「シェパード」という犬種は誰でもご存知かと思います。しかしそんなシェパードにも様々な種類が存在するのはご存知でしょうか?
その数は20種類を超しているのです。
今回はそんなシェパードの中でもより強くより大きくと、強さと大きさを求めて改良された新しい種類の「キング・シェパード」についてご紹介いたします。
作られたのが1995年なので、誕生からまだ30年と経っていないのですね。
このことからまだ正確に分かっていない部分も多々あるようなんです。
この「キング・シェパード」の生態や性格、飼育(価格)など可能な限り掘り下げてみたいと思います。
目次
「キング・シェパード」とは?
「キング・シェパード データ」
- 原産国 アメリカ
- 体 高 80センチメートル程度
- 体 重 70キログラム程度
- 寿 命 10から14年程度
- 特 徴 ジャーマン・シェパードの大型化を図り1995年に作られた比較的新しい犬種。
「キング・シェパード」の誕生
「キング・シェパード」は1995年に改良された品種で非常に歴史が浅い犬種になります。そのため、各国ケンネルクラブではまだ犬種として認められていません。
シェパードの代表格であるジャーマン・シェパードをより大きく、より強く、より丈夫で知的な犬種へと改良を重ねこの「キング・シェパード」が作られたのです。
この「キング・シェパード」の改良には、ジャーマン・シェパードの他にも、ヨーロピアン・シェパードやシャイロ・シェパード更にはアラスカン・マラミュートやグレート・ピレニーズなどが加わっているとされています。
本来は、ガードドッグや牧羊犬として活躍するのですが、素晴らしい容姿からショードッグとして、また大柄で優しい性格ということもあり察犬や災害救助犬、盲導犬としても活躍の場を広げています。
まだ歴史も浅く、希少犬種ではありますが、その人気は年々高まり2007年頃からアメリカより国外輸出も行われています。
「キング・シェパード」の特徴(生態や性格など)
もともとジャーマン・シェパードをより大きくするために作られており体高80センチメートル、体重70キログラムにもなる超大型犬です。
非常に大柄なうえ、がっしりと引き締まった筋肉質な体形は健康的を通り越し神々しささえ覚えてしまいます。この体形から繰り出される力は非常に強いですが、それでいて優れた持久力と俊敏性を持つのですから驚いてしまいます。
ジャーマン・シェパードをがっちり大きくさせた感じをイメージしていただければ分かりますが、とても精悍な顔立ちをしています。
また非常に賢く、訓練やしつけなどは大型犬の中でもすぐに覚えてくれますね。
過酷な任務を遂行するために作られた「キング・シェパード」にしてみれば、日頃の訓練などは朝飯前なのかも知れません。
特徴的な部分としては、耳は立ち耳、尾はふさふさした垂れ尾、被毛はやや長めの中毛にあたり剛毛タイプとスムースタイプに分かれます。毛色は様々な色調のツートンカラーやセーブル調、ブラックアンドタンなどが多いようです。
被毛は通年を通して、換毛生え変わりが行われます。
「キング・シェパード」の性格
その巨体からはイメージしにくいですが、「キング・シェパード」は温和で賢く非常に優しい性格をしています。
賢さは訓練やしつけのしやすさにもあらわれていますし、その優しさは災害救助犬や盲導犬としてもいかんなく発揮されています。
ただし、ジャーマン・シェパード同様に神経質な一面もあるとされています。
「キング・シェパード」は最強クラスの強さを誇る
「キング・シェパード」は非常に賢く優しい性格をしているとはいえ、ガードドッグとしても活躍してきた犬種です。
従順な性格が主人や家族、家畜などを守るような時には戦闘モードへと切り替わります。
そうなるとただでさえ強いジャーマン・シェパードをより大きくより強く改良した犬種ですので、最強クラスの強さを発揮するのは火を見るよりも明らかですね。
噛む力は130キログラム(ジャーマンシェパードの数値を参考に推測)ともされ、犬の中ではトップクラスを誇ります。
前述のようにパワーは桁外れで俊敏な動きも得意となれば、一度戦闘モードに入ると戦う相手が気の毒と思われてしまいます。
しかし、歴史が非常に浅い犬種ですので、まだしっかりとしたデータも事故などの報告も明確なものがありません。
もう少し時間が経って更なる研究結果が発表されれば、今はまだ表に出ていない驚くような潜在的な強さも示されると思います。
よく話題になる「最強の犬種」というジャンルでも今はまだ多くの声が寄せられていませんが、詳細が明らかになった時にはトップクラスに位置づけられるのは間違いないようです。
ただし、その賢さは証明済みなので、たとえ戦闘スイッチがONとなってもしつけや訓練がしっかりしていれば飼い主の制止で静まり狂犬化することはないでしょうね。
危険性は?
今のところ、「キング・シェパード」の危険性を象徴するような出来事の報告はないのですが、基となるジャーマン・シェパードの場合には、事故や倒れた飼い主を食べるなどの報告もあるようです。
前者の事故はいずれも飼い主のしつけと訓練の未熟さから起きています。
後者の飼い主を食べるという行為は、恨みや凶暴性ではなく精神的に繊細なことからパニック状態を起こしての行為のようです。
いずれにしても人間を簡単にズタズタにしてしまう程の殺傷能力を有するということなんですね。
勿論ジャーマン・シェパードのことなのでそのまま「キング・シェパード」に当てはまるわけではありませんが、そうなる危険性も持ち合わせていることは認識しておく必要があるようです。
「キング・シェパード」の飼育
「キング・シェパード」はまだ犬種登録がされていない希少犬ですので飼育されているのは少ないようです。
それでも原産国アメリカでは段々人気となり始めていて、飼育されることもあるようですね。
穏やかな性格ととても賢く学習能力も高い犬種であることから、様々なしつけやトレーニングをすぐに理解してくれるようです。
しかし裏を返せば、しっかりとしたしつけが出来ないと危険であること、毎日とてつもない運動量を必要とすること、などから安易な飼育は避けた方が良いとも言えます。
日本では、まだこの「キング・シェパード」がペットショップで並んでいるところを見たことはありませんし、ブリーダー情報も見つかっていません。
そもそも飼育用に輸入されているかもわかっていません。
日本で「キング・シェパード」を飼うことを検討し始めるのは、もう少し時間が必要なのかも知れませんね。
その価格は莫大?
上述のようにまだ「キング・シェパード」の販売実績が未確認なので価格的なことも当然定かではありません。
アメリカの場合でもブリーダーからの直取引と思われるので、価格は未確認なのですが価格相場にはムラがあると思われます。
この価格相場にムラがあるのは、希少犬にありがちなんです。
比較対象となる例が無いので、言い値となってしまいブリーダーの意志一つで価格が決まってしまうのです。
基となっているジャーマン・シェパードを例にとっても訓練の有無、結党の有無などで大きなばらつきがあります。
50万円を越すものもあるようですので、「キング・シェパード」の場合には、はるかにそれを超えて莫大な価格となる可能性がありますね。
まとめ
今回、「キング・シェパード」についてご紹介をしてまいりました。
しかし1995年に改良が成功となったという非常に新しい犬種の為、この記事を作成した時点では、他種犬に比べて圧倒的に情報量が乏しいのですね。
それでも、とても素晴らしい犬種と思われるの、是非多くの方にこの「キング・シェパード」を知っていただきたく今回お話をさせていただきました。
賢くて優しくて力持ち、決して可愛らしい愛玩犬ではありませんが、私達人間にとっては正に力強いパートナーとなってくれます。
まだまだ研究途中の段階で、いまのところ日本でお目にかかる機会は非常に少ないようです。
今後更なる研究と環境整備が進み、日本でもその雄姿を普通に見られる日が来るといいですね。