哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類…。
世の中には様々な生物が存在しますが、その中でもおよそ100万種、地球上の全生物の75パーセントにもあたるのが昆虫なんです。
カブトムシやクワガタムシ、カマキリ、トンボ、チョウなど非常に人気の高い種も存在しますが、多くの虫が女性などを中心に忌み嫌われてしまいますね。
これは、虫には決して罪はないのですが…。
今回ご紹介するのは、そんな中でも「世界三大奇虫」と呼ばれ、人間に最も不快と感じられる3種になります。
世界最大奇虫、そのネーミングからもおどろおどろしい印象が伝わってきますね。
「サソリモドキ」「ヒヨケムシ」「ウデムシ」がそれで、今回はそれぞれの生態や毒性の有無など詳細にご紹介します。
また、「ウデムシを食べたら500万円」と言う正気の沙汰とは思えないような企画に挑戦した女性もいるんです。
果たしてのその女性の末路とは?気になる結果もご紹介します。
目次
世界三大奇虫とは
さて、今回の主役は「世界三大奇虫」です。
この世の中には「世界三大珍味」や「世界三大美女」、「世界三大珍獣」など様々な世界三大が存在します。
しかし、見る者に与えるインパクトとしてはこの「世界三大奇虫」が最も大きいのではないでしょうか。
繰り返しますが、「世界三大奇虫」とは、「サソリモドキ(ビネガロン)」「ヒヨケムシ」「ウデムシ」の3種を指して使われています。
また、三大奇虫としておりますが、実際には3種とも昆虫ではなく、クモに近い生物(節足動物)に分類されることになります。
いずれの種もその見た目のインパクトが非常に強力で、そこから三大奇虫と言う不名誉な括りがされているのです。
しかしながら、これら3種とも人間にとって決して有害な生き物ではありません。
日本でも飼育されて(ヒヨケムシは飼育が難しいともされています)いて、根強いコアなファンも多いようです。
日本の一部地域にはサソリモドキが生息していますが、3種ともに基本的には外来種扱いとなるので飼育には十分な注意が必要となります。
世界三大奇虫それぞれの基本データと生態
それでは、世界三大奇虫である「サソリモドキ(ビネガロン)」「ヒヨケムシ」「ウデムシ」それぞれの基本データと生態をご紹介しましょう。
サソリモドキの基本データと生態・特徴
- 分 類 鋏角亜門 クモガタ綱 サソリモドキ目
- 学 名 Thelyphonida
- 和 名 サソリモドキ(ムチサソリ、ビネガロン)
- 英 名 whip scorpion、vinegaroon
- 分 布 世界各地の熱帯・亜熱帯(ヨーロッパ・オーストラリア大陸を除く)
- 全 長 25から28ミリメートル程度
- 毒 性 無(強烈な臭いをもつ酸性の噴出物あり)
サソリモドキは「鋏角亜門 クモガタ綱 サソリモドキ目」に属する生物(節足動物)の総称です。この下位分類としては100を超える種が存在します。
三大奇虫の中で、日本にも生息していることからも、最も日本人に馴染みがあるのがこのサソリモドキになります。
※伊豆諸島の八丈島、九州南部から奄美にかけてアマミサソリモドキが、沖縄本島から八重山諸島にタイワンサソリモドキが生息しています。
名前からも分かるようにサソリによく似た体つきではありますが、尾にはサソリのような毒は持ちません。
その代わりに、尾の先から臭いの強烈な酸性の噴出物を発射して身を守ります。ビネガロンはこのお酢(ビネガー)のような臭いから来ています。
この噴出物は、非常に強力な酸性なので人間にとっても触ったり口に入ったりするのは危険とされています。
食性は肉食性、行動は夜行性で、昆虫や節足動物を捕食します。
サソリモドキの場合には、噴出物にさえ注意さえすればペットとしての飼育も容易に行えます。
ヒヨケムシの基本データと生態・特徴
- 分 類 鋏角亜門 クモガタ綱 ヒヨケムシ目
- 学 名 Solifugae
- 和 名 ヒヨケムシ
- 英 名 Solifugid、Solifuges、Camel spider、Wind scorpion、Red Romanなど
- 分 布 世界の熱帯から亜熱帯(日本、オセアニアを除く)
- 全 長 5センチメートル程度が主(数ミリメートルから15センチメートル程度)
- 毒 性 無毒とされているが、噛まれた場合に発熱などの諸症状が出ることもある。
ヒヨケムシは「鋏角亜門 クモガタ綱 ヒヨケムシ目」に属する生物(節足動物)の総称です。この下位分類としては1100を超える種が存在します。
非常に多くの種が存在するにもかかわらず、ヒヨケムシの研究はあまり進んでいません。そのため、分類や生態において謎なことが非常に多いのです。
種が多い分、体長も数ミリ程度の非常に小さな種から15センチにもおよぶ大型の種まで様々です。
ヒヨケムシは、一見すると10本脚のように見えますが、実際には8本脚で前の1対は触肢です。
食性は肉食性、行動は夜行性で、昆虫や爬虫類、小動物などを捕食します。
また、非常に動きが速いことに大きな顎(鋏角)が特徴的ですね。エサはあっという間に捕獲され、この顎で無残に噛み砕かれてしまいます。
この顎は非常に強力です。人間も噛まれれば激しい出血に見舞われることもあります。
また、ヒヨケムシは基本的には無毒とされていますが、噛まれた際に吐き気や発熱を伴うこともあるようです。
このことから、飼育には十分な注意が必要とされます。また、飼育方法も明確になっていないのでヒヨケムシの飼育難易度は高いようです。
ウデムシの基本データと生態・特徴
- 分 類 鋏角亜門 クモガタ綱 ウデムシ目
- 学 名 Amblypygi
- 和 名 ウデムシ(腕虫、ウデムシ類)、カニムシモドキ
- 英 名 amblypygid、whip spider、tailess-whip scorpion
- 分 布 熱帯地方に中心として世界中に分布(日本は除く)
- 全 長 体長は数センチメートル以下程度、触肢が長く種によっては十数センチにもおよぶ
- 毒 性 無
ウデムシは「鋏角亜門 クモガタ綱 ウデムシ目」に属する生物(節足動物)の総称です。この下位分類としては190種が存在します。
三大奇虫の中でも、このウデムシが最も独特な形状をしていて「世界一気味の悪い虫」ともされています。
しかしながら、このウデムシが三大奇虫の中で最も特徴的ではない種とも言えるのです。
食性は肉食性、行動は夜行性で、昆虫や節足動物などを捕食します。
見た目のけばけばしさとは裏腹に、ウデムシは非常に憶病な性格をしています。種の中には、鳥類や哺乳類、昆虫類などの巣穴に宿り共生をする種の存在も知られています。
無毒で人などが襲われることもありません。むしろ人間にとっては、害虫となる昆虫類を捕食してくれることから、ある意味では益虫としての一面を備えていると考えられます。
また、ウデムシは容易に飼育が可能で繁殖も比較的簡単に行えることから、ペットしての人気も(一部では)高いようです。
ウデムシを食べたら500万円の女性の末路?
さて、今回ご紹介している世界三大奇虫ですが…あるんですね。世の中には目を疑いたくなるような様々なイベントが!
なんとアメリカで、このウデムシを生きたまま食べたら賞金500万円!と言う何とも大それたイベントが行われたのです。
しかも、見事にそれを成し遂げた強者がいるのです。
なんと、このウデムシを生で食べきったのは若い女性でした。
多くの観客が見守る中、勇敢にもこの女性はウデムシをつかみ口へと運ぼうとします。しかし、そのあまりにものグロさから一度は心が折れかかるのです…。
再チャレンジで、今度は無事に口へと運ぶことに成功します。そのまま目をつむり噛み砕き、そして…。
ついに彼女は、ウデムシを飲み込むことに成功したのです。
飲み込んだ後に一度身震いをしましたが、彼女はその後は通常に戻りました。
こうして、見事に賞金500万円を彼女は手にしたのです。そして会場からは、彼女の勇気に対して、大歓声と割れんばかりの拍手が送られたのです。
これは、末路ではなく栄光と言えるでしょう。
ただし、恐らく日本でこの企画をやったら即アウトでしょうね。
まとめ
今回は、世界三大奇虫についてご紹介しました。
あまり馴染みのない3種「サソリモドキ」「ヒヨケムシ」「ウデムシ」ですが、噂にたがわぬグロさだったのではないでしょうか。
「生理的に無理!」と言う言葉が女性からのみならず男性からも聞こえてきそうです。
しかし、これは人間が勝手に決めつけたものなんですよね。
彼ら、三大奇虫は彼らなりにただ一生を全うしているだけなんですから。
そう考えると少々気の毒な気もしてきませんか?
もし、彼らを飼育する勇気があれば、是非!
飼い始めると意外とかわいいのかも知れませんよ。