皆さんはゴリラに対してどのようなイメージを持っているでしょうか。強化ガラスにヒビを入れるほど力が強い、マンハッタンで大暴れするキングコングのイメージが先行して「凶暴」という印象はありませんか?確かにゴリラは怒らせる怖いですが、それだけでなく温厚な一面も持っています。
今回はゴリラの生態や学名、生息地、そしてゴリラの持つ「優しさ」やそれにまつわるエピソードをご紹介していきます。
目次
ゴリラの学名/生息地/生態
出典画像:Wikipedia
- 学名:Gorilla
- 分類:霊長目ヒト科ゴリラ属
- 分布:アフリカ大陸中央部〜西岸
- 体長/体重:170cm~180cm/150kg~180kg
ゴリラは多湿林に生息し、主に群をなして行動しています。また、樹上生活を営むチンパンジーに対して、ゴリラは木に登ることはあまりなく、地上で生活をしています。
群は単数またはごく少数のオスと複数のメスから構成されており、一つの群れに複数の雌雄のペアがいることはごく稀です。
移動する際は前腕をつきながら歩く「ナックルウォーク」を行います。
ドラミングは威嚇ではない!?
また、ゴリラといえば「ドラミング」をイメージする人が多いでしょう。そしてドラミング=威嚇と考えている人が大半だと思います。実はこのドラミングは「威嚇」というよりも多彩な役割がありました。
ドラミングはそもそもグーではなくパーで行われ、ポコポコという音がします。そして、このドラミングは争いに際して「引き分け」を提案するときに行うと言われています。また、ドラミングをすることで高まった自分を落ち着かせる効果がある、自分の居場所を知らせるためのSOS信号の役割もあると言われています。
このようにドラミングが「威嚇・威圧」しているというイメージは、キングコングがドンドンと胸を打ち鳴らしているイメージのせいだと考えられます。
ゴリラの食べ物
食性は植物性が中心で、果実や木の葉、昆虫を食べます。基本的には果実を多く食べますが、果実が取れなくなる時期や環境だと、アリなどの昆虫類を主として食べるようになります。また、自らの糞を食べることで腸内環境を整えているとも言われています。
ゴリラの握力はギネス級!?
ゴリラのよく知られている特徴として、「強力な握力」が挙げられます。その平均的な握力はオスで400kg~500kgと言われています。人間の世界記録が192kgなので、圧倒的です。主にこの握力や筋力は群れのメスを守る際に発揮しており、繁殖期の気が立っている時期を抜かせば、この握力が他の種族に向けられることはないでしょう。
ゴリラの優しい?凶暴?
強力な握力を持ち、体格も大きいゴリラですが、そんなゴリラは凶暴なのか、それとも温厚なのかは気になるところです。動物園の強化ガラスに殴りかかりヒビを入れた動画があったり、一方ではゴリラは食事の時に鼻歌を歌ったり、手話をしたりと感受性豊かな一面があったり、まるで別種の生物のようなエピソードがあるのです。この章では、ゴリラが温厚なのかどうなのかについて紹介していきたいと思います。
ゴリラが優しいは嘘?
映画でゴリラと心通わせて仲良くなったり、一方でキングコングのように暴れまわったり、同じ生物なのにどうしてここまで描かれ方が変わるのか。それはゴリラは両方の面を併せ持つからなのです。確かに、ゴリラは基本的には温厚です。感受性が強く、また捨て猫を我が子のように世話する姿もテレビで見たことがある人はいるのではないでしょうか。しかし、前述のように、温厚なゴリラも繁殖期や群れのメスが襲われた時には「守る」という目的でその力を発揮します。なので、「温厚ではあるけども怒らせると怖い」という味方が正しいでしょう。
優しいエピソード
ゴリラが優しいと言われている理由として、そう思われるエピソードが数多くあるからなのです。その代表格が「ココ」にまつわるエピソードです。ココは手話ができるゴリラとして注目され、約2000語を理解しているとも言われています。そんなココが44歳の誕生日に二匹の子猫を与えられました。ココはその子猫を大事そうに抱え、手話で「ネコ」「赤ちゃん」と飼育員に伝えたそうです。
ゴリラは知能の高い
ココのこういった行動や、他にもあるゴリラの優しいさに関するエピソードは、単に「優しい」の一言では片付けることはできません。それは、どの行動も「高い知能」なくては成立しないからなのです。手話を理解したり、子猫と理解し、抱きかかえる時の力加減、飼育員と自分との関係性を理解していたり、敵対しているかいないかを判断するのにも、知能は必要です。ゴリラは感受性が強いと言われますが、これは正確には好奇心が強いと言うべきだという意見もあります。
ゴリラは優しいけど怒ると怖い
いかがでしたでしょうか。ゴリラは基本的には温厚で、オスの場合は頼れるリーダーとして群を温かく包み込んでいます。ですが、温厚な人にも堪忍袋の緒があるように、ゴリラも繁殖期で気が立っていたり、群が襲われたり、自分自身が襲われたりすれば、攻撃をしてしまうのです。「優しい」と一つのイメージを持つのではなく、「怒ると怖い」という面も認識しながら接するべきではなのかもしれませんね。