クサフグは丸く、手乗りサイズで見た目に可愛い魚です。
しかし釣り人たちはこのクサフグについて「外道の中の外道」と呼びます。
可愛い見た目に反して、なぜここまで嫌われているのか、クサフグの生態とその危険性について以下で紹介していきます。
目次
クサフグの生態
- 学名:Takifugu niphobles
- 分類:フグ目フグ科トラフグ属
- 分布:日本各地の浅い岩礁、沿岸部、汽水域、河川下流域、河川中流域
- 体長:10cm~25cm程度
クサフグは日本各地、海水と汽水を問わず、時には真水にまで出現するフグ科トラフグ属の魚です。
見た目は10cm~25cm程度と小ぶりで丸く、背中が緑がかっていることから“草”フグと名付けられました。
釣り人の間では、糸やルアーを食いちぎることから餌の横取りの名手と呼ばれています。
また、海水汽水問わず釣れてしまい、目当ての魚ではなくクサフグばかりが釣れてしまう、そして何よりも猛毒を持っていることからも「外道の中の外道」として嫌厭されています。
では、クサフグの毒とはどんな毒なのか、どこに毒があるのかについて以下でご紹介していきたいと思います。
クサフグの持つ毒とその部位
クサフグの毒とはどれほどのものなのか、一つ言えることとしては、フグ毒に関してクサフグは他のフグよりも厄介ということです。
なぜ厄介なのかについて以下でご紹介していきます。
クサフグの持つ毒の成分
クサフグに限らず、フグの持つ毒は「テトロドドキシン」というものです。
その毒性は大変強く、劇物である青酸カリの1000倍以上の強さを持ちます。
このテトロドドキシンは水で洗い流すことはできず、また加熱処理でも分解変質されず、そして解毒剤自体が存在しません。
「河豚は食いたし命は惜しし」と言われるように、致死性の高い恐ろしい猛毒性を持っています。
しかし、この猛毒は生まれた瞬間からあるわけではなく、餌として食べる貝類や海藻類にごく微量含まれているものが体内に蓄積されたものです。
クサフグの毒のある部位
通常、フグの毒は内臓系と卵巣、そして皮に含まれていると言われ、それらをしっかり取り除くことで安全に食べることができます。
しかし、クサフグの場合は身の部分にも微量含まれているのです。なので食べ過ぎは禁物で、致死量に至ると命すら危ぶまれる状況になります。
日本各地でクサフグを食べたことによる中毒で死亡する事件が発生しており、各県でも注意喚起している状況です。その大半が素人料理による中毒です。
クサフグの身は美味と言われています。ですが、素人料理をしようとせず、しっかりフグ処理の資格を持つ人にさばいてもらって、美味しく食べるようにしましょう。
食べるとうまい!?クサフグの美味しい食べ方
「河豚は食いたし命は惜しし」と言われるように、命のやり取りをしてしまうほど人々を虜にするその美味しさはクサフグにも言えます。
クサフグの身は大変美味しく、上質で淡白な白身魚です。この章ではその調理方法と食べ方についてご紹介しいきます。
ただし、重複になりますが、素人料理は禁物です。
クサフグの調理について
クサフグの解体については各都道府県で条例が出されており、素人料理は規制されています。
クサフグに限らず、フグの解体については免許があるので、必ず免許を持つプロに解体は任せましょう。
まさに「河豚は食いたし命は惜しし」で、素人考えでの判断は禁物です。
では、さばくところまではプロに任せるとして、美味しく料理するのはどうしたら良いのでしょうか。
クサフグは淡白な白身魚です。クサフグは汁物、唐揚げ、刺身、などその美味しさを味わう方法はさまざまです。
解体は必ずプロの方に任せて、料理については上質な白身魚として扱うと良いでしょう。
クサフグはさわっても大丈夫!
クサフグの毒は大変恐ろしいものですが、さばかずに生きたものを触るぐらいならばなんら問題はありません。
クサフグは食欲旺盛で釣り人たちからも「外道」と忌避されています。なので、狙って釣る人はいません。
この章ではクサフグの対策方法についてご紹介していきますが、どうしてもクサフグが釣りたいという場合は、以下の方法の逆をすると良いでしょう。
釣りの外道!クサフグの対策方法
- 撒き餌の工夫:フグは硬いものを嫌います。対フグ用の撒き餌を使いましょう
- 遠投する:撒き餌で足元にフグの群れを作り出し、遠くのポイントへ遠投して御目当ての魚を狙うと良いでしょう
- 夜間の釣行:夜間だとクサフグのヒットは少ない傾向があります。
- メタルジグの使用:クサフグは硬いものを嫌うので効果的です。ワームを使うとボロボロにされてしまう可能性があります
- 仕掛けの色を黒や緑にする:フグはキラキラしているものに反応するので、反射の少ない素材でアタックすると良いでしょう。
以上が餌取りの名手であるクサフグの対処法です。
どうしてもクサフグを釣りたいというかたは、柔らかい餌で、仕掛けにキラキラする素材を使うとヒットする可能性が高いです。
まとめ
今回はクサフグについて、その生態と危険性についてご紹介してきました。
前述のように、クサフグは「嫌われ者」の印象が強いと言えます。
ただし、解体方法さえプロに任せれば、クサフグは食べて美味しい上質な白身魚に変わります。
任せるべきところはプロに任せて、美味しいとこ取りをするのがベストでしょう。