ワニガメとカミツキガメの違いとは?どっちが強いの?

危険生物の最強対決

危険な外来生物となるカメ「ワニガメ」「カミツキガメ」この2つの違いを言える方ってどれくらいいらっしゃるのでしょうか?

中には、「え?違うの?」「地域によって呼び方が違うだけじゃないの?」なんて思われている方もいらっしゃるかも知れませんね。

実際には、近種ではあるものの明確に異なる種で大きさや形状など様々な違いがあるんです。

近年では、これらの交雑種「ハイブリッド」も登場するなど何やら騒ぎもあるようですね。

今回はこの「ワニガメ」と「カミツキガメ」について、生態などから「その違い」「どちらが強いのか?」に至るまで詳細にご紹介してまいります。



「ワニガメ」と「カミツキガメ」の基本データ

【ワニガメ】

ワニガメの写真

出典画像:Wikipedia

  • 分類   カメ目 カミツキガメ科 ワニガメ属 ワニガメ
  • 学名   Macrochelys temminckii
  • 和名   ワニガメ
  • 英名   Alligator snapping turtle
  • 分布   アメリカ
  • 生息   河川や湖など
  • 体長   最大甲長80センチメートル
  • 体重   113キログラム 程度(文献により諸説ある)
  • 指定   特定動物(その他の定着予防外来種)

【カミツキガメ】

カミツキガメの写真

出典画像:Wikipedia

  • 分類   カメ目 カミツキガメ科 カミツキガメ属 カミツキガメ
  • 学名   Chelydra serpentina
  • 和名   カミツキガメ
  • 英名   Snapping turtle
  • 分布   北米大陸、中米
  • 生息   様々な淡水域の水場(汽水域へも移動する)
  • 体長   最大甲長50センチメートル
  • 体重   10から35キログラム(こちらも様々な説がある)
  • 指定   特定外来生物

「ワニガメ」と「カミツキガメ」の基本データから見る違い

上のデータから見ますと、「ワニガメ」と「カミツキガメ」その分類は双方ともにカミツキガメ科のカメということは見て取れますね。

ワニガメは属としてはこの一種類になりますが、カミツキガメの方はさらに四種(内二種は別種とする説もあり)が存在します。

【カミツキガメ四種】

  • ホクベイカミツキガメ
  • ナンベイカミツキガメ
  • フロリダカミツキガメ
  • チュウベイカミツキガメ

この内「ナンベイカミツキガメ」「チュウベイカミツキガメ」の2種は独立種とする説もあります。

 

分布は共にアメリカですが、ワニガメはアメリカ合衆国に点在となりますが、カミツキガメの方は北アメリカ大陸に中米とかなりの広範囲に生息をすることなります。

さらには生息地を見ても分かるようにカミツキガメはあらゆる水域にも対応可能で環境適応能力がずば抜けて高くなります。

体格的には体長80センチメートル程度と圧倒的にワニガメの方が大きいのですが、それでもカミツキガメの50センチメートルという数値も一般的なカメから見れば大きな種となりますね、

指定も異なります。ワニガメは「特定動物(その他の定着予防外来種)」カミツキガメは「特定外来生物」適応力の高さからカミツキガメの方が日本における生態系崩壊の危険性が高いと考えられます。

「ワニガメ」と「カミツキガメ」の特徴と生態

それでは、次に「ワニガメ」と「カミツキガメ」それぞれの特徴と生態を見て参りましょう。

ワニガメの特徴と生態

ワニガメの最大の特徴は前述のような身体の大きさにくわえ、ネーミングからも想像がつくようにワニように大きな口を持つことにあります。

ワニガメの写真

出典画像:Wikipedia

この大きな口は先端が鋭利に尖り、最大500キロとも言われる噛む力を考えると非常に強力な武器になります。

他のカメなどは簡単に噛み砕いてしまいますし人間が噛まれたら指などは簡単に食いちぎられてしまいますので非常に危険です。

日本でのワニガメ目撃情報でも、「他のカメを噛み砕いていた」「鳥を捕食していた」など強烈なシーンの報告があるようです。

非常に頑丈な甲羅にはギザギザとした刺のように見える突起が並び怖くて格好良いと表現する人もいるようです。何といってもあの怪獣ガメラのモデルになったカメですので、マニアがいるのも頷けますね。

ワニガメの生態としては、一生のほとんどを水中で過ごし陸へ上がることは滅多にありません。暮らすのは、水の流れが緩やかな水域で、底には泥などが溜まり石や岩、草や流木などごちゃごちゃとした隠れやすい場所を好みます。

食性は雑食性ですが、動物食が主流になるようです。狩りの仕方が独特で、口内にあるピンク色の舌を疑似餌として使い魚などをおびき寄せ捕食します。魚のアンコウの種などもこの手法を使いますね。

現地では天敵となるのはワニになります、寿命は最大で70年と長生きなのですが性成熟に10年以上要すること産卵頻度も少なく(一説には3年に1度)繁殖力が高くありません。

生息地アメリカでは生息数が少ないと問題になりワシントン条約付属書で保護対象になっています。

日本では「特定動物(その他の定着予防外来種)」指定という何とも皮肉な結果ではありますね。


カミツキガメの特徴と生態

カミツキガメの特徴も大きさにあります。ワニガメよりは小さいですが甲羅の大きさは最大で50センチとカメの中では大きい部類に入りますね。

その甲羅には縦3本の盛り上がり(キール)があり後ろがギザギザした形状で腹部分の甲羅は小さめになります。また頭と長く鋭利な爪を持つ手足は大きくいかついイメージがありますね。

カミツキガメの写真

出典画像:Wikipedia

口の先端はワニガメに比べるとやや尖っているという感じになりますが、噛みつかれた時の痛さは尋常ではないと思いますよ。

また、尻尾が長く頭も長く伸ばせるのも特徴的でこの状態に成れば100センチメートル程度にもなるものも存在します。

カミツキガメの生態もワニガメ同様にほとんどを水の中で過ごしますし、生息環境も水の流れが緩やかで底には泥隠れやすい場所を好むようです。

食性は雑食性でカエルやヘビ、魚などの生物から植物まで何でも食します。

環境適応能力は非常に高く、気温の変化にも強いようで日本では北海道や東北などの寒冷地を除き存在が確認されるようです。

また繁殖力も非常に強く、夏が最も旺盛ですが冬以外何時でも繁殖可能なようです。さらに産卵も一度に30個程度と非常に多くの卵を産みます。

カミツキガメの写真

出典画像:Wikipedia

この繁殖力にくわえ寿命も最大で80年程度と考えられ、天敵となるワニや大型のヘビなどの存在がない日本では一度住み着いてしまうと取り返しは付かないかも知れませんね。

「ワニガメ」と「カミツキガメ」特徴と生態から見る違い

「ワニガメ」と「カミツキガメ」ともにカミツキガメ科の仲間なので、食性や好む生息地など共通点も多いようですね。

「見た目の違い」は後述しますが、大きく異なるのはやはり環境適応能力と繁殖力があげられます。

ワニガメはアメリカでは保護対象として危惧される存在でその生息数が減少傾向にありますが、一方でカミツキガメは生息数の増加と生息域の拡大が見られるようですね。

勿論これは、環境適応能力の差になりますが、ワニガメは環境破壊などの変化があると耐えられずに姿を消してしまいますがカミツキガメはそれに合わせて適応し、また新しく違う環境でもそこに合わせて適応が出来るのです。

これには繁殖力の違いも結果として現れているようですね。

また狩りにもその違いが現れます。

ワニガメは疑似餌を使う待ち伏せタイプですが、カミツキガメは自ら進んでどんどんと目の前にあるものは捕食していく攻撃型タイプです。

噛む力においては、ワニガメの方が強いのでワニガメは一撃必殺でカミツキガメは多重攻撃なのかも知れません。

これはそのまま性格にも現れているようで、ワニガメは大きいものには能動的に攻撃は仕掛けませんが、カミツキガメは大きさなど関係なしに攻撃を仕掛けていくようです。

見た目の違い

冒頭でこの2種は同じものと勘違いする人もいるかも知れないとお伝えしましたが、実際に2種を並べてみるとその見た目の違いが大きいことに驚かれると思います。

まず、双方ともにカメの部類では大型に入りますが、並べると一目瞭然ワニガメの方が圧倒的に大きく存在感があります。

ワニガメの写真

出典画像:Wikipedia

部分的に見ても頭の大きさも全く異なります。これと比例して口の大きさもかなり違いが見えてきますね。

甲羅においては、ワニガメには刺のような突起がありますが、カミツキガメの方にはワニガメと比べると突起はなく滑らかな甲羅に見えます。

カミツキガメの写真

出典画像:Wikipedia

また尻尾の形状にもかなりの違いが見て取れます。ワニガメの尻尾は根元が太く先端に域に従って細くなっていきますが、カミツキガメの尻尾は全体的に太い感じがします。

これらかもお分かりいただけると思いますが、見た目としてはかなり異なる部分が多いですね。


「ワニガメ」と「カミツキガメ」どちらが強いのか?

それでは、この「ワニガメ」と「カミツキガメ」が戦ったら実際にはどちらが強いのでしょうか?

性格的にはカミツキガメの方がアグレッシブで好戦的とされていますが、体格から来る戦闘能力では圧倒的にワニガメに分があります

噛む力も圧倒的にワニガメが強く、他のカメの甲羅を粉砕したり人間であれば指などは食いちぎられてしまいます。一方のカミツキガメには一撃でそこまでの攻撃力は有していません。

しかし、何を持って強さと言うのかによりこの結果は異なるかも知れません。

実施的なパワーや攻撃力であれば前述のようにワニガメが圧倒的に強いのですが、実際に個体数を減らしているワニガメと増やして生息域も広げつつあるカミツキガメ

ダーウィンが言うように「生き残る生物は強いものではなく適応能力が優れているもの」とするならば、カミツキガメの生命力の強さは目を見張るものがありますよね。

交雑種「ハイブリッド」の存在

これまで「ワニガメ」と「カミツキガメ」の交雑種の存在はあり得ないとされて来ました。それは分布域の重なりがほんの一部でしかないことが大きな理由なのですが、実際には「ワニガメ」と「カミツキガメ」の交雑種(ハイブリッド)の存在が確認されています。

これは自然交雑なのか、人的交雑(キメラ)なのかは定かではないのですが確実に存在していたのです。

交雑種は「ワニガメ」と「カミツキガメ」どちらに近いのか?

この交雑種に関しては、なかなか生で実物を見ることは難しくインターネットに上がっている写真でしか判断が出来なかったのですが、ワニガメ生態研究機関がこれに対しての検証結果を伝えております。

ざっくりと説明しますとまだ研究調査途中であるという注釈の下、日本での扱いの場合には「カミツキガメ」と同等の扱いになるとのこと。

ワニガメ最大の特徴の疑似餌となる舌と甲羅の突起が無いこと皮膚の模様もカミツキガメに近いことが分かっています。

ワニガメに近いのは頭部と顎、そして骨格部分になることも分かっています。

その他は、やはりミックスという感じが強いようで、外見だけみるとそれぞれの「いいとこどり」と感じられるようですね。

実際に生で見ると形状的には「カミツキガメ」に近いというのが印象の様です。

今後の研究で寿命や性格、狩りの方法など詳細も発表されていくと思いますので、それを期待して待ちましょう。

まとめ

今回「ワニガメ」と「カミツキガメ」についてそれぞれの詳細や違いなどについて説明をして参りました。

勿論同じ仲間の種ではありますが、実際にはかなり異なる部分があることに驚いてしまいました。

ワニガメに関しては現地では個体数の減少も危惧されているのですね。

日本で見聞きするものは、危険な迷惑外来生物としてのニュースばかりでしたので少し印象が変わって来たかも知れません。

日本における繁殖も迷惑として報道されていますが、実際には人間の仕業なんですよね。興味を持って飼育をしたが、飼いきれなくなって離した結果が今なんですよね。

「ワニガメ」も「カミツキガメ」も決して自分の意思で来たわけではないんです。そう考えると少し気の毒でもありますね。

今注目のハイブリッドが自然交雑のハイブリッドであれば良いのですが、仮に人的交雑のキメラだとしたら…。

どうか違うことを望みます。

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