人間の主観がそのボーダーラインとなっているのです。

何とも不思議な種類分けとなるのですね。

しかし、空の生態系の頂点として優雅に大空を羽ばたく彼らには、自分が鷹であろうが鷲であろうがそんなことは関係無いのでしょう。

絶滅も危惧される鷹や鷲の仲間たち、いつまでもその優雅な飛行姿を私達に魅せ続けて欲しいものです。

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