ピンっと伸びた耳の房毛が特徴的なカラカル。野生で見つけるのはかなりむずかしい「幻の猫」です。
ところが中東地域ではペットとして飼っている人もいるとか。
では、カラカルはペットにすることができるのか、人になつくのかについてご紹介していきます。
目次
カラカルの生態
出典画像:Wikipedia
- 学名:Caracal caracal
- 分類:食肉目ネコ科カラカル属
- 分布:アフリカ大陸〜中東
- 体長:55~90cm
- 体重:8~23kg
カラカルの特徴
主に乾燥帯から温帯地方、アフリカ大陸では砂漠地方を除いた幅広い地域に生息しています。
また、山岳地帯や森林地帯でも目撃情報があります。
体色は薄い赤茶色で、顎から腹にかけては白く、毛は短いです。
足は細長く、全体的に筋肉質の体型をしています。
カラカルの性格
さらに警戒心がとても強く、臆病で、個体数も少ないので、野生のカラカルに出会うのはかなり難しいです。
それは餌が少ない環境において、体は資本。不要な怪我は狩の成功率を下げてしまうので、無益な争いを避けるために周囲を常に警戒し、臆病にいなければならないのです。
カラカルの狩り
カラカルは狩の名人としても知られています。
カラカルは主に夜間、自分よりも小さい動物や鳥類、爬虫類を捕食します。
カラカルが暮らしているのは主に乾燥帯で、餌の動物にめぐり合う可能性は比較的低い地域です。
なので、カラカルにとっての狩はとても重要で、一回の狩の成功率は生死に直結します。
そんな状況でカラカルの狩の成功率はかなり高く、狙った獲物は逃しません。
カラカルの強靭な脚力
カラカルの狩で有名なのは飛び立った鳥に飛びつき叩き落とすシーンです。
カラカルはその強靭な脚力で垂直に3mは飛び上がることができます。
獲物となる鳥が飛び立った瞬間をめがけて飛び上がり、空中で強烈ネコパンチの乱れ打ちが炸裂し、一度に数羽の鳥を仕留めることができます。
また、追走能力にも優れており、時速80kmで走ることができるため、ネズミや小型哺乳類をも仕留めてしまうのです。
カラカルの無音の移動術
カラカルが獲物に忍び寄るとき、獲物はその存在すら気付かず、襲われた時に初めて自分がカラカルに狙われていることに気づくのです。
その理由はカラカルの抜き足・差し足です。
カラカルの短い体毛は足の裏にまで広がっており、足音や移動の際に地面い伝わる振動を最小限にしています。
なので、警戒心が強いネズミですら、巣穴に戻る暇を与えずに襲うことができるのです。
カラカルの最大の武器は耳!?
カラカルの狩の強さは、「獲物までの距離を詰める能力」、「獲物を仕留めるジャンプ力と走力」だけではありません。
もう一つ、他の生物と比較して抜き出ているのが「聴力」です。
カラカルの特徴とも言える長い耳の房毛は、空気の振動を増幅させ、わずかな空気の振動すら感知します。
これにより、獲物の存在だけでなく、ライオンやハイエナなど、自分より上位の捕食者の接近を察知するのです。
カラカルをなかなか見つけることができない最大の理由は、この鋭敏な聴力でこちらの存在を察知されてしまうからのなのです。
カラカルはペットのなるのか?
優秀なハンターのカラカルはペットとして飼うことができるのでしょうか?
答えはイエスです。
中東地域ではカラカルを飼い慣らしてペットとして飼育している人もいます。
ではカラカルを日本で飼うことは可能なのかについてご紹介していきます。
カラカルはなつく?
カラカルは生息域も広く環境への適応能力が高く、子どもの時からカラカルを育てれば人のいる環境にも慣れ、人にもなつくと言われています。
カラカルの鳴き声は可愛い
人に慣れてしまえば、あとは家猫のように喉を撫でればゴロゴロと喉を鳴らして甘えてきます。
また、鳴き声も鳥のようにピャーと高い声で鳴きます。
色々準備を整えて、子どもの頃から飼ってしまえば家猫のように一緒にいることができるのです。
カラカルの飼い方
カラカルを飼うにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、カラカルは日本では「特定動物」に区分されており、これは「人や周囲の物に危害を加える可能性のある動物」を意味します。
なので、都道府県知事や政令指定都市の市長に飼うことの申請を出し、その許可を取る必要があります。
また、カラカルの運動能力に堪えるだけの頑丈なケージや広いスペース、そして許可時に登録した人以外が接触しないようにすること、など制度面で手続きが必要になります。
また、餌代やスペースの確保だけでもひと月当たりにかなりな費用が考えられます。
さらに子どものカラカルを買うにも100万円は超えてしまうので、お金にかなり余裕がある場合は検討してみてもいいでしょう。
カラカルのまとめ
警戒心が強く「幻の猫」とまで言われるほど個体数が少ないカラカルは、狩の名手でもありました。
ただし環境適応能力にも優れているので、小さいころから飼えば人にも慣れてくれます。
ただし、かなりな初期費用と維持費がかかるので、懐の温まり具合次第ですね。