自然界においては様々な生息域で、それぞれ特徴的な生態系が築かれていますね。
アフリカサバンナであればライオンが生態系の頂点として君臨しています。
しかし、それでも水辺へと視点を移せば、そこでは水棲生物の頂点としてワニが君臨しているのです。
さて、お馴染みの対決シリーズ、今回はこの「ライオン」と「ワニ」に注目して見ていきたいと思います。
題して「ライオン対ワニ!どっちが強い!?」です。
それぞれの生息域で頂点を極める両者が戦ったとしたら…。その軍配は、一体どちらにあがるのでしょうか?
目次
「ライオン」と「ワニ」の基本データ
それでは、今回の主役となるライオンとワニ、それぞれの基本データと特徴を比較してみましょう。
ライオンは種の分類が少々ややこしいので、基本データは一般的にライオンとして評されるものを用いますが、種としては最大にして最強となる「バーバリーライオン」を想定します。
一方、ワニですがこちらは23種が存在します。
こちらも同様に、その中で最大かつ最強とされる「イリエワニ」をその対象として想定します。
それでは、「バーバリーライオン」に「イリエワニ」、それぞれの詳細を見てみましょう。
ライオンの基本データ
- 分 類 食肉目 ネコ科 チーター属
- 学 名 Panthera leo
- 和 名 ライオン
- 英 名 Lion
- 分 布 アフリカ大陸(サハラ砂漠以南)及びインド(北西部)
- 生 息 サバンナの草原地帯、乾いた落葉樹林
- 体 長 2~3メートル(バーバリーライオンは4メートルも)
- 体 重 140から250キログラム程度(バーバリーライオンは300キログラムも)
- 備 考 サバンナの生態系の頂点に君臨する百獣の王
言わずと知れた百獣の王ライオンです。ライオンの狩りは雌が行うため、雌の方が戦闘的と考える方もいるかも知れませんね。
しかしながら、実はそうではありません。雄は他の争いのために存在しているのです。
実際にライオンの雄は非常に闘争本能が高く、他グループとの戦いや単独の雄から群れ(プライド)を守るなどの生死を掛けた戦いに挑むのです。
そんな中でも、最大かつ最強種となるのがバーバリーライオンです。
最大個体では4メートルを超し、現在のどの亜種よりも明らかに大きく逞しかったのです。
過去形にしたのは意味があり、バーバリーライオンは一時期は絶滅したとされていたのです。
1960年代で絶滅と考えられていましたが、1996年と2007年に再発見、後にバーバリーライオンの原産地であるモロッコのムハンマド5世が所有する動物園で32頭もの純血種の生存が確認されたのです。
バーバリーライオンは、古代より強さの象徴とされていました。
人間が強さを示すための格闘相手にさせられる様は、古代を描く映画などではよく登場しますね。
これらから様々な国で、今でも国章などにこのバーバリーライオンが使われています。
当然、ライオンの中では最大にして最強の種となります。
闘争本能に身体機能、攻撃力(牙に爪)が高いこのバーバリーライオンに、イリエワニは立ち向かえるのでしょうか?
イリエワニの基本データ
- 分 類 ワニ目 クロコダイル科 クロコダイル属
- 学 名 Crocodylus porosus
- 和 名 イリエワニ
- 英 名 Salt-water crocodile
- 分 布 アジア大陸及びオーストラリアなど
- 生 息 主には汽水域、淡水海水どちらにも対応可能
- 体 長 4メートル程度(最大では7メートル)
- 体 重 500キログラム程度(最大では2トン)
- 備 考 水辺の生態系の頂点ワニの中でも最大にして最強種
さて、一方の水辺の生息域の頂点を極めるワニからは、最大にして最強種のイリエワニです。
イリエワニは、その名前からも分かるように淡水及び海水どちらでも対応可能なんです。
海を泳ぎ生息域を広げることが出来ると言う、ずば抜けた対応能力を備えたスーパーワニなんです。
最大個体では7メートルと言う規格外の大きさのものも存在します。現存する生物の中では、その咬む力はトップクラスに位置する恐るべきハンターなんですね。
また、厄介なことに、基本的に憶病な性格が多いワニの中でもこのイリエワニは論外で、非常に攻撃的な性格をしておりその牙は我々人間に対しても向けられることがあるのです。
その信憑性には懐疑的な意見はあるものの、ラムリー島の戦い(太平洋戦争中)での逸話は、ギネスにも載るほどに有名です。
戦地から撤退中の日本人兵士たちがこのイリエワニに襲われて、数百から数千もの犠牲者が出たとされているのですから、驚いてしまいます。
この恐ろしいまでの攻撃力に鎧のような頑丈な身体…バーバリーライオンに対抗する手段はあるのでしょうか?
「バーバリーライオン」と「イリエワニ」が自然下で戦う可能性はあるのか?
さて、今回の主役バーバリーライオンとイリエワニですが、この2種が自然下で実際に戦うことはあるのでしょうか?
残念ながら、バーバリーライオンの現状を考えて、この2種が争うことはありません。
そもそもライオンとイリエワニの生息域の違いもあり、バーバリーライオンでなく他のライオンと考えた場合でも同じですね。
しかしながら、生息地が重なるワニと大型のネコ科動物の戦いは様々なところで日々行われています。
ヒョウやジャガーがワニを捕食するシーンは、何度もテレビで流れていますし、またその反対もあります。
ライオンも生息地が重なる「ナイルワニ」と戦う姿が目撃されていますね。
この場合では、どちらも勝利する場合があるようですが、いささかライオンに分があるかも知れません。
と言うのも、個体差はありますがナイルワニがライオンよりも小さなヒョウなどにも捕食されることが多々あるからです。
しかし、今回は大型のバーバリーライオンとイリエワニです。勝敗はどうなるのでしょうか?
「バーバリーライオン」対「イリエワニ」!もしも成獣同士が1対1で戦ったらどちらが強いのか?
さて、それでは本題となるバーバリーライオンとイリエワニ、この2種の成獣の雄同士が戦ったらどちらが強いのかを考えてみましょう。
ライオンの武器となるのは、俊敏性と鋭い牙と爪です。一方のイリエワニの武器となるのは、強力な顎の力と頑丈な身体でしょう。
よくワニが、大型のネコ科動物に捕食される場合があります。この時には、一瞬の隙をつかれて頭蓋骨を噛み砕かれ仕留められてしまうのです。
これは陸地でも水辺でも同じで、後ろに回られ頭に咬みつかれてしまうとワニに勝機はありません。
果たして、これが今回でも通用するのでしょうか?
また、反対にワニが大型のネコ科動物を捕食するのは、水の中にいる相手に襲い掛かる場合です。
動きにくい水中で不意を突かれて一咬みされてしまえば、それだけで致命傷を負ってしまいます。後はワニのなすがままですね。
さて、今回のバーバリーライオンとイリエワニの戦いではどうでしょうか?
「バーバリーライオン」対「イリエワニ」!その勝者は?
まずは、陸地での戦いで考えてみましょう。
この場合、ある程度の大きさのイリエワニであれば、バーバリーライオンに十分に勝機があります。
陸地で動きの遅いイリエワニに対しては、バーバリーライオンは優位に戦いを進めることが出来ますね。
後ろに回り込むのも容易いでしょう。
あとは頭蓋骨に牙を食い込ませるだけ…しかし、これが6メートル級のイリエワニであると丈夫な皮膚に牙が通用するかが微妙なところです。
ただその場合でも、バーバリーライオンが逃げることがあっても負けることはないでしょう。
陸地の戦いであれば、6対4でバーバリーライオンが優勢ですね。
水辺や水中での戦いではどうでしょうか?
こうなると、断然イリエワニに勝機があります。
頑丈なイリエワニを一撃で仕留めることが出来なければ、この不利な場所でバーバリーライオンが勝利することは不可能でしょう。
しかしながら、一撃で仕留められるのは、小さなイリエワニに限定されてしまいます。
5メートル級のイリエワニでも、この水辺や水中の戦いではバーバリーライオンが仕留めることは至難の業でしょう。
咬みつかれ、水中へと引きずり込まれてしまえば、一巻の終わりとなってしまいます。
こちらの場合には、7対3でイリエワニに軍配が上がりそうです。
結果として。
陸上での戦いと水辺や水中での戦い、この2戦を総合して判断すると「バーバリーライオン」対「イリエワニ」ではイリエワニに1日の長があると考えられます。
大きくて頑丈、そして一撃必殺・破壊力抜群の咬みつきを武器に、苦戦はするかもしれませんがバーバリーライオンを総合的に上回ると考えられます。
まとめ
今回、「ライオン対ワニ!どっちが強い!?」を考えてみました。
今回はバーバリーライオンとイリエワニを代表として想定し、ややイリエワニが有利であろうと結論付けました。
しかし、これがイリエワニでなければ、結果は違ったでしょう。
実際に自然下では、ライオンよりも小さなジャガーやヒョウ、ピューマなどがワニと食うか食われるかの死闘を繰り広げ、やや優勢を保っているのです。
そうなると、ライオンであればより有利に戦いを進めることは明白なんですね。
しかし、ワニの中で最大にして最強のイリエワニとなると、「そうは問屋が卸さない」となりますね。
もちろん激戦の末ではありますが、イリエワニが有利と考えられます。
みなさんのご意見はいかがでしょうか?
当然、自然界ではこの戦いを見ることはありませんので、あくまでも推測の域を脱することはありませんが…。