霊長類の中でも体格の大きい2種類、ゴリラとオランウータン。
この2種類の霊長類はどちらが強いのでしょうか。
両者は生息地が全く違うので、実際に遭遇することはないのですが、両者に関する情報から考察していこうと思います。
ゴリラとオランウータン、どちらが霊長類最強なのでしょうか。
ゴリラの生態
出典画像:Wikipedia
- 学名:Gorilla
- 分類:霊長目ヒト科ゴリラ属
- 分布:アフリカ大陸中央部〜西岸
- 体長:170cm~180cm/
- 体重:150kg~180kg
ゴリラの中で最強種は?
ゴリラを代表するほど強い種類は何かというと、それはマウンテンゴリラでしょう。
ゴリラには大きくニシゴリラとヒガシゴリラの2種類に分けることができます。
この2種類はアフリカ大陸中部の東西両端地域にそれぞれ生息しており、東側にヒガシゴリラ、西側にニシゴリラが分布しています。
この両種を比べるとヒガシゴリラの方がニシゴリラよりも一回り大きいです。
特にその中に含まれるマウンテンゴリラは霊長類の中でも最大の大きさで、体長180cmで体重は250kgにも達します。
マウンテンゴリラは少数のオスとそれよりも多いメスとその子供によって構成される群を作り生活しています。
そして、その群のオスのなかでも最も強く体格も大きい通称「シルバーバック」と呼ばれる群のボスのマウンテンゴリラは一番強く、群を守るために肉食獣や密猟者を襲うことがあります。
マウンテンゴリラの強さを端的に表す指標としては筋力が挙げられます。
マウンテンゴリラは指二本で100kgを超える体重を支えて木にぶら下がることができるほどの握力があります。
一説には握力は800kgを超え、背筋は1tを超えるとも言われています。
ここまで筋肉隆々のマウンテンゴリラですが、性格は非常におとなしいのです。
基本的には争いを好まず、それを象徴するのがドラミングです。
一般的にドラミングは「威嚇」と思われることが多いのですが、威嚇以外にも実際のところは「SOS」信号の場合が多いのです。
自分が「怖い」と思った時に仲間や群のリーダーのシルバーバックに助けを求めるためにドラミングを行います。
またこれも意外な機能ですが、それは「和睦」です。
ゴリラは多少のいさかいが起こっても、相手を殺すまではせず、ドラミングで「ここまでにしよう!」と停戦や和睦を申し出ることがあるのです。
ところが、マウンテンゴリラの中でもシルバーバックは群を守る義務があるので、比較的攻撃的になりやすく、群を守るためならとことん戦います。
時には群の子供を狙うヒョウなどの猛獣を相手に戦い、その強靭な握力と腕力でヒョウを引きちぎることがあるそうです。
また、動物園でも強化ガラスに亀裂をいれたり、おとなしい反面怒らせると猛烈に怖いのがゴリラであり、中でも最も強いのがマウンテンゴリラなのです。
オランウータンの生態
出典画像:Wikipedia
- 学名:Pongo
- 分類:霊長目ヒト科オランウータン属
- 分布:東南アジア、インドネシア
- 体長:平均97cm
- 体重:60~90kg
オランウータンの中で最強種は?
オランウータンは主に樹上で生活しており、それゆえに「森の人」と呼ばれ、そこから「オランウータン」という名前になりました。
オランウータンは生物史的に言えば、人間とはゴリラよりも遠い種族になります。
人間であるホモ=サピエンスとは1400万年前で分岐しており、ゴリラが前足を付きながら歩くナックルウォークをするのに対して、完全4足歩行をします。
それは骨格的にゴリラよりも股関節周辺の関節が自由に動くためです。
運動能力についての違いで言えば、オランウータンは類人猿で2番目に強い握力の持ち主です。
オランウータンの平均的な握力は200~400kg程度と言われていますが、群を率いるボスのオランウータンなど中には500kgを超える握力を持つオランウータンもいます。
ではもっとも強いオランウータンは何かというと、やはり最も大きい種類になります。
それはボルネオオランウータンです。
この種は体長120~140cm、体重は50~100kgほどになります。
なので、他のオランウータンに比べると若干大きいというレベルです。
また、同種の中でも強さという点では群の中のボスが一番強いです。
そのボスの目印になるのが「フランジ」と呼ばれる、顔の横にあるヒダの大きさです。
このフランジが大きければ大きいほど大きく強いオスであると言えます。
このフランジは、もともとフランジが大きくボスだったオランウータンが死ぬと、その群の中のオスの一頭のフランジが大きく肥大していきます。
このフランジが大きく肥大したオスのボルネオオランウータンが同種族内では最強のオランウータンと言えます。
ゴリラとオランウータンはどっちが強い?
では、ゴリラとオランウータンが戦った場合はどちらがつよいのか。
対戦カードはマウンテンゴリラのシルバーバックとフランジの大きく肥大したボルネオオランウータンです。
それぞれが種族の中で最強と言える個体です。
霊長類最強なのはどちらなのか。
やはり強いのはマウンテンゴリラ
結論から言うと、マウンテンゴリラに軍配が上がります。
理由は大きく二つ。
まず一つ目は大きさです。
ボルネオオランウータンに比べると、マウンテンゴリラは一回り大きく、体格差にものをいわせて覆い被されば、オランウータンもひとたまりもありません。
二つ目は筋力です。
オランウータンの握力の最高値は500kgなのに対して、マウンテンゴリラは800kgです。
取っ組みあった時にマウンテンゴリラに捕まれれば、そこを負傷してしまうほどです。
また一方のオランウータンがゴリラに掴みかかったとしても、ゴリラは体毛が厚く、それでいて肉が盛り上がっているので、なかなかダメージを与えることは難しいのです。
よって、ゴリラとオランウータンが戦った場合は、ゴリラに軍配が上がるのです。
ゴリラvsオランウータンのまとめ
大型霊長類トップ2が戦った場合、やはり1番強いのはゴリラであり、握力でも大きさでもゴリラの方が一枚上手なのです。
したがって、霊長類最強はゴリラということになります。