南国の海でダイビングや海底散歩をしていると綺麗なサンゴや砂、色とりどりの魚たちが迎えてくれます。
そんな楽しい海のレジャーの際にはオニダルマオコゼに注意が必要です。
オニダルマオコゼは猛毒の毒棘を持ち、またその毒棘は気絶するほどの痛みを伴うのです。
今回はそんなオニダルマオコゼの生息域や生態、その危険性をご紹介していきます。
目次
オニダルマオコゼの基本情報
出典画像:Wikipedia
- 学名:Synanceia verrucosa
- 分類:カサゴ目フサカサゴ科(又はオニオコゼ科)
- 生息域:インド洋〜太平洋の熱帯海域
- 体長:40cm
オニダルマオコゼの生態・特徴
オニダルマオコゼは比較的暖かい熱帯地域の海に生息し、サンゴ礁や岩場のくぼみなどに身を潜めています。
日本の近海では小笠原諸島や沖縄、そして奄美大島周辺の海で見ることができます。
オニダルマオコゼは非常に生命力が強い魚で、また普段から最小限の動きしかしないので、低酸素状態であっても生きていることができます。また水から上げても24時間は生きていられるとも言われています。
オニダルマオコゼは擬態の名人で、別名「ストーンフィッシュ」と呼ばれています。
その名の通り体色が砂地やサンゴ礁周辺の岩肌に酷似した色をしており、さらに体全体がゴツゴツとしていて、これまた岩肌のような質感をしています。
周りの岩肌やサンゴ礁とはわずかな色の違いしかないので、サンゴ礁や岩礁帯で見つけるのはベテランダイバーでも至難の技です。
餌は主に小魚や甲殻類で、浮き袋がないので岩の間でジッと獲物が来るのを待って、ここぞというタイミングで襲いかかって捕食します。
この擬態で危険なのが、サンゴ礁のどこにオニダルマオコゼがいるのかがわかりにくく、そして何より危険なのが、背びれに猛毒を持っているため、岩を掴んだつもりがオニダルマオコゼで、思わず毒の被害を受けてしまうこともあり得ます。
オニダルマオコゼの毒性
擬態の名手・オニダルマオコゼは岩礁に擬態しながら体には猛毒を隠し持っています。
オニダルマオコゼが持っている毒は「ストナストキシン」という毒で、ハブの毒の30倍とも言われています。
この毒に犯されると関節痛や呼吸困難、心肺機能不全や血圧低下を引き起こします。
また後遺症として残ることもあります。
毒自体は背びれ・腹びれ・尾びれの棘の中にあり、圧力を感じると棘を出して突き刺します。
棘はビーチサンダルぐらいは貫通するので、砂地に隠れていたオニダルマオコゼを誤って踏んでしまい毒の被害にあう人が多いです。
しかし、医学的に言えばオニダルマオコゼの本当の恐ろしさは、棘に刺された時の猛烈な痛みです。
オニダルマオコゼの棘に刺されると猛烈な痛みが走り、あまりの痛みの強さに気絶、もしくは発狂すると人が多いのです。
2010年には沖縄県名護市でオニダルマオコゼを誤って踏んでしまったダイビングインストラクターがあまりの痛みに意識を失い、そのまま息を引き取るといった事故が起きています。
この毒棘はビーチサンダルだけでなく、ゴム靴や運動靴程度も貫通してしまうので、ダイビングの際は手元だけでなく足元にも注意が必要です。
オニダルマオコゼは食べると美味!?料理や釣り方は?
擬態の名人であり、猛烈な痛みと猛毒を伴う毒棘を持つオニダルマオコゼですが、魚といったら気になるのはその「味」ですね。
食べるためにはあまりにハードルが高いようですが、実際に食べてみるとどうなのか。
その味や料理方法、そして入手する時の値段や釣り方をご紹介していきます。
オニダルマオコゼを食べる時の調理法と注意点
オニダルマオコゼは毒棘がこわいので、基本的にはプロに任せる方が良いでしょう。
もし自分で裁く場合には、生きている状態だと暴れてヒレの毒棘が刺さってしまう危険性があるので、必ずシメた後にしましょう。
シメた後、頭を落として、背びれを引き剥がすためにヒレの両サイドに切り込みを入れて背びれを引き抜きましょう。
もしくは毒棘の先端をニッパーなどで切断しておくのも手です。ただし、その後で必ず背びれやその他のヒレは取り除いておきましょう。
続いて皮を剥がします。オニダルマオコゼには鱗がなく、硬い皮で覆われています。
皮は硬いので、切り込みを入れたらそのまま全身の皮をズルズルと引き剥がすことができます。
ちなみに皮も食べることはできますが、若干の苦味と海藻類などが付着しているので、あまりお勧めできません。
ここまでくればただの白身魚なので、アラは出汁に、身は刺身や鍋に最適です。
オニダルマオコゼの値段
オニダルマオコゼは海で釣ることもできますが、市場に出回った場合、値段はピンキリですが7000~25,000円ほどです。
なので、高級魚ということができます。
オニダルマオコゼの釣り方
オニダルマオコゼの釣りシーズンは12月~2月の冬です。
釣り方としては海岸近くの岸壁での投げ釣りやチョイ投げ釣りです。
オニダルマオコゼは待ち伏せ型の狩をするので、ワームと重りをつけて海底付近で動かして釣ります。
オニダルマオコゼのまとめ
オニダルマオコゼは暖かい海のサンゴ礁や岩礁、砂地に隠れています。
一見して見つけることは難しく、毒棘も持っているので、ダイビングや海で遊ぶ場合は足元に注意しましょう。
南国に行く際は足元にご用心ください。