【危険生物の最強対決シリーズ】今回ご紹介するのは「アナコンダ対ニシキヘビ!」です。
アナコンダにニシキヘビ共にヘビを代表する大蛇となります。
その中でも、それぞれの代表種であるオオアナコンダにアミメニシキヘビは、最大級の蛇として非常に有名です。
それ故に、この両者は混同されやすく、しばしば間違われてしまうこともあるのです。
今回は、戦いと言うよりも2種の違いとそれぞれの強さの比較を行っていきたいと思います。
題して「アナコンダ対ニシキヘビ!違いと強さについて」です。
どうぞお楽しみください。
目次
オオアナコンダ
「オオアナコンダ基本データ」
- 分 類 有鱗目 ボア科 アナコンダ属
- 学 名 Eunectes murinus
- 和 名 オオアナコンダ
- 英 名 Green anaconda
- 体 長 400~600センチメートル程度 最大で900センチメートル
- 体 重 80~120キログラム程度 最大で250キロ以上とも
- 分布域 南アメリカ大陸(アマゾン川流域)
オオアナコンダの特徴
オオアナコンダは、アミメニシキヘビと共に世界最大種のヘビとされています。
体長的には、ややアミメニシキヘビの方が長いとされていますが、体重的にはオオアナコンダの方がずば抜けて大きくなります。
何を持って最大とするかによりますが、体重を考慮した場合には間違いなくこのオオアナコンダが世界最大種となるでしょう。
最大とされる個体では体長900センチメートルに体重が250キロ以上、胴回りが30センチメートルとされるのですから、まさにモンスター級ですね。
オオアナコンダは、ヘビ類では珍しくそのほとんどを水の中で過ごします。
実は身体が重すぎて、陸上では動きが鈍く遅くなってしまうからなのです。
基本的には夜行性で、昼間はほとんど休んでいます。
食性は肉食性で、水中で待ち伏せし水辺に来た獲物に素早く食らいつき、長く太い体を巻き付けて仕留めてしまいます。
有毒種ではないので、巻き付くことによる窒息又は心臓を止めてしまう、さらには水中に引きずり込むことで溺死させてしまいます。
そして、仕留めた獲物はそのまま頭から丸呑みにしていきます。
捕食対象となるのは、魚やカエル、他のヘビに鳥類など目に入るものは何でも食べようとするのです。
大きなものでは、シカやカピバラなどの哺乳類からカイマンなどのワニも獲物となってしまいます。
特筆すべきは、牛や馬などの大型哺乳類にアマゾンでは最強動物となるジャガーにも牙を向けるのです。
ただし、ジャガーやカイマンなどの場合には反対に捕食されてしまう危険もあり、まさに生死をかけた狩りなのです。
アミメニシキヘビ
「アミメニシキヘビ基本データ」
- 分 類 有鱗目 ニシキヘビ科 ニシキヘビ属
- 学 名 Python reticulatus
- 和 名 アミメニシキヘビ
- 英 名 Reticulated python
- 体 長 150~600センチメートル程度 最大で990センチメートル
- 体 重 1~60キログラム程度
- 分布域 東南アジア
アミメニシキヘビの特徴
アミメニシキヘビは、爬虫類全般の中でも最長種となるヘビです。
オオアナコンダと共に世界最大種とされますが、オオアナコンダが体重を含めた大きさであるのに対して、アミメニシキヘビは長さで秀でている感じになりますね。
ただ、平均的には400センチメートル程度で、そこまで大型化する個体は稀であるとされます。
これまでの最大個体は990センチメートルとされますが、詳細は不明な部分が多いようです。
体重も不明なのですが、体型的に見ても10メートル近い長さであっても200キロにも満たないであろうと考えられます。
前述のオオアナコンダががっしりした印象を受けるのに対して、アミメニシキヘビは随分とスリムに感じます。
アニメニシキヘビの食性も肉食性で、爬虫類から鳥類、哺乳類などを捕食します。
大きなものではシカやヒョウ、そして家畜や私達人間までもが捕食対象になります。
こちらもオオアナコンダ同様に夜行性で昼間は茂みなどで休み、夜になると狩りなど行動的になります。
無毒種なので、狩りの方法は鋭い牙の生えた口で獲物に咬みつき、そこから長い胴体を獲物にぐるぐると巻き付け獲物を仕留めてしまいます。
そしてその後獲物を丸呑みにしていくのです。
ここまで見ると、非常にオオアナコンダとの類似点が多いですね。
因みに、これまではヘビが獲物を仕留める際には、身体を巻き付けて窒息死をさせると考えられていましたが、そうではなく締め付けることで獲物の心臓を止めていることがわかっています。
「オオアナコンダvsアミメニシキヘビ」その違いとそれぞれの強さ!
これまでご紹介してきましたように、オオアナコンダとアミメニシキヘビは共に世界最大種の大蛇ということもあり、非常に類似点が多くあります。
実際に、私達人間はよくこの2種をごっちゃに考えてしまうことがあるようです。
これは、映画などの影響によるところが大きいですね。
アナコンダの知名度が非常に高く、「大蛇=アナコンダ」と言う先入観から来るようです。
では、この2種の違いとは何なのでしょうか。
オオアナコンダとアミメニシキヘビの違い
この2種は、まず分類上の属する科が異なります。
オオアナコンダがボア科なのに対して、アミメニシキヘビはニシキヘビ科になります。
また、生息環境に繁殖も異なります。
オオアナコンダは水中生活ということもあり、卵胎生で直接子供を産み落とします。
一方陸上生活のアミメニシキヘビは、卵生です。
さらに、体型が異なります。
今のところ、公式的な最長はアミメニシキヘビの990センチメートルというのが世界最長とされています。
オオアナコンダの900センチメートルは、それに次ぐ2番目の長さとなります。
しかし、平均的な長さで考えますと、どうやらオオアナコンダの方が上回っているようです。
また、もっとも大きな違いはオオアナコンダの方が、太くたくましくがっちりとした体形をしているので体重が随分と重くなるのです。
共に強さは最強クラス、狩りの方法が異なる
オオアナコンダとアミメニシキヘビはそれぞれ、狩りの獲物として大型の肉食獣をも含むことからヘビの中でも最強と言えるでしょう。
中には、ワニや大型ネコ科動物なども含まれているのですから、ただただ驚きです。
しかし、よく見てみるとオオアナコンダの方が狙う獲物の振り幅が大きく感じます。
つまり、より大型の獲物まで襲うと考えられるのです。
実はこれ、狩りの方法の違いによるものなのです。
アナコンダは、陸上では動くのが遅いので水中での待ち伏せ型・受動型の狩りが主になります。
つまり、その時来た獲物を捕らえないと、次のチャンスがいつ来るか分からないのです。
このことから、そこにいる獲物が少々危険なものであっても大きなものであってもお構いなしに狙っていくのです。
一方アミメニシキヘビは、動き回ることが容易いので、能動的な狩りを行います。
なので、オオアナコンダに比べて無理な狩りをする必要がないのです。
ただオオアナコンダは、襲って仕留めたは良いものの、あまりにも大きくて飲み込めずに諦めるケースもあります。
これは、無理に飲み込もうと思えば出来るのでしょうが、その後動けなくなり襲われる危険性があるからと考えられています。
因みに双方共に最大の武器は大きな体を相手に巻き付けて締め付けるパワーになります。
この数値はオオアナコンダがおよそ1トン、アミメニシキヘビで750キロ程度と目されています。
体重が重い分オオアナコンダに分があるようです。
人間にとっては両方驚異?
オオアナコンダやアミメニシキヘビにより、人間が命を落とす事故も多発しています。
共に人喰いヘビのイメージがありますが、オオアナコンダが人間を捕食対象としているかは疑問があるようです。
命を落とす事故は多いのですが、人間が飲み込まれたケースが少ないのです。
一方、アミメニシキヘビの場合には、明らかに人間も捕食対象となるようです。
襲われ、そのまま飲み込まれるケースが多いですね。
とは言え、命を落とす危険性は共に大きいので、飲み込まれるか否かではなく人間にとってはどちらも危険なヘビであることに間違いはありません。
まとめ
今回、「アナコンダvsニシキヘビ」について考えてみました。
今回は、双方が戦った場合にどちらが勝つのかと言う強さではなく、両者の比較対照からその違いとそれぞれの強さを考えてみました。
共に最大のヘビとして名前のあがる大蛇です。
9メートル越えの大きさ、その迫力にはただただ圧倒されてしまいますね。
勿論、最強のヘビとしても名前があがります。
有毒種ではないので、その規格外のパワーで獲物を仕留めるダイナミックさも大型のヘビならでは迫力です。
オオアナコンダにアミメニシキヘビ、これらに興味を抱かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、現地では私達人間の死亡事故も多発する非常に危険で恐ろしいヘビでもあるのです。
興味本位で近付くのは控えなくてはなりませんね。
そう考えますと、日本に生息する大型のヘビ「アオダイショウ」ですら可愛く感じられます。