今回ご紹介するのは象になります。
みなさまは、象にはどのような種類があるのかご存知でしょうか?
多くの方が、「アフリカゾウ」に「インドゾウ(もしくはアジアゾウ)」とお答えになるかもしれませんね。
しかし、実際には、2種もしくは3種からなる7亜種が現存しているのです。
それぞれ大きさなど特徴に違いがありますね。
今回はその象の種類の一覧と違い、その中での最強となる象をランキング形式で紹介します。
目次
象
象は、「哺乳網 ゾウ目(長鼻目) ゾウ科」に属する動物の総称となります。
アフリカゾウにアジアゾウは広く知られていますね。
この2種とする場合と、アフリカゾウの亜種とされるマルミミゾウが独立種と考えられ3種となる場合があります。
最近では「アフリカゾウ」「アジアゾウ」「マルミミゾウ」の3種とする説が有力ですね。
象の特徴
象は、アフリカゾウでおよそ体長7メートル体高4メートル体重7トン、アジアゾウでおよそ体長6メートル、体高3メートル、体重4トンと陸上で生活する動物で最大の大きさを誇ります。
また象は、長い鼻に大きな耳が特徴的ですね。
特に鼻は象のシンボルともなり、この鼻を起用に操り水を飲んだり餌を食べたりします。
この鼻は、鼻と上唇に該当する部位が発達したもので、米粒などの小さなものやおトウフなどの崩れやすいものも器用につかむことができます。
もちろんこの鼻を使う嗅覚はずば抜けて優れていて鼻を高く掲げ、風に乗って遠方から漂う匂いも嗅ぎ分けることができます。
また、特徴的な大きな耳の機能も優れていて人間では聞き取れない低周波音で会話をしているともされています。
ずば抜けた嗅覚に聴覚を持ちますが、視力は弱いうえに色覚も持ち合わせていません。
嗅覚と聴覚でこれを充分に補えるわけですね。
また大きな牙も象の特徴ですね。
特にアフリカゾウのそれは非常に大きく、3メートルにも達し、これを狙った象牙の密猟が後を絶ちません。
象の生態
雄の象は単独またはオス同士の群れ、雌は雌と子供で群れを作って生活をしています。
巨体故、成体の象が襲われることはまずないのですが、天敵が全くいないというわけではありません。
私達人間を筆頭に、アフリカゾウであればライオンの群れにインドゾウであればトラに、子供や若い象が襲われることがあります。
しかし、象は最強の動物とされるほどに恵まれた体形とずば抜けた運動能力を所有しているのです。
泳ぐのも得意ですし、あの巨体を時速40キロのスピードで走らせることができるのです。
桁外れのパワーに並外れた運動能力を持ち合わせるのですから、最強と称されるだけのことはありますね。
また、非常にクレバーな動物でもあります。
人間の識別や言語の聞き分けなどができることは特に有名です。
絵を描いたり文字を書いたりする象の姿をテレビで見たことのある方も多いのではないでしょうか。
象の食性は草食性で、あの巨体を維持するためには1日に150キロの植物に150リットルの水を必要とします。
象の種類
前述の様に現存する象には2種(3種説も強いですが、本記事では2種で扱います)があり、その中に7亜種が存在します。
マンモスやナウマンゾウなどの絶滅種を含めれば、非常に多種になりますが、本記事では現存する種をご紹介します。
ちなみにマンモスはアジアゾウの近縁種となります。
現存する象の2種とは「アフリカゾウ属」と「アジアゾウ属」この分類によるものになります。
アフリカゾウ属とアジアゾウ属
アフリカゾウ属には次の2亜種が存在します。
- サバンナゾウ
- マルミミゾウ(シンリンゾウ)
一方 アジアゾウ属には次の5亜種が存在します。
- インドゾウ
- セイロンゾウ
- スマトラゾウ
- マレーゾウ
- ピグミーゾウ
サバンナゾウ
- 和 名 サバンナゾウ
- 学 名 Loxodonta africana africana
- 英 名 African Elephant
- 分 布 サハラ砂漠以南のアフリカ
- 体 長 6から7.5メートル程度
- 体 重 5800から7000キログラム程度
私達が通常「アフリカゾウ」と呼んでいるのが、このサバンナゾウでこの呼び方が正式名称になります。
現存する陸上動物の中では、最大そして最強となるのがこのサバンナゾウと言うことになりますね。
サバンナゾウは、アジアゾウに比べて気性が荒いとされています。しかし、普段は非常に大人しい性格で知能もかなり高いインテリジェンスな一面も持っています。
生息環境は主にはネーミングの通りサバンナになります。
マルミミゾウ(シンリンゾウ)
- 和 名 マルミミゾウ(シンリンゾウ)
- 学 名 Loxodonta cyclotis
- 英 名 Forest Elephant
- 分 布 西アフリカ周辺
- 体 長 4から6メートル程度
- 体 重 2500から5000キログラム程度
アフリカゾウと非常に似ているのがこのマルミミゾウで、シンリンゾウと呼ばれることもあります。
その名前の通り森林において生活をする象です。
生息環境が森林ということもあり、サバンナゾウに比べて一回り小さいサイズになります。
耳もサバンナゾウに比べて小さくなります。(アジアゾウよりは大きい。)
ここではアフリカゾウの亜種という扱いにしておりますが、近年の研究では別種とされることが多くなっています。
これは爪と牙の違いから、そのように考えられているようです。
サバンナゾウの爪は前足に4本、後ろ足に3本、アジアゾウのそれは前足に5本、後足に4本となります。
マルミミゾウは、なんとアジアゾウと同じ前足に5本、後足に4本となるのです。また牙もサバンナゾウと比べ湾曲が無いことなどから別種であると考えられているようですね。
森林で暮らすため群れの数も少なく、単独生活の個体もあるようですが、詳細はあまりわかっていないというのが現状です。
インドゾウ
- 和 名 インドゾウ
- 学 名 Elephas maximus
- 英 名 Indian elephant
- 分 布 インド、ミャンマー、スマトラ島、ボルネオ島
- 体 長 5.5から6.4メートル程度
- 体 重 4000から5000キログラム程度
通常私達がアジアゾウと呼んでいるのがこのインドゾウにあたります。
インドゾウはアジアゾウの仲間では比較的大きな部類の像ですね。またアジアゾウのなかで最も広い範囲に分布しているのもこのインドゾウになります。
世界の動物園でも最も多く見られる種類で、それには大人しい性格にクレバーな頭脳から非常に飼育しやすいことが影響していると思われます。
また環境適応能力も非常に高く、インドやネパール、バングラデシュ、ブータンなど、さらにはミャンマーやタイ、中国などにも分布域を広げていることからもわかりますね。
生息環境も草原から常緑林など様々な環境に適応することができます。
セイロンゾウ
- 和 名 セイロンゾウ
- 学 名 Elephas maximus maximus
- 英 名 Ceylon elephant
- 分 布 スリランカ北部東部南東部
- 体 長 5.5から6.4メートル程度
- 体 重 4000から5000キログラム程度
スリランカに生息することからスリランカゾウとも呼ばれることもあるのがセイロンゾウです。
スリランカの北部に東部、南東部の乾燥地帯に主に生息しています。
セイロンゾウは、インドゾウよりもやや大きく(実際にはそれ程大差はありません)アジアゾウの中では最大種となります。
特徴的なのは体色で、インドゾウより体色は少々暗めですが桃色の斑点がある個体が多く存在します。
また、セイロンゾウのメスには牙が生えていません。また雄でも牙を持つのは1割程度という少々変わった種になります。
スマトラゾウ
- 和 名 スマトラゾウ
- 学 名 Elephas maximus sumatranus
- 英 名 Sumatran elephant
- 分 布 インドネシアスマトラ島とボルネオ島
- 体 高 2から3メートル程度
- 体 重 2000から4000キログラム程度
インドネシアスマトラ島とボルネオ島(生息環境は分断されています)に生息をしているスマトラゾウです。
前述のアジアゾウ2種(インドゾウ、セイロンゾウ)と比べるとやや小ぶりの種となります。
現在では、個体数が半数近くにまで激減し、絶滅危惧種に指定されています。
マレーゾウ
- 和 名 マレーゾウ
- 学 名 Elephas maximus hirsutus
- 分 布 マレーシア
- 体 長 2.5から3メートル程度
- 体 重 不明
マレーシアに生息するのが、マレーゾウになります。
体長は3メートル程度と象にしては小柄な部類に入ります。
謎が多い象で詳細が不明な部分が多々あります。
ボルネオ(ピグミー)ゾウ
- 和 名 ボルネオピグミーゾウ
- 学 名 E.m. borneensis
- 英 名 Borneo elephant・Bornean Pygmy elephants
- 分 布 ボルネオ島北部、北東部
- 体 長 2.5メートル程度
- 体 重 不明
ボルネオ島に生息するボルネオピグミーゾウは、2003年になってアジアゾウの亜種と判明しました。
体高1.5メートル程度、体長2.5メートル程度と現存する象の仲間では最も小柄な種になります。
このボルネオピグミーゾウは、地元の人間との生存トラブルが多発し、大量虐殺されたというニュースにより一躍有名になりました。
この影響だけではありませんが、ボルネオピグミーゾウは、今では1200頭程度しか生息数が確認出来ない希少種なのです。
最強の象ランキング
それでは、前項でご紹介した現在生存をする2種7亜種の象による最強ランキングを考えてみましょう。
これはやはり身体の大きさと牙がものを言う戦いとなりまそうですね。
最強の象ランキング第7位
最強の象ランキング第7位となるのは、「ボルネオピグミーゾウ」になります。
やはり大きさがものを言うこの自然界において、象の中で最小となるボルネオピグミーゾウでは部が悪いのは火を見るよりも明らかですね。
しかし、個体数が激減している彼らには、強さの戦いというよりもまずは生存環境を整えてもらいたいということで注目しておきましょう。
生存競争に勝ち抜く強さに期待です。
最強の象ランキング第6位
続いて最強の象ランキング第6位になります。
第6位となるのは、「マレーゾウ」になります。
第7位となったボルネオピグミーゾウが最小の象として認知をされていますが、実はマレーゾウも象の中では小柄な部類に入ります。
こちらもボルネオピグミーゾウ同様に、巨体が揃う象同士の戦いにおいては部が悪いです。
この第6位という順位が妥当と言えるでしょう。
しかし、マレーゾウはなかなか詳細が把握出来ていない部分も多々あり、今後の研究次第では順位変動もあるかもしれません。
最強の象ランキング第5位
続いて最強の象ランキング第5位になります。
第5位となるのは、「スマトラゾウ」になります。
第6位のマレーゾウ、第7位のボルネオピグミーゾウほどではありませんが、このスマトラゾウも象の中では小さい部類の種となります。
巨体がひしめき合う象同士の戦いでは不利な戦いを強いられてしまいます。
スマトラゾウの第5位も納得なのではないでしょうか。
最強の象ランキング第4位
続いて最強の象ランキング第4位になります。
第4位となるのは「マルミミゾウ(シンリンゾウ)」です。
以外かも知れませんが、ここで早くもアフリカゾウ属のマルミミゾウが登場します。
大きいイメージのあるアフリカゾウ属ですが、このマルミミゾウは森林での生活に適応するために小型化されているのです。
小型化と言う環境に適応した能力はもちろん強い生物の証ではあります。
しかし、実際のバトルとなると裏目に出てしまいますね。
パワーがものを言う象同士の戦いでは部が悪くなってしまいます。
大型のアジアゾウの後を追うのも仕方ないところですね。
最強の象ランキング第3位
続いて最強の象ランキング第3位になります。
第3位となるのは、「インドゾウ」になります。
アジアゾウの代表種とも言えるインドゾウがこの第3位とは、どうなのでしょうか。
健闘なのか、意外なのか。
しかしこれ、実は次でご紹介する第2位で詳しく説明しますが、条件次第で順位の変動は充分起こり得る結果なのです。
とりあえずは、インドゾウの定位置としてはこの第3位になります。
最強の象ランキング第2位
続いて最強の象ランキング第2位になります。
第2位となるのは、「セイロンゾウ」になります。
僅差ではありますが、第3位のインドゾウよりも体格で上回ることからセイロンゾウを第2位としました。
しかし、インドゾウの項でも触れましたが、これは条件付きなのです。
セイロンゾウは、一部の雄には非常に立派な牙が生えております。
しかし、牙を持つ割合は1割程度なのですね、残り9割程度の雄には牙が生えません、言わば丸腰状態となるのです。
今回は、最も大きく健康的な個体同士の戦いを想定したのでセイロンゾウを第2位としておりますが、もしこれが団体戦であった場合にはインドゾウが有利となる可能性が高くなります。
個体同士でも場合によっては、入れ替わる可能性もある戦いになるでしょう。
微妙な力のバランスとなりますが、ここでは第2位にはセイロンゾウをあげておきます。
最強の象ランキング第1位
さて、いよいよ最強の象ランキング第1位になります。
もう、すでにネタバレはしていますね。
第1位となったのは「サバンナゾウ」になります。
最強の動物として、あげられるのがこのサバンナゾウなのですから、当然と言えば当然の結果ですね。
パワーに大きさ、全てにおいて規格外で圧倒的となります。
他の動物含めても、このサバンナゾウに1対1で勝てる者はいないのですから、象の世界でのTOP1も至極当然、誰もが納得の順位となるのではないでしょうか。
別のとらえ方
今回は、象の最強ランキングを「2種7亜種」の亜種レベルでご紹介しました。
アジアゾウにおいては、判別も微妙ですので、条件次第で順位変動は起こり得ると言えます。
また、前述の様に象の種を3種とする説が有力となってきていますし、アジアゾウの亜種の区分にも異論があるのも事実なのです。
もし、この最強ランキングを3種で行うのならば。
- 第3位 マルミミゾウ
- 第2位 アジアゾウ
- 第1位 アフリカゾウ
となり、これはいかなる条件などでも動かないテッパンのランキングになります。
まとめ
今回、象の種類そしてその中の最強ランキングをご紹介しました。
アフリカゾウにアジアゾウ、たいていの方々がそのような認識をされる象の種類ですが実は更なる細かい分類があるのです。
動物界最強の地位とされる象も、種類によっては厳しい現実にさらされている状況にあったりもします。
もちろん、そこにはそうならざるを得ない事情もあるようですけれども。
異国の話であまりピンと来にくいのですが、このような問題が一刻も早く落ち着くことを願います。
また、ランキングではやはりサバンナゾウ(アフリカゾウ)が断トツでした。
最強動物として登場するのがこのサバンナゾウなので、当たり前と言えば当たり前ではありますが、あらためてそのすごさを感じることができました。
動物園で見る大きくて優しい印象の象も、実は野生下では怒らせたら恐ろしい一面も持ち合わせる動物なのですね。