野生動物の宝庫アフリカサバンナ。
愛らしい草食動物から恐ろしい肉食動物まで、そこには様々な種類の野生動物が生息しています。
その中でも、恐ろしい動物と言えばやはりライオンが筆頭としてあげられるでしょう。
しかし、実際に現地の人間から最も恐れられているのは、肉食獣のライオンではなく草食動物に分類されるカバなのです。
なんと1年で人間が襲われ死亡する事故が多いのが、このカバによるものなのだとか。
このカバを動物界最強とする説も根強くあるのも事実ですね。
では、このライオンとカバが実際に戦ったらどちらが強いのでしょうか。
今回は、この戦いをシミュレーションしてみたいと思います。
題して「ライオンvsカバ!どっちが強い!?」です。
さてさて軍配はどちらに上がるのでしょうか。
ライオン
「ライオンの基本データ」
- 分 類 食肉目 ネコ科 ヒョウ属
- 学 名 Panthera leo
- 和 名 ライオン
- 英 名 Lion
- 体 長 170~250センチメートル程度(雄)
- 体 重 150~225キログラム程度(雄)
- 分布域 サハラ砂漠以南のアフリカ大陸
ライオンについて
言わずと知れた百獣の王ライオン。
アフリカサバンナでは最大にして最強の肉食獣として、その生態系の頂点に君臨しています。
インドにも一回り小柄なインドライオンが生息しますが、今回はカバとの戦いなのでアフリカのライオンでご紹介します。
ライオンは、ネコ科動物としては珍しくプライドと呼ばれる群れを形成し生活しています。
狩りも、このプライドで行われ大型の哺乳類を主にその対象としています。
その多くは喉元に鋭い牙を食い込ませて窒息死をさせる方法です。
社会性があることからも、他のネコ科動物に比べ賢く狩りも学びながら効率的に行います。
ライオンの武器となるのは、高い身体能力と鋭い爪、8センチメートル程度にもなる大きな牙そして500キロとも言われる咬む力です。
大型哺乳類を引き倒すパワーに走る速度は時速60キロ程度の俊敏性と、肉食獣として必要なものすべてを兼ね備えていますね。
比較的少ないのですが、それでもライオンにより人間が襲われるという事故は起こっています。
人喰いライオン
ライオンが人間を襲った事故で特に有名なものが「ツァボの人食いライオン」です。
ライオンにおいては、普段は私達人間を獲物として認識はしておりません。
一般的に人間がライオンに襲われる事故は偶発的に起こってしまうことがほとんどなのですが、この「ツァボの人食いライオン」はそうではありませんでした。
明らかに人間を獲物として狩っていたのです。
ツァボ川に橋を架ける工事をしている間の9か月間に、28人の工夫が2匹のライオンによって捕食されてしまったのです。
同様の事故は、実はムフエのルアングワ渓谷でも起きていて、この時は6人が犠牲になっています。
このことからも、やはりライオンは獰猛な肉食獣で、私達人間にとっても危険な動物であることは間違いありません。
カバ
「カバの基本データ」
- 分 類 偶蹄目(鯨偶蹄目説もあり)カバ科 カバ属
- 学 名 Hippopotamus amphibius
- 和 名 カバ
- 英 名 Hippopotamus
- 体 長 350~400センチメートル程度(雄)
- 体 重 1.5トン程度(雄)
- 分布域 サハラ砂漠以南のアフリカ大陸
カバについて
カバは、体長4メートル体重1.5トンと陸上動物としてはゾウに次ぐ大きさをサイと争う程の巨体の持ち主です。
キャラクターなどにもなり優しいのんびり屋さんのイメージが強いカバですが、実は非常に気性が荒いのです。
縄張り意識も非常に強いので、テリトリー内への侵入者には必要に攻撃を仕掛けてきます。
この巨体、それだけでも危険な武器となりますね。
しかし、カバの強さは、それだけではないのです。
この巨体をもってしても時速40キロのスピードで走ることが出来るので、陸に上がれば大丈夫ということはありません。
人間の足では逃げ切ることは到底できませんね。
パワーにスピードを兼ね備えた、水陸両用の万能選手(動物)なのです。
捕まってしまえば最後、強力な顎には50センチメートル以上にもなる太く大きな牙があり、咬みつかれたら一巻の終わりです。
この一咬みでたいていの相手は、致命傷を負ってしまうでしょう。
カバの狂暴性
野生のカバは非常に獰猛です。
縄張りへの侵入者は、ワニやライオンに人、そして仲間であるカバにも容赦なく攻撃を仕掛けていきます。
カバ同士でもこれにより壮絶な殺し合いへと発展することもあるのです。
ワニがカバに咬みつかれ、真っ二つにされてしまった映像は、世界中に衝撃を与えました。
また、前述のように、サバンナにおいて動物に襲われ人間が命を落とす事故が一番多いのが、このカバによるものです。
これは、ついカバのテリトリー内に踏み入ってしまったことで起こるようで、年間の犠牲者は500人ともされているのです。
そう考えますと、カバはライオン以上に獰猛で危険な動物なのかも知れません。
「ライオンvsカバ」勝つのはどっちだ。
このように、非常に危険な動物であるライオンとカバです。
では、この両者が実際に戦うとなると一体どちらが強いのでしょうか。
「ライオンvsカバ」1対1の場合
まずは、ライオンとカバの雄の成獣が1対1で戦った場合を考えてみましょう。
この場合には、結果がはっきりしています。
両者の間にある体格差は、埋めることが出来ません。
水中であろうが水辺であろうが陸上であろうが関係ありません。どのようなシチュエーションで戦ってもカバがライオンを圧倒してしまいます。
必要にライオンが攻撃を仕掛けますが、分厚い皮膚に覆われたカバには致命的な決定打を与えることは出来ません。
そうこうしている間に、押しつぶされて一咬みされれば、ライオンにはもう争う気力は残っていないでしょう。
「ライオンvsカバ」ライオンが群れの場合
1対1では、ライオンはカバに敵いませんでした。
では、本領発揮となるライオンが群れで1頭のカバに襲い掛かったらどうなるでしょうか。
実は、この光景が現地ではしばしば目撃されています。
こうなると、カバの有利は揺らいでしまいます。
少し小さいカバですが、2頭の雄ライオンが倒してしまった報告がありますね。
実際に、カバを専門に狙うライオンのプライドがあり、カバがライオンの獲物となっているのです。
ただし、この場合には子供のカバや弱ったカバを主に襲うようです。
ライオンは非常に賢いので、狩りをしながらより効率よく狩る方法を学んでいきます。カバを専門に襲うプライドでは、カバの倒し方を熟知しているのでしょう。
勿論、それでもライオンが返り討ちにあってしまうケースもあります。
陸上の戦いで、1頭のカバに対して5頭程の雄ライオンで襲うような場合には、ライオンが有利となるようです。
必要なライオンの攻撃をかわし続けるカバですが、時間と共に傷を負い追い詰められていってしまいます。
そして、とうとう最後には力尽き倒されてしまうでしょう。
まとめ
今回、「ライオンvsカバ」を考えてみました。
ゾウに次ぐ大きさをサイと争うカバです。
非常に大きくさらに獰猛な性格であるため、肉食獣ライオンでもそう簡単に近付くことが出来ません。
1対1であれば、どのような状況でもライオンの勝機はまず無いようですが、複数の雄ライオンが集まればライオンがカバを倒すことも可能なのです。
動物園で見る彼らは争いなど皆無で愛おしくも感じますが、本当はどちらも非常に強く狂暴なのです。
そう考えると野生では絶対に遭遇したくないものですね。