アムールトラとベンガルトラとスマトラトラの違い!最強のトラはどれだ!?

危険生物の最強対決

アムールトラ、ベンガルトラ、スマトラトラこの3種のトラはトラの中でもよく知られた種類です。トラは強いです。では「どれが一番強い」のでしょうか?この記事では3種のトラの違いや強さの順番についてご紹介しようと思います。

アムールトラ、ベンガルトラ、スマトラトラの基本情報

アムールトラの基本情報

アムールトラの写真出典画像:Wikipedia

  • 学名:Panthera tigris altaica
  • 分類:ネコ目ネコ科ヒョウ属
  • 分布:ロシア極東地方の沿海部〜東アジア北東部
  • 体長:270cm~370cm
  • 体重:180~300kg

アムールトラの生態:狩のスタイル

アムールトラはネコ科の生物の中で最大の大きさを誇り、最大の個体だと体重380kgに達すると言われています。

また、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に加藤清正と対決したトラはアムールトラと考えられており、江戸時代ごろまでのトラ像はこのアムールトラが原型になっています。

アムールトラの狩は「待ち伏せ型・潜伏型」で、獲物に気づかれないように風下から忍び寄り、強靭な脚力で一気に飛びかかり、大きな体格と前足でねじ伏せ、喉笛に噛みつき窒息死させます。

捕食対象はシカやイノシシ、ウシで、時にアムールトラの糞からヒグマの毛が見つかることもあり、ヒグマすら捕食すると言われています。


ベンガルトラの基本情報

ベンガルトラの写真出典画像:Wikipedia

  • 学名:Panthera tigris tigris
  • 分類:ネコ目ネコ科ヒョウ属
  • 分布:東南アジア〜中央アジア
  • 体長:270cm~310cm
  • 体重:180~260kg

ベンガルトラの生態:狩のスタイル

ベンガルトラはネコ科の生物の中で比較的大型の種類です。

また生息域が広くヒマラヤ地方の2000mや3000m級の高所から低地の湿地帯や森林地帯など多岐にわたり、生息域拡大の秘訣は運動能力と時に泳ぎがうまいという点です。捕食対象はシカやイノシシなど中型〜小型の哺乳類、ウシやラクダなどの大型草食動物などです。

さらに、インドやネパールでは「人喰いトラ」として恐れられ、「チャンパーワットの人喰いトラ」は436人もの人間を殺害しギネスブックに登録されました。

ベンガルトラの狩は「突進型」でスピードと体格で獲物を圧倒しねじ伏せ仕留めます。

スマトラトラ

スマトラトラの写真出典画像:Wikipedia

  • 学名:Panthera tigris sumatrae
  • 分類:ネコ目ネコ科ヒョウ属
  • 分布:インドネシアのスマトラ島
  • 体長:220~270cm
  • 体重:100~150kg

スマトラトラの生態:狩のスタイル

スマトラトラはトラの中では最小の大きさで、スマトラ島の固有種です。

島という限られたテリトリーの中で行動するため、泳ぎや木登りを得意としています。

捕食対象はシカやイノシシ、鳥類、魚類、爬虫類など雑食で、狩のスタイルは「待ち伏せ型・潜伏型」で、茂みなどに身を潜めて接近し、一気に襲い掛かります。

スマトラ島の密林では走り回るよりも奇襲を仕掛けた方が狩の決定率が良いようです。

アムールトラ、ベンガルトラ、スマトラトラの違い

前述で3種類のトラの基本的情報をご紹介しました。生息地が全く異なるこの3種類のトラについて、この章ではその違いの比較と「強さ」という尺度での比較を行いたいと思います。

大きさと運動量

大きさでいえばアムールトラが最大でスマトラトラが最小で、ベンガルトラはアムールトラに次ぐ大きさとなります。

なので、体格でいえばアムールトラが圧倒的に1番と言えます。

一方、運動量で言えば圧倒的にベンガルトラでしょう。他の2種が潜伏し奇襲をかける狩のスタイルに対して、ベンガルトラは獲物を追走するので、スタミナとスピードではベンガルトラが1番のようです。

体の模様や体毛

トラに特徴的な縞模様ではアムールトラは縞の本数自体は他の種と大差はないですが、縞の幅が狭い特徴があります。ベンガルトラは縞の本数が最も少ないです。スマトラトラは密林で迷彩になりやすく縞の本数が最も多いです。

トラの縞模様は迷彩力の象徴です。ベンガルトラはスピードとスタミナ勝負なので縞模様は比較的少なく、潜伏を必要とするアムールトラとスマトラトラは縞模様が比較的多いのです。

ただしアムールトラは雪中での狩があるため、縞模様はかえって目立ちやすく、どちらかというと「体格による圧倒」が狩の決め手のようです。

一方のスマトラトラはスマトラ島の密林の中で獲物に奇襲を仕掛けるので、ギリギリまで近寄る必要があるので、縞模様は比較的多く、3種の中でも一番多いのです。

つまり、迷彩能力で言えばスマトラトラが一歩有利のようです。体毛の長さで言えばアムールトラは他の2種に比べて比較的長く、厳しい寒さにも耐えられる仕様になっています。

寿命

3種の中でもっとも長く生きた記録が残っているのはベンガルトラで25年を超える個体が確認されています。その他アムールトラは飼育下で20~25年、スマトラトラは20年弱と言われています。

強さの違い

「アムールトラ、ベンガルトラそしてスマトラトラ、この3種類が戦ったらどのトラが一番強いのか」についてこれまでの情報を総合して見ると、1番目はアムールトラ、2番目にベンガルトラ、そして3番目がスマトラトラの順番になると考えられます。

まず、トラの強さを仮に「狩猟能力」とした場合、ベンガルトラが1番になります。

それは獲物を追走するスタミナ力とスピード、そしてトラの中でも2番目に大きい体格があるからです。

ところがトラ対トラの「殺傷力」を強さと考えた場合、重要なのは体重です。筋力で拮抗した場合、勝敗は体重でのプレッシャーになるので、そのように考えるとアムールトラ、ベンガルトラ、スマトラトラの順番になります。

また、防御の面でもアムールトラは優れており、比較的長い体毛は外からの攻撃を緩和させるので、攻守兼ね備えたアムールトラが一番強いことになります。

まとめ

今回は3種類のトラを比較し、その強さの順位をつけていきました。

しかし、この3種はいずれも越滅が危惧されています。その原因は人間です。銃を使い、車を使い、重機を使い、トラを狩り生息域を減らしたのは人間なのです。このランキングはあくまでもトラの中での話、その上には人間がいるのかもしれません。

だからこそ、生態を調査し、個体数を守りその種族を守っていく必要があるのかもしれません。

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