ネコ科生物の中で最強動物は何か、この疑問にたいして、大抵の人は「百獣の王 ライオン」と答えるかもしれません。
なんせ異名が「百獣の王」ですし、歴史の中でも強さの象徴としてとらえられてきました。
では、本当にライオンが最も強いのか、ネコ科の最強動物とは何なのかについて、ご紹介していこうと思います。
目次
ネコ科の最強動物の強さの基準とは
ネコ科の生物の中で一番強いのは種類を考えるうえで、重要なのは強さをどのように考えるかです。
そこで、この記事では強さを「大きさ」と「殺傷能力」に絞って考えていこうと思います。
ネコ科の最強動物の強さの基準|大きさ
動物界において、大きさはそのまま強さに繋がる重要な要素です。
陸上生物界最強と言われるゾウは、その大きさと体重に依存していますし、ヒグマやホッキョクグマの強さもその大きさに支えられている部分が大きいです。
よって今回の比較においても「大きさ」は重要な比較軸になってくると考えられます。
ネコ科の最強動物の強さの基準|個体での殺傷能力
強さに関して、大きさはかなり重要な要素ではありますが、何といっても殺傷能力は外せない基準です。
実際に以下で紹介するネコ科生物が戦うことは滅多にないので、殺傷力は獲物を狩るスタイルを参考に判断していきます。
ネコ科の最強動物|大型のネコ科生物で比較
ネコ科生物の中で最強を決める、その候補はというとやはり大型のネコ科の生物での比較になります。
そこで、今回選出したのがトラ、ライオン、ジャガー、ヒョウ、チーター、ピューマの6種類です。
この6種類それぞれを大きさと殺傷能力をもとに比較していきたいと思います。
ネコ科の最強動物|第6位 チーター
出典画像:Wikipedia
- 学名:Acinonyx jubatus
- 分類:食肉目ネコ科チーター属
- 分布:アフリカ大陸草原部
- 体長:110~150cm
- 体重:35~72kg
チーターの強さ|サバンナ最速のスプリンター
地球上で最も早く走ることができる動物といえば、それはチーターです。
チーターは最高速度は時速80~110kmほどで約5km近くを疾走することができます。
体型はスラッとしたスリム体型で、まさにサバンナの最速スプリンターです。
この驚異のスピードを支えているのは、柔軟な体による身のこなしの良さと、バネのような筋肉質の体です。
チーターの獲物の殺傷方法は喉元に噛み付いて気道を塞ぐ窒息死ですが、実は大型のネコ科の生物の中でもチーターは殺傷能力は低く、顎の力も弱いのです。
また、狩に対しては消極的で臆病な性格をしています。
それはチーターの狩が疾走能力に依存しているからです。
サバンナは過酷な場所です。不要な怪我によって餌が取れなくなってしまうというのは死を意味します。
なので、チーターは自分よりも大きな獲物を無理に狙うことはせず、成功率の高い狩しか行いません。
怪我が命取りになるという点も、陸上選手のようですね。
ネコ科の最強動物|第5位 ヒョウ
出典画像:Wikipedia
- 学名:Panthera pardus
- 分類:食肉目ネコ科ヒョウ属
- 分布:アフリカ大陸〜東南アジア、極東ロシア
- 体長:100~150cm
- 体重:30~90kg
ヒョウの強さ|頭脳派ハンター
ヒョウはアフリカのサバンナ地帯から東南アジア、果ては極寒の極東ロシアにまで広く分布しています。
生息している環境が多様なので、適応能力の高さもヒョウの強みと言えます。
ヒョウの狩のスタイルは、チーターのように獲物を追走し仕留めるというよりは、待ち伏せスタイルです。
特にヒョウが得意とするのは、樹上からの急襲によって、獲物の不意をつき、喉元に噛み付いて窒息死させることです。
チーターのような機動力はないですが、チーターよりも大きな体格と頭脳はプレイ、そして獲物を樹上にまで運ぶ筋力はチーターと比較しても、より強いハンターと言えるでしょう。
ネコ科の最強動物|第4位 ピューマ
出典画像:Wikipedia
- 学名:Puma concolor
- 分類:食肉目ネコ科ピューマ属
- 分布:南北アメリカ大陸
- 体長:1~1.8m
- 体重:65~100kg
ピューマの強さ|大型のネコでは屈指の身体能力
マウンテンライオンともクーガーとも呼ばれ、スポーツ用品のマスコットにもなっているピューマですが、近年では生息域の拡大にともなって、人間が遭遇してしまう危険性が高まっていると言われています。
ピューマは山岳部から荒野にいたるまで活動域が広く、また岩肌がむき出しになり石がゴロゴロ転がっているような場所でも素早く駆け抜け、垂直跳びでは5mほど飛び上がることができる身体能力を持っています。
ヒョウと比較した場合、狩スタイルや身体能力的にはほぼ互角ですが、体格差でピューマが有利だと考えられます。
ネコ科の最強動物|第3位 ジャガー
出典画像:Wikipedia
- 学名:Panthera onca
- 分類:食肉目ネコ科ヒョウ属
- 分布:北アメリカ大陸南部〜南アメリカ大陸
- 体長:120~185cm
- 体重:50~136kg
ジャガーの強さ|「一撃で殺す者」
大型ネコ科生物のなかでもライオンに次ぐ大きさがあるのがジャガーです。
このジャガーは他の大型ネコ科生物とは一線を画しているジャングルの最強ハンターです。
そもそもジャガーの由来がインディアンの言葉の「一撃で殺す者」が由来になっているあたりから、殺傷能力の高さが伺い知れます。
ジャガーのハンターとしての特殊性は名前だけではありません。
獲物を仕留める方法が他と大きく異なり、気道をふさいで窒息死させるのではなく、持ち前の強靭な咬合力で首の骨や頭蓋骨を噛み砕くのです。
また、太く立派な前足から繰り出される強力な猫パンチは中型の草食動物であれば一撃で気絶もしくは絶命してしまうほどです。
体格の大きさと殺傷能力の高さは、まさに第3位にふさわしいと言えるでしょう。
ネコ科の最強動物|第2位 ライオン
出典画像:Wikipedia
- 学名:Panthera leo
- 分類:ネコ科ヒョウ属
- 分布:アフリカ大陸・インド北西部
- 体長:体重170~250cm
- 体重:150kg~220kg
ライオンの強さ|攻守兼ね揃えたバランス型
ライオンは言わずと知れた百獣の王、サバンナの生態系の頂点に君臨しています。
ライオンはオスをリーダーとしたプライドと呼ばれる群れを構成し、戦闘能力で言えばプライドのリーダーが最も強いことになります。
また、プライドのリーダーは他のオスからの侵略に対して群れを防衛する役割があり、戦い慣れをしています。
ライオンの強さの正体は鋭い爪がある強力な前足の一撃や推定300kgほどある強力な噛む力と言えますが、ライオンが強いのは攻撃面だけでなく、防御面も優れているからです。
ライオンのトレードマークであるたてがみは急所の首回りをガードしているため、大型ネコ科生物が仕掛けてくる首を噛んで窒息させるという方法はライオンにはまず通じません。
戦い慣れ、死線を越えたサバンナの王者であるライオンに死角はないのです。
ネコ科の最強動物|第1位 トラ
出典画像:Wikipedia
- 学名:Panthera tigris
- 分類:ネコ目ネコ科ヒョウ属
- 分布:東南アジア〜極東ロシア
- 体長:220cm~370cm
- 体重:100~300kg
トラの強さ|ネコ科最大種はやはり強い
大型ネコ科生物の中でも最大種はやはりトラです。
トラの生息圏は幅広く、ユーラシア大陸の至る所で生息しています。
トラのなかでも最大種であるアムールトラは厚い毛皮と巨大な体から、ヒグマをも襲い食べてしまうほどです。
トラは体格の大きさと前足の強力な一撃、そして強力な噛む力を併せ持ち、待ち伏せ型だけでなく獲物を追走して狩ることもできます。
つまりネコ科生物の中でも最大でありがなら動きは俊敏で、毛皮も厚いため、どのネコ科生物と比較しても概ねトラにかなうものはいないのです。
ネコ科の最強動物のまとめ
ネコ科生物の最強動物は、ネコ科の中でも最大種の「トラ」であると考えられます。
ただし、ネコ科生物の多くは「地の利を生かして」狩をしているものが多いです。
自分のホームで戦った場合は、この順位も多少変更が加えられるかもしれません。
今回はあくまで一つの目安として参考にしていただけたらと思います。