アフリカゾウとアジアゾウの違いと特徴

危険な哺乳類

陸上で最大の動物として名高いゾウ。

現在、地球上にはアフリカゾウ、アジアゾウ、マルミミゾウの3種が生息していますが、特に有名なのはアジアゾウアフリカゾウです。

インドで象使いが乗りこなすアジアゾウ。

アフリカのサバンナを悠然と歩くアフリカゾウ。

どちらも同じくらい有名なイメージですが、この2種類の区別はできますか?

アフリカゾウとアジアゾウの違いや特徴、そしてその強さについてご紹介します。


知っているようで知らない?ゾウという動物

アフリカゾウ

画像出典:wikipedia

長い鼻に大きな耳が特徴の超大型動物ゾウですが、「何の仲間?」と聞かれて、答えられますか?

実は、ゾウは「ゾウ目(長鼻目)」に属する動物で、ゾウ目はアフリカゾウ、アジアゾウ、マルミミゾウの3種で構成されています。

つまり、ゾウはどの動物とも似ていない、独立性の高い動物なのです。

ゾウ目がもっとも栄えたのは新生代で、この時代にはオーストラリアと南極を除く全世界に分布していましたが、徐々に衰退していきました。

化石種として有名なマンモスや、日本にも生息していたナウマンゾウは、絶滅したゾウ目の1種です。

ゾウ目が衰退した理由は、主に自然環境の変化と、台頭した人間による狩猟の影響だと考えられています。

人間が現れるまで、武器やワナを使って他の動物を狩る生き物はいませんでしたので、人間がゾウの天敵になったと考えられます。

今では動物園の定番として人気ですが、象牙の違法取引をめぐる密猟が後を絶たず、絶滅が心配されています。

 

アフリカゾウとアジアゾウの違いと特徴

アフリカゾウとアジアゾウはよく似ていますが、見比べるといくつか特徴が違うことがわかります。

まず、アフリカゾウのほうが全体的に大型です。

アフリカゾウの体長が6~7.5メートルなのに対して、アジアゾウでは5.5~6.4メートル

体高もアフリカゾウに比べて50センチ~1メートルほど差があり、体重は1トンほども違います。

両種とも超巨大動物ではありますが、アジアゾウはアフリカゾウより二回りほど小型、といえるでしょう。

大きな特徴の一つであるキバも、アフリカゾウのオスは3メートルに達することもありますが、アジアゾウでは2メートル以下、特にメスの場合は見えないほど短いこともあります。

さらに、耳の形にも違いが。

アフリカゾウは大きな三角形の耳ですが、アジアゾウはアフリカゾウよりも小さく、耳の形が四角形です。

どちらか片方しかおらず見比べられないときは、頭の形を参考にしましょう。

アフリカゾウの頭はなだらかで平らですが、アジアゾウの頭には二つの盛り上がりがあり、おでこのようになっています。

性格はというと、アフリカゾウのほうが気性が激しく神経質で、飼育してもなかなか慣れないといわれています。

アジアゾウは比較的温厚で、訓練により人間にもよく馴れます。

インドをはじめとする東南アジアでゾウが神聖視され、役畜として利用されてきたのも、この性格の影響かもしれません。

ただし、アフリカゾウの性格にも個体差はあり、記憶力はアジアゾウと同じくらい高いので、きちんと訓練すれば同じくらい馴れるといわれています。

また、アフリカでもゾウが役畜として利用されていたことがありますが、このとき使われたのはマルミミゾウだとされています。

マルミミゾウは外見上はアフリカゾウとそっくりで、見た目で区別するのは難しいのですが、全体的にアフリカゾウよりも小型です。

性格は、少なくともアフリカゾウよりおとなしいようです。


陸上で最強?ゾウの強さ

さて、ゾウといえば大きさと同じくらい気になるのが、その強さ。

肉食動物ではないので、ツメなど攻撃的な武器こそ持たないものの(キバは武器として使うことはありません)、全身凶器といっても過言ではありません。

まずはその足。

不幸にもゾウと戦わなければならない場合、対応しなければならないのは大黒柱のようなです。

1本で1.5トンもの重さを支え続ける足ですから、そんなもので蹴られればひとたまりもありません。

もちろん、も強力な武器になります。

鼻には骨格がないため、かなり自由度の高い動きをします。

ゾウの知能と鼻先の器用さを考えれば、棒などを振り回すゾウがいてもおかしくありません。

そして、ゾウは本気で突進すると時速40キロに達します

6トンもの巨体が時速40キロで衝突すれば、それだけですさまじい破壊力となります。

陸上自衛隊の軽装甲機動車が4.5トンですから、軍用車が40キロで走っている、と置き換えてもいいでしょう。

百獣の王と呼ばれるライオンや、陰の実力者たるハイエナも、ゾウにはあまり手を出しません。

接近戦でゾウを仕留めるのは非常に危険であることがうかがえます。

ゾウ目を衰退へと追いやった人間は、落とし穴や矢じりのついた長槍を使い、徒党を組んで立ち向かったと考えられています。

直接戦闘を避ける、という戦術がなければ、ゾウにはかなわないということですね。

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