人食いワニの種類一覧と特徴!世界最大はイリエワニ「ロロン」

危険な爬虫類

水辺でもっとも気をつけなければいけない危険生物のひとつが、イリエワニやナイルワニなどの大型な爬虫類です。

ワニの仲間は、世界中の熱帯から亜熱帯に分布します。

水中でのくらしに都合のよい体をもち、泳ぎが得意ですが、陸上でもかなり速く歩くことができます。

今回の記事では、ヒトを過去におそったことのある人食いワニの種類一覧とワニの特徴、世界最大のワニについて解説します。

人食いワニの知識を身につけ、危険生物から身を守りましょう!


人食いワニの種類一覧と特徴

ワニは、ライオンなどの哺乳類のように、獲物をこまかくくだいて食べることができません。

そのため、シマウマやヌーなどの大きな獲物の場合、かみついたまま体を回転させる「デスロール」という技で、丸のみできる大きさにちぎってから食べるのです。

ワニは、体内の酸素をむだなく使うことができる特殊な心臓をもっていて、長い時には2時間も潜ることができると言われています。

水中にもぐって身をひそめ、水面から鼻と目だけを出して獲物の様子をうかがいます。

水中で待ち伏せて、水を飲みにきた獲物にゆっくり近づき、一気におそいかかりますので注意が必要です。

それでは、危険な人食いワニの種類一覧とそれぞれの特徴をご紹介していきます。

イリエワニ

出典画像:Wikipedia

  • 科名:クロコダイル科
  • 全長:5〜7m
  • 分布:インドの東海岸からオーストラリア北岸まで
  • 環境:川や湖、汽水域や沿岸の海水域
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

イリエワニは、最も大型になるワニで、体重は1トンにもなります。ヒトをおそう、非常に攻撃的なワニで、なわばり内に侵入してきたカヌーなどをおそうこともあります。

イリエワニは特に泳ぎが得意です。マングローブがしげる河口や海岸に生息しており、海流に乗って長距離を移動することもあります。

そのため、イリエワニは、インドからオーストラリアまで幅広く見られます。

海の沖合まで出て行く場合もあり、シュノーケリングをしていたヒトがおそわれた事故もあります。

海流に乗って遠くへ移動することがあり、かつて日本に漂着したこともあるとのことです。

気性があらく、人間をおそうことがあります。

2014年には、釣りをしていた男性が、川底に引っかかった釣り針を外そうとして川に入ったとたん、全長4.5メートルもあるイリエワニに引きずりこまれてしまったという事故もおきました。

毎年多くのヒトが、水浴びや釣りをしているときにおそわれている、世界最大の人食いワニです。

捕獲された世界最大のワニはイリエワニ

2011年、フィリピンで1頭のイリエワニが捕獲されました。

「ロロン」と名付けられたこのワニは、二人の人間をおそったと見られる人食いワニで、体調は6.17メートルもありました。

捕獲されたワニの中では最大としてギネス世界記録に認定されましたが、2013年に原因不明の病気で死亡しました。

ナイルワニ

出典画像:Wikipedia

  • 科名:クロコダイル科
  • 全長:4〜5.5m
  • 分布:砂漠以外のアフリカほぼ全域とマダガスカル
  • 環境:大きな川や湖・河口などの汽水域
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

ナイルワニは、アフリカで最も危険な動物の1つです。水中からすばやい動作でおそってきます。小型の個体でも攻撃力は高いので、注意が必要です。

体が大きいわりに動きがすばやく、気性も非常にあらいワニです。

ナイルワニの大きくするどい歯は、獲物をしっかりくわえて引きさくのに適しています。狩りの時に歯が折れても、すぐに新しい歯が生えてきます。

ナイルワニに気づかず、毎年多くのヒトがおそわれて亡くなる事故が起きています。特に夜間に水際に近づくのは非常に危険です。


オリノコワニ

出典画像:ベネズエラ大使館

  • 科名:クロコダイル科
  • 全長:5m
  • 分布:南アメリカのオリノコ川
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

南アメリカのオリノコ川にくらすワニです。

アメリカ大陸にくらすワニでは最大です。

この大きさ故、地元住民から恐れられています。身の危険を感じたときにヒトをおそうことがあります。

基本的には静かな動物:カピバラ、シカ、水鳥などを捕食します。

19世紀~20世紀にかけて、ワニ皮目当てに乱獲されたため、生息数が少なく絶滅が心配されています。

アメリカワニ

出典画像:Wikipedia

  • 科名:クロコダイル科
  • 全長:5〜6m
  • 分布:フロリダ半島南部〜中央アメリカ、南アメリカ北部、カリブ海の島じま
  • 環境:川や池、河口などの汽水域
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

アメリカワニが、釣りや水浴びをしていたヒトをおそう事故が起きています。しかし現在では、ヒトをおそうような大型の個体は少なくなっています。

主に、魚類や爬虫類、小型の哺乳類、家畜を捕食します。

アメリカワニ(クロコダイル科)の特徴は、アメリカアリゲーター(アリゲーター科)にくらべて頭の口吻(こうふん)の部分がせまいです。

ワニ皮目当てや害獣として駆除されたため個体数が減っており、生息地では保護対象になっていることもあります。

アメリカアリゲーター(ミシシッピワニ)

出典画像:Wikipedia

  • 科名:アリゲーター科
  • 全長:4〜6m
  • 分布:アメリカ合衆国南東部
  • 環境:川や池、汽水の沼など
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

巨体のため、陸上での動きは鈍いですが、泳ぐことが得意なため水中では素早く行動します。

主に、魚類や爬虫類、小型の哺乳類を捕食します。大型の個体では、シカやイノシシ、クマ、ピューマをおそった例も報告されています。

アメリカアリゲーターは、一時期絶滅が心配されていましたが、現在は保護により個体数を増やし、絶滅の危機を脱した数少ない例です。一方で、ワニの生息域が住宅地まで広がり、ヒトがワニと出会う機会が増えています。

攻撃性は高くないですが、ヒトがおそわれる事故が毎年数件おこっています。

とくに子連れのメスは通常よりも気性が荒くなっているので、注意が必要です。

子供は孵化してから1年~最長2年ほど、親の近くで群れをつくって生活します。


ジョンストンワニ(オーストラリアワニ)

出典画像:Wikipedia

  • 科名:クロコダイル科
  • 全長:2.5〜3m
  • 分布:オーストラリア北岸
  • 環境:川や湿地など
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

ワニとしては小型ですが俊敏性があり、岩や倒木をさけながらギャロップで走り、最高時速は60㎞といわれています。

攻撃性はイリエワニやナイルワニなどと比べると低いですが、泳いでいるヒトが噛み付かれた例があります。

ちなみにまだ、ジョンストンワニにおそわれてヒトが死亡した例はありません。

クロカイマン

出典画像:Wikipedia

  • 科名:アリゲーター科
  • 全長:3〜5m
  • 分布:南アメリカ
  • 環境:はんらん原のよどみ、浅い川や池
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

クロカイマンはカイマンと呼ばれるワニの仲間の中で最も大きくなります。

カイマンの中で唯一、ヒトを殺せるだけのパワーがあるとされています。

ヒトがおそわれた記録は少ないが、大人のクロカイマンは攻撃的なので、注意が必要です。

ヌマワニ

出典画像:Wikipedia

  • 科名:クロコダイル科
  • 全長:3〜4.2m
  • 分布:インドなど南アジア
  • 環境:川や湖、人工的な貯水池
  • 危険な部位:大きくするどい歯、あごの力
  • 危険度:

ヌマワニはイランで最大級の爬虫類です。名前の通り、沼に好んで生息しています。

ヌマワニの特徴は、頭から鼻先にかけての幅が広く、アリゲーターの仲間にやや似ています。

また、胃酸が非常に強く、硬い物でも容易に消化できるようです。

複数の個体が一緒にいることがよくあります。

ヒョウやニシキヘビをおそうこともありますが、ヒトをおそうことはあまりありません。

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