「メガロドン」をご存知でしょうか?
太古の海の支配者として君臨していた史上最強とされる「サメ」です。
現代では最強とされる「サメ」と言えば「ホホジロザメ」の名前が上がると思われますが、そのホホジロザメよりも2倍も3倍も大きいサイズとなるのがメガロドンなのです。
クジラ並みの巨体を持つ肉食魚、これだけでもその桁外れな恐ろしさが伝わってきますね。
しかし、そのメガロドンも少なくとも150万年前に絶滅という悲しい運命を辿ってしまうのです。
もしも、そのメガロドンが現代にも生息していたら、そのまま海の支配者として君臨しているのでしょうか。
現代の海の支配者となるシャチやホホジロザメと対決したらどうなるのでしょうか。
今回は、そのようなロマン溢れる想像に思いを馳せてみたいと思います。
目次
メガロドン
「メガロドン基本 データ」
- 分 類 ネズミザメ目 ネズミザメ科(またはOtodontidae) ホホジロザメ属(またはカルカロクレス)
- 学 名 「Carcharodon megalodon」または「 Carcharocles megalodon」
- 和 名 ムカシ(オオ)ホホジロザメ
- 英 名 Megalodon
- 体 長 13から20メートル(一時期は40メートル説もあったが、現在では否定的)
- 体 重 不明(20トンとするせつもある)
- 時 代 新生代中期とする説が主流(2600万年から600万年前、1800万年から150万年前など)
- 化石発掘 ヨーロッパ、アメリカ、日本、アフリカ、オーストラリア、インド
- 生息環境 比較的温暖な海域
メガロドンは新生代中期(とする説が主流)に当時の海の支配者として君臨していた古代のサメになります。
現代の最強肉食魚ホホジロザメと同じネズミザメ目(以降下位分類は定まっておりません)に属した魚ですが、その桁外れの強さは凄まじいようで、一説には、魚類史上最強となるのがこのメガロドンとされています。
ホホジロザメの体長が6メートルと考えると、13メートルから20メートルあったとされるメガロドンの凄さが伝わってきますね。
メガロドンの特徴
メガロドンの特徴は何と言ってもずば抜けたその巨大さにあります。
ただ、サメは軟骨生物なので体の骨が化石として残らず、化石となる頑丈な顎の骨から推測するしかありません。
あくまでも憶測という域を脱しませんが、13メートルから20メートルという大きさと推測されます。
20メートルとは、現代のジンベイザメやマッコウクジラと同程度となるのですからすごいですよね。
この大きさの凶暴な肉食魚なのですから驚いてしまいます。
メガロドンは化石の発掘場所から、世界各地の温かい海に分布していたと考えられています。
主には、同時代に生きたクジラを捕食していました。
あまり大型ではないものの、現代でもクジラを襲うことは少ないホホジロザメと比べても、それ以上に凶暴かつ獰猛なハンターであったことは間違いないようです。
メガロドンは何故絶滅したのか?
かつては海の支配者として君臨したメガロドンも絶滅という悲しい運命を辿ることになります。
そんなメガロドンは何故絶滅してしまったのか?
非常に疑問に感じますね。
主な絶滅理由(勿論仮説です)は次の3つが考えられています。
- 海水温の低下によるもの
- 捕食対象生物の減少
- ライバルとなる生物の出現
この中で最後の「ライバルとなる生物の出現」が、今回の「メガロドンが現代に蘇り、シャチやホホジロザメと戦ったら。」を紐解くカギとなるのです。
ライバルとなる生物の出現
この「ライバルとなる生物」こそが今回想定する対戦相手となる「シャチ」に「ホホジロザメ」となるのです。
「では、シャチやホホジロザメにメガロダンは負けてしまったのでは?」とそう単純では無いのです。
このライバルの出現は直接戦うこともあるかもしれませんが、多くは餌となる獲物の取り合いになります。
他の2つの理由も重なり、獲物となる生物も減少しています。
ただでさえ巨大な大きさのメガロドンです。この巨体を維持するには相当量の獲物を必要とします。
そこに同じ獲物を狙うライバルが出現したのですから、取り分は更に減少したことは火を見るより明らかですね。
ライバルたちは進化を遂げて現れた、新世代に当然対応しています。海水温の低下には対応できたでしょうし、小型化したライバルたちは、メガロドンほど大量の獲物を必要としません。
状況はメガロドンには圧倒的に不利となりますね。
また、成魚となれば彼らと対等またはそれ以上の力を持つメガロドンでも幼魚の時には彼らの獲物となったことも考えられます。
これらのことから、メガロドンは絶滅へと向かってしまったのです。
メガロドン、シャチ、ホホジロザメそれぞれの攻撃力を比較
それでは、メガロドン、シャチ、ホホジロザメそれぞれの運動能力(攻撃力)を比較してその強さを考えてみましょう
咬む力
単純に相手をしとめる武器となるのがこの「咬む力」ですね。
- メガロドンの咬む力
最強とされるメガロドンの咬む力は数値で表すと11000から19000重量キログラムとされています。
ワニでおよそ2300重量キログラム、ティラノサウルスで6000重量キログラム(推測)とされることから、このずば抜けた破壊力は驚きです。
- ホホジロザメの咬む力
ではホホジロザメはどうでしょうか?
ホホジロザメの咬む力はおよそ1900重量キログラムとなります。
この数値で見ると、メガロドンの5分の1または10分の1程度となるようです。意外と少ない数値に思われます。
実は、サメの場合には鋭い歯を持つのでそこまでの咬む力は必要としていないのです。
むしろ強く咬むと歯が折れてしまうことからも、この数値に落ち着かせているようですね。
- シャチの咬む力
最後のシャチの場合はどうでしょうか?
実はシャチは実数値の計測が出来ていないのです。
しかし、顎の骨格や筋肉などからシャチは非常に強い咬む力を持つと考えられています。
推定ではワニの2倍以上ティラノサウルス並みの力を持つとも言われています。
この咬む力においてはメガロドンがシャチにやや差をつけてトップ、ホホジロザメは少々残念な結果となります。
スピード
続いて泳ぐスピードで3者を比較してみましょう。
- シャチの泳ぐスピード 時速70キロ
- ホホジロザメの泳ぐスピード 時速40キロ
- メガロドンの泳ぐスピード ホホジロザメよりも遅い
一般的に浮袋を持たないサメは身体が大きくなるにつれて泳ぐスピードは遅くなります。
このことから考えますと、メガロドンはホホジロザメよりも遅かったと推測ができるのです。
ここでは圧倒的にシャチの運動能力の高さが浮き彫りになりますね。
海面ジャンプなどを見ても、サメのそれとは桁外れに異なる秀でた運動能力を有していることが分かります。
その他
前述の咬む力に運動能力以外にも戦闘で有利なものはあります。
- 大きさ
まずは大きさですが、これは圧倒的にメガロドンの13メートルから20メートル(推測)が有利です。
次いでシャチの10メートル、ホホジロザメの6メートル(いずれも最大種)となります。
動物界において、身体の大きさは強さを競う場合には非常に有利なのですが、シャチはメガロドン並みの大きさを誇るクジラをも倒すことがありますので、難しいところです。
- 頭脳
こちらは、哺乳類となるシャチが圧倒的に優れています。
シャチの狩りは戦術を駆使した頭脳プレーでも知られています。
- 骨格
身体を守るために必要な骨の強さも戦闘においては非常に重要です。
ここでも、内臓をしっかりと覆う強い骨格を持つシャチは非常に有利ですね。
サメは内臓をカバーする骨格を持ちません、イルカに体当たりされて内臓破裂を起こしたサメが死んでしまった事例もある程です。
また、サメは軟骨生物なので骨も頑丈ではありません。防御面ではサメはやや劣勢になります。
メガロドンがシャチやホホジロザメと対決したら?
それではいよいよ今回のロマン溢れるテーマである「メガロドンがシャチ、ホホジロザメと対決したら?」を考えてみましょう。
前項のデータを基に「メガロドン対シャチ」「メガロドン対ホホジロザメ」を考えてみます。
メガロドン対ホホジロザメ
この場合には、やはりメガロドンが有利ですね。
現在の海洋研究者たちも口をそろえて「メガロドンが史上最強の魚類」としていることからも想像しやすいです。
データ的にもスピードはやや劣るものの、それ以外では段違いの差をつけています。
もしもメガロドンが現代に蘇りホホジロザメと対決したら、メガロドンがホホジロザメを圧倒してしまうでしょう。
メガロドン対シャチ
しかし、これが相手がシャチとなるとそうはいかないようです。
今度は反対に、シャチが有利と考えられます。
咬む力に大きさではかないませんが、それを充分に補える身体能力と頭脳という非常に優秀な武器を手に入れているのがシャチなのです。
とある「生物の絶滅理由」を紹介するベストセラー書籍の中でも、メガロドンはシャチには全く歯が立たないと紹介されています。
もしもメガロドンが現代に蘇りシャチと対決したら、シャチがメガロドンを圧倒してしまうでしょう。
まとめ
今回は太古の海で繁栄を極めたメガロドンが現代に蘇り、現代の海の支配者であるシャチとホホジロザメと対決したらというロマン溢れる憶測に思いを馳せてみました。
勿論、あくまでも憶測です。
異論を唱える方もいるかもしれません。
戦う個体差や環境によっても結果は異なることもあるでしょう。
今回はあくまでも数値的なものからの判断になります。
しかし、この戦いは見られなくても、現代の海を優雅に泳ぐメガロドンの姿を見てみたいと思うのは多くの方の願いではないでしょうか。