スポーツ用品のブランド名の印象が強いピューマですが、そのイメージは「俊敏さ」、「狩人」といったところでしょうか。
今回はそのピューマの強さと性格、そして「生息圏を拡大しているピューマが人間に遭遇した場合に果たして襲ってくるのか」について紹介していきたいと思います。
目次
ピューマの生態:ネコ科最大級の大きさのネコ
出典画像:Wikipedia
- 学名:Puma concolor
- 分類:食肉目ネコ科ピューマ属
- 分布:南北アメリカ大陸
- 体長:1~1.8m
- 体重:65~100kg
ピューマはヒョウやライオン同様にネコ科の中でも最大級の大きさで、ロッキー山脈のような高所から平地、砂漠地帯、そして湿地を含む森林地帯にも生息しています。
生息域が年々拡大しており、ほぼ同じ地域に生息している、体の一回り大きいジャガーとも遭遇することがあると言われています。
ただし、生息域の拡大の一方で、地域によっては絶滅が危惧されており、アメリカでは保護活動が行われています。
基本的にピューマは単独行動をしており、縄張りの広さは約半径3~9kmにも及び、この広さは餌の豊富さによると言われています。
そのためピューマは餌の選り好みはせず、主に小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類、昆虫類など、自分よりも小さければ何でも捕食し、空腹が頂点に達すると、鹿などの大型哺乳類をも襲います。
「クーガー」とはピューマのこと!?
ピューマには様々な呼び名があります。「クーガー」という呼び名は北米圏で使われており、元々はポルトガル語に由来しています。また広く「山にいる猫」を指して「マウンテンライオン」や「アメリカンライオン」と呼ぶこともあります。
ピューマという名前が生物学上採用されておりますが、この語源はスペイン語と言われています。
ピューマにはスペインやポルトガル由来の呼び名が並存しており、植民地時代のアメリカの名残と言えるでしょう。
ピューマの危険性は低い!?その強さと性格をご紹介
ネコ科最大級の大きさのピューマですが、仮に山で遭遇してしまった場合はどうなるのでしょうか。
「危険なのでは?」と思ったり「意外とおとなしい?」とも思うかもしれません。
この章ではその強さと危険性について紹介していきます。
ピューマの強さの秘密は強靭な身体能力!?
ピューマは生息域が幅広く山岳地帯から平野、湿地帯や森林地帯などに生息しています。
その適用能力の秘密は雑食性だけでなく、ピューマが持つ強靭な身体能力も生息域拡大の要因なのです。
ピューマは嗅覚・視力・聴覚が優れ、獲物を感知すると、そっと忍び寄り、そして強靭な体のバネと鋭い牙から繰り出す一撃で、相手の喉に噛みつき窒息死させます。
または鋭利な爪で相手の体を引き裂いて致命傷を負わせます。ピューマの体のバネは強く、その筋力で5mの高さを垂直に飛び上がることができます。
ピューマは実は“おくびょうな性格”
強靭な身体能力と感覚器官、そして選り好みしない雑食性を生かして、ピューマはあらゆる環境で生き延びてきました。
ところがピューマが生き延びてこられたサバイバル能力の中には、もう一つ大事な要素があります。
それが「警戒心の強さ」です。単独で行動するピューマは不用意な狩や戦闘で怪我をするわけにはいきません。
野生環境ではわずかな怪我が狩猟能力を低下させ、命の危険に直結します。トラやライオン、ジャガーのように筋肉隆々で体格差で敵を押しつぶすことができるわけではないため、ピューマは自分よりも大きいものに対しては基本的に襲いかかりません。
この警戒心こそが野生で生き延びるライフラインになるのです。
ピューマと人間を襲うのか?
では、野生のピューマに遭遇した場合はどうしたら良いのか。
基本的にピューマは自分よりも大きなものに襲いかかったりはしません。なので、大人の人間に襲いかかることはありませんが、子どもは要注意です。
また、いくらピューマが臆病な性格でも、追い詰められると逆上し、生きるために襲いかかってくることがあります。
なので、野生のピューマに出会った際は、自分が子供を連れていたら抱きかかえ、そしてピューマが退散できるように距離をとってあげましょう。
そして背を見せて逃げずに正面を向いて、かつ体を大きく見せながら退きましょう。
ピューマは基本的には臆病なので、不用意に追い詰めたりは絶対にしてはいけません。
可愛い鳴き声のピューマの赤ちゃん
ここまでピューマの生態と危険性についてご紹介してきましたが、そんなピューマの赤ちゃんはというと、見た目はまるで子猫そのものでとても可愛いんです。
鳴き声は可愛らしく「ピィー」と鳴き、ネコ科最大級の大きさをもつ猛獣という印象はゼロです。
大人のピューマはというと、太めの声で「ニャー」と鳴きます。
猛獣ピューマも鳴き声に家猫の仲間としての面影が現れています。
ピューマは無用な争いを避ける狩人
いかがでしたでしょうか。ピューマは強靭な身体能力と感覚器官、そして警戒心の強さであらゆる環境に適応してきました。
当然、我々人間もその生活圏を日々拡大させ、ピューマの生息圏と重なっている部分があります。
もし遭遇してしまった場合は、しっかりと距離を取りつつ、体を大きく見せ、「無駄な争いだ、怪我をするぞ」ということをアピールしていきましょう。